
Ren Nowaki
干支と暦の研究家
「暦は千年の観察記録。先人が空を見上げ続けた時間の結晶です。」
福カレンダー編集部で干支・節気・自然と暦に関する記事を担当。「暦とは、人類が自然を理解しようとした最初の科学である」という信念のもと、歴史と科学を横断する記事を書く。
東洋史の研究者として大学に籍を置いた後、サイエンスライターに転身。中国暦法の伝来から和暦の独自進化まで、暦の変遷を追い続けている。
書斎には各国の暦が壁一面に貼られており、来客を驚かせるのが密かな楽しみ。

七十二候 金盞香 2026 ─ 11月17日〜21日、立冬末候 水仙が香り立ち冬の門口へ向かう5日
立冬末候『金盞香(きんせんかさく)』は2026年11月17日〜21日。雪中花とも呼ばれる水仙が咲き、その清らかな香りがただよう頃を読み解きます。金盞とは水仙の異名でキンセンカではないこと、金盞銀台の見立て、中国の宣明暦『雉入大水為蜃』を略本暦が冬の花へ書き換えた候の系譜、越前や淡路の水仙の名所、立冬を閉じて小雪へ向かう暦の歩みにも触れます。

七十二候 地始凍 2026 ─ 11月12日〜16日、立冬次候 大地が凍りはじめる5日
立冬次候『地始凍(ちはじめてこおる)』は2026年11月12日〜16日。冷えが地中にまで及び、霜柱が立ち、水たまりに初氷が張る頃を読み解きます。中国の宣明暦をそのまま受け継いだ日中共有の候、霜柱が地表へ伸びる毛細管現象の科学、シモバシラの氷の華、そして11月15日の七五三と千歳飴に込めた長寿の願いにも触れ、凍てつく朝の静けさへ歩を進めます。

七十二候 山茶始開 2026 ─ 11月7日〜11日、立冬初候 山茶花がはじめて咲く冬の始まり5日
立冬初候『山茶始開(つばきはじめてひらく)』は2026年11月7日〜11日。暦のうえで冬がはじまり、冬の花の先駆け・山茶花(さざんか)が咲き出す頃を読み解きます。読みは『つばき』でも指すのは椿ではなく山茶花であること、椿との見分け、中国の宣明暦『水始冰』を略本暦が書き換えた候の系譜、炉開きなど冬支度の習わしにも触れます。

七十二候 楓蔦黄 2026 ─ 11月2日〜6日、霜降末候 楓と蔦が燃えるように色づく5日
霜降末候『楓蔦黄(もみじつたきばむ)』は2026年11月2日〜6日。楓や蔦が黄に紅に染まり、紅葉が最盛期を迎えて霜降を締めくくる頃を読み解きます。気温差が色を冴えさせる紅葉の仕組み、中国の『蟄虫咸俯』を日本が燃える紅葉へ書き換えた略本暦の選び、万葉の『黄葉』、文化の日と観楓の文化、そして次の立冬への橋渡しにも触れます。

七十二候 霎時施 2026 ─ 10月28日〜11月1日、霜降次候 小雨が時々降る時雨の5日
霜降次候『霎時施(こさめときどきふる)』は2026年10月28日〜11月1日。降ってはやみ、やんでは降る時雨(しぐれ)の季節を読み解きます。中国の『草木黄落』を略本暦が書き換えた候の系譜、初時雨や北山時雨の情趣、西行や芭蕉が時雨に重ねたもののあはれ、時雨が紅葉を深めるという見立て、居待月から下弦へ細る晩秋の月にも触れます。

七十二候 霜始降 2026 ─ 10月23日〜27日、霜降初候 野に初霜が降り後の月を仰ぐ5日
霜降初候『霜始降(しもはじめてふる)』は2026年10月23日〜27日。よく晴れた風のない夜の放射冷却で、野に初めて霜が降りる頃を読み解きます。中国の宣明暦『豺乃祭獣』を略本暦が書き換えた候の系譜、初霜と紅葉が冴える仕組み、初日が旧暦九月十三日『後の月(十三夜)』にあたる名月の夜、片月見を忌む習わしにも触れます。