
易経の占いといえば「筮竹(ぜいちく)」を思い浮かべる方が多いかもしれません。 しかし、もっと手軽に易経を占える方法があります。それが擲銭法(てきせんほう)── 3枚のコインを使った占い方です。 本記事では、初心者でも自宅ですぐに実践できるよう、準備から結果の読み解き方までをステップバイステップで解説します。
擲銭法は、3枚のコインを6回投げて卦(か)を立てる易経の占い方法です。中国の唐代(618〜907年)に考案されたとされ、筮竹法(50本の竹ひごを使う方法)よりも簡便でありながら、同等の結果が得られるため広く普及しました。
| 項目 | 擲銭法(コイン) | 筮竹法(竹ひご) |
|---|---|---|
| 必要な道具 | コイン3枚 | 筮竹50本 + 筮筒 |
| 所要時間 | 5〜10分 | 20〜30分 |
| 難易度 | 初心者向け | 中〜上級者向け |
| 確率分布 | 老陰/老陽が出やすい(各1/8) | より均等な分布(老陰1/16、老陽3/16) |
| 歴史 | 唐代〜 | 周代〜(3000年以上) |
| 現代の主流 | 一般・入門者に広く普及 | 本格的な易者が使用 |
擲銭法は確率分布が筮竹法と若干異なりますが、実用上は十分な精度があり、初心者が最初に学ぶべき方法として推奨されています。
擲銭法に必要なものは、驚くほどシンプルです。
擲銭法では、コインの表裏にそれぞれ数値を割り当てます。
| 面 | 数値 | 日本の硬貨での判別 |
|---|
占いの精度は問いの質で決まります。心の中で、または声に出して問いを明確にしましょう。
| 良い問い | 避けるべき問い |
|---|---|
| 「転職のタイミングについて、今後3ヶ月の指針を教えてください」 | 「宝くじは当たりますか?」(Yes/Noは不向き) |
| 「Aさんとの関係改善のために取るべき姿勢は?」 | 「AとBのどちらが良いですか?」(比較より一つの道を聞く) |
| 「新プロジェクトで注意すべきことは何ですか」 | 「いつ結婚できますか?」(時期特定は不得意) |
ポイント: 問いは「自分の行動や姿勢」に関するものにすると、実践的な指針が得られます。
問いが決まったら、目を閉じて3回深呼吸し、問いを心の中で繰り返します。3枚のコインを両手で包み、準備ができたと感じたら最初の投擲に移ります。
3枚のコインを同時に投げ、出た面の数値を合計します。これを6回繰り返して、6本の爻(こう)── つまり1つの卦を完成させます。
1回の投擲の流れ:
3枚のコインの合計値は、6・7・8・9の4通りになります。それぞれが異なる種類の爻(線)に対応します。
| 合計値 | コインの出目 | 爻の種類 | 記号 | 性質 |
|---|---|---|---|---|
| 6 | 裏・裏・裏(2+2+2) | 老陰(ろういん) | ╌╌ ✕ | 陰の極み。変爻(陰→陽に変化) |
| 7 | 表・裏・裏(3+2+2) | 少陽(しょうよう) | ── | 安定した陽。変化しない |
| 8 | 表・表・裏(3+3+2) | 少陰(しょういん) | ╌╌ | 安定した陰。変化しない |
| 9 | 表・表・表(3+3+3) | 老陽(ろうよう) | ── ○ | 陽の極み。変爻(陽→陰に変化) |
重要な概念 ─ 変爻(へんこう):
合計が**6(老陰)9(老陽)**の場合、その爻は「変爻」と呼ばれ、ことを意味します。これがの占いの核心であり、「本卦(ほんか)」から「之卦(しか)」への変化を生み出します。
本記事は一般的な暦の知識や伝統的な解釈に基づいています。 占いの結果を保証するものではありません。最終的な判断はご自身でお願いします。
免責事項を読む →福カレンダーでは、暦に関するコンテンツを正確かつ分かりやすくお届けするよう努めています。
編集方針について →参考情報:暦注・民俗資料、公的機関の暦情報を参考に編集部が整理しています。
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| 表(陽) | 3 | 数字が書かれている面(10、50、100、500) |
| 裏(陰) | 2 | 絵柄・デザインが描かれている面 |
五円玉を使う場合は、「五円」の文字がある面を表(3)、稲穂の面を裏(2)とするのが一般的です。
6回の投擲で得た6本の爻を、下から上へ順番に積み上げて卦を作ります。これは非常に重要なルールです。
6回目の投擲 → 上爻(じょうこう) ─── 第6爻
5回目の投擲 → 五爻(ごこう) ─── 第5爻
4回目の投擲 → 四爻(しこう) ─── 第4爻 ← 上卦(外卦)
─────────────────────────────────────────
3回目の投擲 → 三爻(さんこう) ─── 第3爻
2回目の投擲 → 二爻(にこう) ─── 第2爻 ← 下卦(内卦)
1回目の投擲 → 初爻(しょこう) ─── 第1爻
下の3本(初爻〜三爻)が下卦(かか・内卦)、上の3本(四爻〜上爻)が**上卦(じょうか・外卦)**を構成します。
組み立てた卦を六十四卦早見表で調べます。
「新しい副業プロジェクトを始めるにあたり、注意すべきことは何でしょうか?」
| 回数 | コインの出目 | 合計 | 爻の種類 | 記号 |
|---|---|---|---|---|
| 1回目(初爻) | 表・裏・裏 | 7 | 少陽 | ── |
| 2回目(二爻) | 裏・裏・裏 | 6 | 老陰 ✕ | ╌╌ |
| 3回目(三爻) | 表・表・裏 | 8 | 少陰 | ╌╌ |
| 4回目(四爻) | 表・裏・裏 | 7 | 少陽 | ── |
| 5回目(五爻) | 表・表・表 | 9 | 老陽 ○ | ── |
| 6回目(上爻) | 表・表・裏 | 8 | 少陰 | ╌╌ |
上爻 ╌╌ (少陰)
五爻 ── ○(老陽 → 変爻)
四爻 ── (少陽) → 上卦: 巽(風)
───────────────
三爻 ╌╌ (少陰)
二爻 ╌╌ ✕(老陰 → 変爻)
初爻 ── (少陽) → 下卦: 震(雷)
「益」の卦辞: 「益は、往くに利ろし。大川を渡るに利ろし。」
副業プロジェクトの問いに対して「益」が出たということは、前に進むことが有利であるという示唆です。「大川を渡る」は大きな挑戦を意味し、思い切って踏み出すことが勧められています。
変爻の確認: 二爻(老陰)と五爻(老陽)が変爻です。
→ 変爻が示すのは、他者からの助けを素直に受け入れることと、自分の利益だけでなく周囲にも価値を提供する姿勢が成功の鍵だということです。
之卦(変化後の卦): 二爻が陰→陽、五爻が陽→陰に変化すると、下卦が兌(沢)、上卦が艮(山)で**山沢損(さんたくそん)── 第41卦「損」**になります。
→ 「益」から「損」へ。利益を追い求めすぎると損失に転じることへの警告。バランスを意識し、与えることを忘れないことが大切です。
同じ質問を何度も占い直すのは禁物です。易経では「初筮は告ぐ。再三すれば瀆(けが)る」と戒めています。最初の結果を大切にしましょう。
日付、問い、出た卦、変爻、自分の解釈を記録します。数ヶ月後に振り返ると、卦の示唆がどのように現実に反映されたかがわかり、読み解きの精度が上がっていきます。
6回の投擲すべてが少陽(7)か少陰(8)で、変爻が一つも出ないことがあります。この場合は本卦の卦辞のみで読み解きます。状況は安定しており、大きな変化は訪れないことを示します。
変爻が複数出た場合の読み方にはいくつかの流派がありますが、初心者には以下のシンプルなルールを推奨します。
| 変爻の数 | 読み方 |
|---|---|
| 0個 | 本卦の卦辞を読む |
| 1個 | その変爻の爻辞を中心に読む(最も明確な答え) |
| 2個 | 2つの変爻の爻辞を合わせて読む。上位の爻を主とする |
| 3個 | 本卦と之卦の卦辞を対比して読む |
| 4個以上 | 之卦の変化しない爻の爻辞を読む |
| 6個(全変) | 之卦の卦辞を読む |
易経では「清明な意識」が重視されます。一日の中で最も頭が澄んでいる朝の時間帯に占うと、より明瞭な結果が得られると言われています。体調が悪い時や極度の疲労時は避けましょう。
凶意の卦が出ても、それは「警告」であって「宿命」ではありません。易経は未来を変えるための指針を与えてくれるものです。どの卦にも、困難を乗り越えるための知恵が含まれています。
初心者が陥りやすいミスを5つまとめます。
| ミス | 内容 | 正しい方法 |
|---|---|---|
| 爻を上から書く | 上から順に書いてしまう | 必ず**1回目 = 初爻(一番下)**から積み上げる |
| 表裏の数値を逆にする | 表=2、裏=3としてしまう | 表(陽)= 3、裏(陰)= 2。事前に決めておく |
| 変爻を無視する | 本卦だけ調べて終わる | 6と9の変爻の爻辞 + 之卦まで読んで完全なリーディング |
| 都合よく解釈する | 望まない結果を無理にポジティブに | 「不都合な真実」も素直に受け止める |
| 占いだけで重大決断 | 易の結果を鵜呑みにする | 判断材料の一つ。専門家のアドバイスと合わせて総合判断 |
卦を調べる際に必要な八卦(三本の爻の組み合わせ)の一覧です。
| 八卦 | 読み | 記号 | 爻の構成(下→上) | 自然 | 性質 |
|---|---|---|---|---|---|
| 乾 | けん | ☰ | 陽・陽・陽 | 天 | 剛健・創造 |
| 兌 | だ | ☱ | 陽・陽・陰 | 沢 | 悦び・和合 |
| 離 | り | ☲ | 陽・陰・陽 | 火 | 明晰・文明 |
| 震 | しん | ☳ | 陽・陰・陰 | 雷 | 動き・奮起 |
| 巽 | そん | ☴ | 陰・陽・陽 | 風 | 従順・浸透 |
| 坎 | かん | ☵ | 陰・陽・陰 | 水 | 険難・知恵 |
| 艮 | ごん | ☶ | 陰・陰・陽 | 山 | 静止・安定 |
| 坤 | こん | ☷ | 陰・陰・陰 | 地 | 受容・育成 |
擲銭法は、3枚のコインさえあれば誰でもすぐに始められる易経の占い方法です。手順をまとめると次の通りです。
最初は手順に慣れるまで少し時間がかかりますが、10回も練習すれば自然に体が覚えます。3000年の知恵が、3枚のコインの中に凝縮されています。ぜひ今日から試してみてください。
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