小暑の食べ物・旬の食材ガイド
小暑(しょうしょ)
暑さが本格化、スタミナ食材で夏を乗り切る

小暑は二十四節気のひとつ。暦としての意味や過ごし方は小暑の意味と過ごし方 →をご覧ください。
小暑の旬の食材
ゴーヤ(苦瓜)
沖縄の夏野菜が全国で旬を迎える。苦み成分が夏バテに効く。
枝豆(枝豆)
夏のビールのお供。大豆の未熟豆で、たんぱく質・ビタミンが豊富。
うなぎ(鰻)
小暑から大暑の間の「土用の丑の日」が近づき、需要がピーク。
すいか(西瓜)
本格的な暑さとともに甘さが増す。水分補給と体温調節に最適。
縁起の良い食べ物・行事食
七夕そうめん
七夕(7月7日)にそうめんを食べる風習。天の川に見立てた麺で無病息災を祈る。
小暑と暑気払い — 夏を乗り切る食の知恵
小暑は「暑さが小さい」と書きますが、梅雨明けが近づき、本格的な暑さの幕が上がる節気です。7月7日前後に訪れ、七夕と重なることが多いのも特徴。この時期から暑中見舞いの季節となり、古来「暑気払い」として食で夏の暑さに備える知恵が大切にされてきました。
小暑の節気について詳しくは小暑の解説ページをご覧ください。

七夕そうめん — 中国の「索餅」から日本の素麺へ
七夕にそうめんを食べる風習には、実は1000年以上の歴史があります。その起源は中国の**「索餅(さくべい)」**にあります。
中国の伝説によると、帝の子が7月7日に熱病で亡くなり、その後疫病が流行しました。そこで、その子が好物だった索餅を供えたところ疫病が治まったと伝えられています。この故事から、7月7日に索餅を食べると一年間無病息災で過ごせるとされました。
索餅は小麦粉と米粉を練ってねじった菓子で、奈良時代に日本に伝来。やがて細く延ばした素麺へと変化していきました。宮中では平安時代から七夕に素麺を食べる行事が記録されており、江戸時代には庶民にも広がりました。
七夕のそうめんには、天の川を白い麺で見立てるという美しい解釈もあります。五色の薬味(錦糸卵の黄、きゅうりの緑、にんじんの赤、紫蘇の紫、白い麺)を添えれば、七夕の五色の短冊を表現できます。
ゴーヤの旅路 — 沖縄から全国へ
小暑の頃に旬を迎えるゴーヤ(苦瓜) は、もともと沖縄の食文化を代表する食材です。ゴーヤチャンプルーは沖縄の家庭料理の定番ですが、全国的に知られるようになったのは意外にも2000年代以降のことです。
転機となったのは2001年のNHK朝ドラ「ちゅらさん」。沖縄ブームとともにゴーヤが全国のスーパーに並ぶようになり、今や夏の定番野菜として定着しています。
沖縄の言い伝えでは「ゴーヤの苦味は暑気を払う」とされ、実際にゴーヤに含まれるモモルデシンという成分には胃腸の働きを活発にする効果があります。亜熱帯の沖縄で何百年もかけて培われた食の知恵は、温暖化が進む日本全体にとっても大切な遺産です。
枝豆とビール — 科学が証明した黄金コンビ
夏の風物詩といえば枝豆とビール。この組み合わせは単なる嗜好ではなく、科学的にも理にかなっています。
枝豆に含まれるメチオニンはアルコールの分解を助け、肝臓への負担を軽減します。さらに、良質なタンパク質とビタミンB1が豊富で、ビールだけでは摂取しにくい栄養素を補ってくれるのです。
枝豆は大豆の未熟な状態を収穫したもので、分類上は「豆」と「野菜」の両方の栄養を持つ珍しい食材です。鮮度が命で、収穫後から急速に糖度が下がるため、「朝採って昼茹でる」が理想とされます。小暑の頃から出回り始める枝豆は、まさに夏のごちそうです。
うなぎの序章 — 土用の丑に向けて
小暑の期間中に土用入り(夏の土用の始まり)を迎えることがあります。うなぎの話題は大暑の項に譲りますが、小暑の頃からうなぎ屋の店頭にはのぼりが立ち始め、夏のスタミナ食への期待感が高まります。
古来、うなぎは夏痩せを防ぐ食材として珍重されてきました。万葉集には大伴家持が「石麻呂に 吾物申す 夏痩せに よしという物ぞ 鰻とり食せ」と詠んだ歌が残っており、奈良時代にはすでに夏のスタミナ食として認識されていたことがわかります。
暑気払いの食養生
「暑気払い」は、食べ物や飲み物で体内の暑気を払うこと。小暑の頃に心がけたい食養生の考え方をまとめると:
- 体を冷やす食材:きゅうり、トマト、なす、すいかなど夏の瓜類
- 食欲増進:みょうが、大葉、生姜など薬味をたっぷり使う
- 水分とミネラル補給:麦茶は体を冷やしカフェインがないため理想的
東洋医学では、夏は「心(しん)」が活発になる季節。苦味のある食材(ゴーヤ、緑茶、ビターチョコレート)が「心」を整えるとされています。暑さで食欲が落ちがちな時期こそ、旬の食材の力を借りて夏を元気に過ごしたいものです。
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旬野 椿旬と食の歳時記
旬の食材と暦の関わりを、五感に訴える文章で届ける食の歳時記編集者。二十四節気に寄り添った食卓の提案から、旬の素材の選び方・保存法まで、暦を「食べる」楽しさを伝えている。
この編集者の記事を見る →この記事について
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