
易経は、中国で3000年以上前に成立したとされる世界最古の占術書であり、同時に深遠な哲学書でもあります。 「変化の書(Book of Changes)」とも呼ばれ、万物の変化の法則を陰と陽の組み合わせで表現します。 本記事では、易経の基本的な仕組みから実際の占い方まで、初心者にもわかりやすく解説します。
易経は、中国の古典「五経(ごきょう)」の一つに数えられる最高位の経典です。その成立には数千年の歴史が関わっています。
| 時代 | 出来事 |
|---|---|
| 伝説時代(約5000年前) | 伏羲(ふくぎ)が八卦を創始したと伝えられる |
| 殷(商)代(紀元前1600〜1046年) | 亀甲占い(亀卜)から卦の体系が発展 |
| 周代(紀元前1046年頃) | 周の文王が六十四卦に卦辞を付す。周公旦が爻辞を作成 |
| 春秋戦国時代(紀元前770〜221年) | 孔子とその弟子たちが「十翼」と呼ばれる注釈を加える |
| 漢代(紀元前206〜220年) | 「周易」として五経に列せられ、学問の最高権威となる |
| 17世紀以降 | ライプニッツが二進法との類似に注目。西洋にも影響を与える |
| 現代 | 経営判断、自己啓発、心理学的手法として世界中で活用される |
「易」という字には三つの意味が込められています。これを**三易(さんえき)**と呼び、易経の本質を端的に表しています。
| 概念 | 読み | 意味 | 解説 |
|---|---|---|---|
| 変易 | へんえき | 万物は常に変化する | 宇宙に不変のものはなく、すべては移り変わる |
| 不易 | ふえき | 変化の法則そのものは不変 | 変化には一定の法則(道理)があり、それは永遠に変わらない |
| 簡易 | かんえき | 法則は本来シンプルである | 複雑に見える万象も、根本原理はシンプルに理解できる |
この三つの概念は、「世界は常に変化するが、変化の原理自体は普遍的であり、しかもそれはシンプルに理解できる」ということを意味しています。易経が3000年以上にわたって読み継がれている理由は、この普遍的な世界観にあります。
易経の全体系は、**陰(いん)と陽(よう)**という二つの原理から成り立ちます。
| 要素 | 陽(よう) | 陰(いん) |
|---|---|---|
陰爻と陽爻を3本重ねた組み合わせは全部で8通りあり、これを**八卦(はっけ)**と呼びます。伝説では伏羲(ふくぎ)がこれを天・地・自然現象に見立てて創ったとされています。
| 卦名 | 記号 | 読み | 自然象 | 象徴 | 家族 | 方位 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 乾 | ☰ | けん | 天 | 創造、剛健 | 父 | 南(後天図) |
| 坤 | ☷ | こん | 地 | 受容、柔順 | 母 | 北 |
| 震 | ☳ | しん | 雷 | 動き、発奮 | 長男 | 東北 |
| 巽 | ☴ | そん | 風 | 従順、浸透 | 長女 | 西南 |
| 坎 | ☵ | かん | 水 | 険難、知恵 | 次男 | 西 |
| 離 | ☲ | り | 火 | 明晰、美 | 次女 | 東 |
| 艮 | ☶ | ごん | 山 | 静止、安定 | 三男 | 西北 |
| 兌 | ☱ | だ | 沢 | 喜悦、和楽 | 三女 | 東南 |
古来より伝わる暗記法があります。
乾は三連、坤は六断、震は仰盂、艮は覆碗、離は中虚、坎は中満、兌は上欠、巽は下断

占部 柚月占術の水先案内人
タロット・易経・占いの基礎知識を、歴史的な文脈と現代的な視点の両方から案内する編集者。「占いはエンタメでも迷信でもなく、自分と向き合うための道具」という姿勢で、初心者にも分かりやすく占術の世界を紹介する。
この編集者の記事を見る →本記事は一般的な暦の知識や伝統的な解釈に基づいています。 占いの結果を保証するものではありません。最終的な判断はご自身でお願いします。
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| 記号 |
| ⚊(一本線) |
| ⚋(二本の短線) |
| 象徴 | 光、動、剛、男、奇数 | 闇、静、柔、女、偶数 |
| 性質 | 積極的、能動的、外向的 | 受容的、受動的、内向的 |
| 自然 | 太陽、夏、昼、火 | 月、冬、夜、水 |
重要な点は、陰と陽に善悪の区別はないということです。 両者は対立するものではなく、互いに補い合い、循環しながら万物を生み出す根源的な力です。陽が極まれば陰に転じ、陰が極まれば陽が生じる ─ この循環こそが易経の説く「変化の法則」です。
易経では、陰と陽をそれぞれ一本の線(爻 / こう)で表します。
この爻を3本重ねると**卦(か)**が生まれます。
八卦を上下に2つ重ねると、8×8=64通りの組み合わせが生まれます。これが六十四卦です。下の三爻を内卦(ないか)、上の三爻を**外卦(がいか)**と呼びます。
| 構造 | 名称 | 意味 |
|---|---|---|
| 上の三爻 | 外卦(がいか)/ 上卦(じょうか) | 外的状況、他者、社会 |
| 下の三爻 | 内卦(ないか)/ 下卦(かか) | 内的状況、自分、本質 |
| 六爻全体 | 本卦(ほんか) | 現在の全体的な状況 |
| 番号 | 卦名 | 構成(上/下) | 意味 |
|---|---|---|---|
| 1 | 乾為天(けんいてん) | 乾☰ / 乾☰ | 天の純粋な創造力。大いに通じる |
| 2 | 坤為地(こんいち) | 坤☷ / 坤☷ | 地の受容力。従順に受け入れることで大成する |
| 11 | 地天泰(ちてんたい) | 坤☷ / 乾☰ | 天地が交わり万物が通じる。太平の象 |
| 12 | 天地否(てんちひ) | 乾☰ / 坤☷ | 天地が交わらない。閉塞の象 |
| 29 | 坎為水(かんいすい) | 坎☵ / 坎☵ | 険難が重なる。慎重に対処すべき時 |
| 30 | 離為火(りいか) | 離☲ / 離☲ | 明晰さが重なる。知恵で道を照らす時 |
| 63 | 水火既済(すいかきせい) | 坎☵ / 離☲ | すべてが整った状態。完成するが油断は禁物 |
| 64 | 火水未済(かすいびせい) | 離☲ / 坎☵ | まだ完成していない。可能性を秘めた始まりの時 |
六十四卦の最後が「未済(まだ済んでいない)」で終わるのは、易経が「終わりは新たな始まり」という循環の思想を体現しているからです。
六十四卦を読む際には、以下の視点が役立ちます。
| 視点 | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| 卦象(かしょう) | 上卦と下卦の自然象の関係から全体像を掴む | 水が火の上にある(水火既済)→ 調和が取れている |
| 爻位(こうい) | 6つの爻のうちどの位置が重要かを見る | 五爻は君位(最高位)で、最も力を発揮する場所 |
| 応比(おうひ) | 上下の対応する爻の関係を読む | 初爻と四爻、二爻と五爻、三爻と上爻が応じ合う |
| 中正(ちゅうせい) | 二爻・五爻が正しい位置にあるかを見る | 陰爻が偶数位に、陽爻が奇数位にあれば「正」 |
最も伝統的な方法は、50本の筮竹を使う筮法(ぜいほう)です。
全行程には約20〜30分かかります。この時間をかけること自体が心を落ち着かせ、問いに集中する効果があると言われています。
筮竹を持たなくても、3枚のコインで手軽に易を立てることができます。
| 手順 | 操作 |
|---|---|
| 1 | 3枚のコインを同時に投げる |
| 2 | 表=陽(3)、裏=陰(2)として合計を計算 |
| 3 | 合計6=老陰(変爻)、7=少陽、8=少陰、9=老陽(変爻) |
| 4 | これを6回繰り返し、下から順に爻を積み上げて卦を得る |
| コインの合計 | 爻の種類 | 記号 | 性質 |
|---|---|---|---|
| 6 | 老陰 | ━ ━ → ━━━ | 陰が極まり陽に変わる(変爻) |
| 7 | 少陽 | ━━━ | 安定した陽(変化しない) |
| 8 | 少陰 | ━ ━ | 安定した陰(変化しない) |
| 9 | 老陽 | ━━━ → ━ ━ | 陽が極まり陰に変わる(変爻) |
**変爻(へんこう)**がある場合、爻が変化した後の卦(之卦 / しか)も合わせて読むことで、現在の状況からどのように変化していくかを読み解きます。
六十四卦それぞれに付された全体的な判断文です。卦の全体像と基本的な吉凶を示します。
例えば「乾為天」の卦辞は:
乾は元いに亨る。貞しきに利ろし。(乾は大いに通じる。正しい道を守るのがよい。)
各卦の六つの爻それぞれに付された個別の判断文です。状況の段階的な変化を示します。
六十四卦×六爻=384の爻辞が易経には収められており、これが具体的な行動の指針となります。
易経は古来より帝王学としても学ばれてきました。現代でも経営者や起業家が意思決定の参考にしています。
| 活用場面 | 易経の視点 | 具体例 |
|---|---|---|
| 新規事業の判断 | 時機を読む | 「今は進むべきか待つべきか」を卦で判断 |
| リーダーシップ | 陰陽のバランス | 剛柔を使い分けるマネジメント |
| 変化への対応 | 変易の思想 | 変化は必然であり、柔軟に対応する |
| リスク管理 | 坎(険難)の教え | 困難は成長の機会と捉える |
| チーム運営 | 六爻の位置関係 | 上下関係と役割分担の最適化 |
占いとしてだけでなく、易経は人生哲学の書としても深い洞察を与えてくれます。
易経に由来する言葉は、日常の日本語にも深く浸透しています。
| 出典 | 言葉 | 意味 |
|---|---|---|
| 乾為天 | 「君子終日乾乾す」 | 優れた人物は一日中、努力を怠らない |
| 坤為地 | 「地勢は坤。君子以て厚徳もて物を載す」 | 大地のように広い心で万物を受け入れる |
| 地山謙 | 「謙は亨る。君子終わりあり」 | 謙虚な人は成功を収め、最後までうまくいく |
| 天行健 | 「天行は健なり。君子以て自ら強めて息まず」 | 天のように力強く、自己研鑽を怠らない |
| 沢水困 | 「困しむも其の志を失わず」 | 困難に遭っても志を捨てない |
易経は**五行説(木・火・土・金・水)**とも深く結びついています。八卦はそれぞれ五行に対応し、相生・相克の関係から吉凶を判断する材料となります。
| 八卦 | 五行 | 相生の関係 |
|---|---|---|
| 震☳・巽☴ | 木 | 木は火を生む |
| 離☲ | 火 | 火は土を生む |
| 坤☷・艮☶ | 土 | 土は金を生む |
| 乾☰・兌☱ | 金 | 金は水を生む |
| 坎☵ | 水 | 水は木を生む |
易経の陰陽理論は、東洋の多くの占術に影響を与えています。
福占い処の**玄翁 道元(げんのう どうげん)**は、易経を専門とする占い師です。伝統的な筮法に基づき、六十四卦の深い洞察からあなたの問いに応えます。
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