
「易経」と聞くと、古めかしい漢文や筮竹(ぜいちく)の束を思い浮かべて身構えてしまう方も多いのではないでしょうか。実は易経の本質は驚くほどシンプルです。陰と陽の組み合わせで世界の変化を読む――たったそれだけ。そして、その入口に立つのに必要なものは、サイコロ2個と5分の時間だけです。
この記事では、易経がまったく初めての方に向けて、サイコロを使った簡易占い「サイコロ八卦占い」の方法をお伝えします。読み終わる頃には、きっとサイコロを振ってみたくなるはずです。
易経(えききょう)は、中国で約3000年前に成立した世界最古の知恵の書です。英語では "Book of Changes"(変化の書)と呼ばれます。
その核心はとてもシンプル。世界は常に変化しており、変化にはパターンがある。パターンを知れば、いまの状況にふさわしい行動がわかる――これが易経の教えです。
変化のパターンを表すのが「卦(か)」と呼ばれる記号。陰(─ ─)と陽(───)の線を組み合わせた図形で、全部で六十四卦あります。占いとは、この64パターンのどれが「いまの自分」に当てはまるかを知る行為なのです。
易経の詳しい歴史や六十四卦の全体像については、易経(えききょう)とは?で解説していますので、興味が湧いたらぜひ読んでみてください。
六十四卦は、8つの基本パターン「八卦(はっけ)」を上下に2つ重ねて作られています。つまり、まずはこの8つさえ覚えれば、易経の世界を歩き始められるのです。
| 番号 | 卦名 | 読み | 自然 | キーワード | イメージ |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | ☰ 乾 | けん | 天 | 創造・力・積極 | 大空に昇る太陽 |
| 2 | ☷ 坤 | こん | 地 | 受容・育成・柔順 | 万物を育む大地 |
| 3 | ☳ 震 | しん | 雷 | 行動・始動・奮起 | 春の雷鳴 |
| 4 | ☵ 坎 | かん | 水 | 試練・知恵・忍耐 | 流れ続ける水 |
| 5 | ☶ 艮 | ごん | 山 | 静止・安定・内省 | 動かぬ山 |
| 6 | ☴ 巽 | そん | 風 | 浸透・従順・柔軟 | そよ風が隅々に届く |
| 7 | ☲ 離 | り |
ステップ1:心を落ち着け、問いを立てる
まずは深呼吸を3回。そして占いたいことを心に思い浮かべます。「今日一日の心がけは?」「この仕事にどう向き合うべき?」のように、姿勢や態度を問う形がおすすめです。
ステップ2:サイコロを2回振る
1回目は「上卦(じょうか)」、2回目は「下卦(げか)」を決めます。
サイコロ2個を同時に振り、出た目の合計で八卦を割り当てます。
| 合計 | 卦 | 自然 |
|---|---|---|
| 2 | ☰ 乾 | 天 |
| 3 | ☱ 兌 | 沢 |
| 4 | ☲ 離 | 火 |
| 5 | ☳ 震 | 雷 |
| 6 | ☴ 巽 | 風 |
| 7 | ☵ 坎 | 水 |
| 8 | ☶ 艮 | 山 |
| 9 | ☷ 坤 | 地 |
| 10 | ☰ 乾 | 天 |
| 11 | ☱ 兌 | 沢 |
| 12 | ☲ 離 | 火 |
合計が2〜9のとき八卦に1対1で対応し、10〜12は乾・兌・離に循環します。覚えなくても、この表をスマホに保存しておけば大丈夫です。
ステップ3:上卦と下卦を組み合わせて読む

占部 柚月占術の水先案内人
タロット・易経・占いの基礎知識を、歴史的な文脈と現代的な視点の両方から案内する編集者。「占いはエンタメでも迷信でもなく、自分と向き合うための道具」という姿勢で、初心者にも分かりやすく占術の世界を紹介する。
この編集者の記事を見る →本記事は一般的な暦の知識や伝統的な解釈に基づいています。 占いの結果を保証するものではありません。最終的な判断はご自身でお願いします。
免責事項を読む →福カレンダーでは、暦に関するコンテンツを正確かつ分かりやすくお届けするよう努めています。
編集方針について →参考情報:暦注・民俗資料、公的機関の暦情報を参考に編集部が整理しています。
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| 火 |
| 知性・美・明晰 |
| 闇を照らす炎 |
| 8 | ☱ 兌 | だ | 沢 | 喜び・交流・表現 | 湖に映る笑顔 |
8つの卦にはそれぞれ自然の象徴が割り当てられています。天・地・雷・水・山・風・火・沢。この自然のイメージをつかんでおくと、占い結果がぐっとわかりやすくなります。
たとえば、1回目の合計が4(☲ 離=火)、2回目の合計が8(☶ 艮=山)なら、上卦が火、下卦が山で「火山旅(かざんりょ)」という卦になります。旅の卦は「変化の途上にある、慎重に進め」というメッセージです。
サイコロを振った結果、上卦と下卦が決まったら、次の3つの視点で読み解きましょう。
1. 上卦と下卦の関係を「自然」で想像する
上卦が火(☲)で下卦が水(☵)なら、「火の下に水がある」情景を思い浮かべてください。火と水は反発し合う――つまり「対立・すれ違い」のメッセージかもしれません。逆に上が風(☴)で下が火(☲)なら、風が火を勢いよく燃え上がらせる様子。「物事が急速に広がる」と読めます。
2. 八卦のキーワードを組み合わせる
上の早見表にあるキーワードを2つ並べてみましょう。「創造+静止」なら「大きな構想を練りつつ、まだ動かない段階」。「喜び+試練」なら「困難のなかにも楽しみを見出せる時期」。直感を大切に、自分の状況に照らして言葉をつなげてください。
3. 朝占ったら、夜に振り返る
もっとも大切なステップです。一日の終わりに「今日の卦は自分の体験とどう重なったか」をメモしましょう。この振り返りの積み重ねが、易経の理解を飛躍的に深めてくれます。
サイコロ八卦占いは、易経という大きな森への入口です。慣れてきたら次のステップに進んでみましょう。
易経は「宇宙の変化の法則」を説く壮大な体系ですが、その入口は拍子抜けするほど身近です。サイコロを2個振って、表を見て、自然のイメージを重ねる。たったこれだけで、3000年の知恵があなたの日常に流れ込んできます。
大切なのは「当たる・当たらない」ではありません。毎朝サイコロを振るたびに「今日はどんな一日にしようか」と自分と対話する時間が生まれること。それ自体が、易経がもたらす最大の贈りものです。
さあ、サイコロを手に取って、最初の一卦を立ててみましょう。
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