
会議で発言するたびに、なぜかあの人だけ表情が曇る。悪意があるわけではなさそうだし、仕事の能力に問題があるわけでもない。それなのに、どうしても噛み合わない——そんな相手が、あなたの職場にもいませんか。
職場の人間関係で最も厄介なのは、明確な原因が見当たらない摩擦です。パワハラや怠慢なら対処法がある。けれど「なんとなく合わない」には、打つ手が見えません。
興味深いのは、その「合わない」相手が特定の一人であることが多い点です。他の同僚とは普通に話せるのに、あの上司の前だけ言葉を飲み込んでしまう。別のチームでは活躍している後輩が、自分の指示にだけ反発する。関係がこじれているわけではなく、最初から歯車がずれているような感覚。
リクルートマネジメントソリューションズの2024年調査では、20代〜40代の会社員の約6割が「職場に苦手な人がいる」と回答しています。そしてその理由の上位は「価値観の違い」と「コミュニケーションのテンポが合わない」。能力や性格の良し悪しではなく、エネルギーの方向性がぶつかっているという構造的な問題が潜んでいるのです。
ここで一つ、東洋の古い知恵を借りてみたいと思います。五行——木・火・土・金・水の5つのエネルギーで万物の関係を読み解くフレームワーク。占いとして消費するのではなく、人間関係を「構造」として捉え直すレンズとして使う。それが本稿の試みです。
五行を「あなたは火タイプだから情熱的」と性格診断のように使う記事は多いのですが、本来の五行思想はもう少し奥が深いものです。五行が描くのは、性格ではなくエネルギーの向かう先。もっと平たく言えば、「その人が自然にやりたくなること」の方向性です。
九星気学と五行の関係を踏まえて、職場での振る舞いに翻訳してみましょう。
木(もく)— 成長・発案・前進 一番乗りで新しいプロジェクトに手を挙げる人。停滞が苦手で、動いていないと落ち着かない。会議では「で、次は何をしますか?」と切り出す側です。三碧木星・四緑木星がここに属します。
火(か)— 情熱・可視化・発信 プレゼンが上手く、チームの士気を引き上げるのが得意。アイデアを言語化し、周囲を巻き込む力がある。一方で、成果を「見せる」ことに重きを置くため、地道な裏方作業には熱が入りにくい。九紫火星の領域です。
土(ど)— 安定・支援・持続 誰かが始めたことを、黙って引き継いで完成させる人。急な変更に動じず、チームの基盤を支える。派手さはないけれど、この人がいなくなるとチームは途端に機能不全を起こします。二黒土星・五黄土星・八白土星が土のエネルギーを持ちます。
金(きん)— 精密・構造・判断 データで語り、曖昧さを嫌う。業務フローの無駄を見つけ出し、仕組みを整えるのが得意です。「それ、エビデンスありますか?」が口癖かもしれません。六白金星・七赤金星が該当します。
水(すい)— 柔軟・深慮・適応 表に出ないところで人の話を聞き、場の空気を読みながら最適解を探す人。分析力と観察力に優れる反面、意思表示が遅く見られることがある。がここに位置します。
五行には「相生(そうしょう)」と「相剋(そうこく)」という二つの関係原理があります。九星の相性でも詳しく解説されていますが、ここでは職場の人間関係に特化して読み替えてみます。
**相生(生み育てる関係)**は、一方のエネルギーがもう一方を自然に後押しする関係です。
相生の関係にある同僚とは、言葉にしなくても仕事が回ります。「あの人とは阿吽の呼吸で」と感じる相手は、五行の相生関係にあることが少なくありません。
一方、**相剋(抑える関係)**は、一方のエネルギーがもう一方の力を削ぐ方向に働きます。
ここで立ち止まって考えてほしいのは、相剋は「悪い関係」ではないということです。
火だけのチームは暴走します。誰かが冷静にブレーキをかけなければ、プロジェクトは炎上(文字通りの意味で)する。水が火を消すのは、破壊ではなく制御です。金が木を剪定するのは、成長の方向を整えるためです。
つまり「あの人とだけ合わない」と感じる関係は、チームにとって必要な抑制機能が働いている証拠かもしれないのです。
ここからは実践編です。紙とペンを用意して、あなたのチームメンバーを五行に振り分けてみてください。
まず、自分や同僚の本命星を調べましょう。九星気学の基本で生年月日から本命星を確認できます。本命星がわかれば、五行への対応は以下の通りです。
| 五行 | 九星 | 職場での傾向 |
|---|---|---|
| 木 | 三碧木星・四緑木星 | 企画・新規開拓・変革推進 |
| 火 | 九紫火星 | プレゼン・発信・モチベーション |
| 土 | 二黒土星・・ |

占部 柚月占術の水先案内人
タロット・易経・占いの基礎知識を、歴史的な文脈と現代的な視点の両方から案内する編集者。「占いはエンタメでも迷信でもなく、自分と向き合うための道具」という姿勢で、初心者にも分かりやすく占術の世界を紹介する。
この編集者の記事を見る →本記事は一般的な暦の知識や伝統的な解釈に基づいています。 占いの結果を保証するものではありません。最終的な判断はご自身でお願いします。
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大切なのは、これらに優劣がないということです。木がなければ新しいことは始まらず、火がなければ伝わらない。土がなければ続かず、金がなければ整わない。水がなければ深まらない。組織は五つのエネルギーが揃って初めて回ります。
| 実務遂行・管理・チーム安定 |
| 金 | 六白金星・七赤金星 | 分析・品質管理・仕組み化 |
| 水 | 一白水星 | 傾聴・調整・戦略立案 |
さて、振り分けたら次の三つの問いに答えてみてください。
問い1:偏りはないか? 土が4人で木がゼロ、というチームは安定感抜群ですが、新しい発想が出にくい。逆に木と火ばかりなら、アイデアは溢れるのに形にならない。足りないエネルギーを意識するだけで、チームの弱点が見えてきます。
問い2:相剋の関係はどこにあるか? チーム内で最も緊張感のあるペアを特定してみてください。そのペアが相剋の関係にあるなら、摩擦の正体は「エネルギーの方向が逆」であるだけです。どちらが悪いわけでもない。
問い3:相生の流れは回っているか? 木→火→土→金→水→木——この循環がチーム内で途切れていないか確認します。たとえば火と金のあいだに土の人がいれば、情熱(火)を受け止めて安定させ(土)、それを金が仕組みに変える流れができます。もし火と金が直接ぶつかっているなら、間に土の人を挟む座席配置や担当割りを試してみる価値があります。
これは占いではありません。チームの力学を可視化するための思考ツールです。MBTIやストレングスファインダーと同じように、共通言語としてチームで共有してもよいでしょう。
五行のフレームワークが職場で役に立つ最大の理由は、対人関係の問題から人格批判を取り除けることにあります。
「あの上司は感情的すぎる」ではなく「火のエネルギーが強い人なのだ」。「あの後輩は言うことを聞かない」ではなく「木のエネルギーが自分の金と相剋の関係にある」。同じ状況でも、見え方がまるで違ってきます。
心理学者キャロル・ドゥエックは「固定的知能観」と「成長的知能観」を区別しました。人の能力や性格を固定的に捉えると、対立は「あの人が変わらない限り解決しない」という袋小路に入ります。しかしエネルギーの方向性として捉え直せば、「関わり方を変えれば関係は動く」という可能性が開けます。
具体的なコミュニケーション調整を三つ挙げてみます。
水→火(あなたが水で上司が火の場合) 分析結果を伝えるとき、データから入らない。まず「〇〇さんのおっしゃった方向性、面白いと思いました」と火の情熱を受け止めてから、「その上で、こんな数字も見えていまして」と水の深さを添える。火を消すのではなく、火の方向を整える水になる。
金→木(あなたが金で後輩が木の場合) 新しい提案を持ってきた後輩に、いきなり前例やリスクをぶつけない。「いいね、まずやってみようか」と木の芽を認めてから、「ここだけ確認させて」と金の精度を加える。剪定は芽が伸びてからでも遅くない。
土→水(あなたが土で同僚が水の場合) 慎重に見える同僚を「決断力がない」と片付けない。水の人は表面下で大量の情報を処理しています。「どう思う?」とオープンクエスチョンで水を引き出す。堰き止めるのではなく、流れる道を用意する。
五行の知恵は、相手を変えようとすることではなく、自分の関わり方を一手だけずらすことにあります。
五行のフレームワークで関係の構造が見えてきたら、次はもう少し踏み込んだ個別の鑑定を試してみてください。
福占い処の職場の人間関係では、あなたと特定の相手の本命星から、相性の詳細と具体的な接し方のアドバイスを鑑定します。「なぜ合わないのか」を五行の原理で解き明かし、明日の会議から使える一手を提案します。
また、あなたの本質では、本命星・月命星・日命星の三層から、あなた自身のエネルギーの方向性を深掘りします。「自分が職場でどんな役割を自然に担いやすいか」を知ることは、チーム内での立ち回りを見直す手がかりになるはずです。
五行は、2,500年前の中国で生まれたフレームワークです。現代のオフィスとは遠い世界のように見えて、描いている原理は驚くほど普遍的——エネルギーには方向があり、異なる方向同士がぶつかるのは自然の摂理であり、そのぶつかりこそが全体を調律する力になるということ。あの人との摩擦を、明日からは少しだけ違う目で眺めてみてください。
参考資料
一白水星から九紫火星まで、生まれ年から導く運勢判断と九星気学の基礎知識です。
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