金峯山寺 秘仏本尊 特別ご開帳 2026年10月24日〜11月30日 ─ 紅葉の吉野・蔵王堂で選ぶ参拝日

この記事でわかること
奈良・吉野山の金峯山寺が、2026年10月24日から11月30日まで、国宝・蔵王堂の秘仏本尊・金剛蔵王大権現3体を特別ご開帳する。仁王門の大修理勧進のための秋の公開。拝観料と同時開催の絵画展、六曜と吉日・凶日で選ぶ参拝日、吉野山の紅葉の見頃を整理した。
目次
吉野山の坂を上りきると、木立の向こうに蔵王堂の大屋根が現れる。奈良の山上に建つ木造の大堂で、ウィキペディアによれば高さは約34メートル。金峯山寺の本堂であり、世界遺産であり、国宝でもある。この堂の奥、日本一大きなお厨子の中に、ふだんは目にできない本尊が祀られている。
その秘仏本尊・金剛蔵王大権現3体が、2026年10月24日(土)から11月30日(月)まで、特別にご開帳される。公式の告知は9月8日付。目的は、同じく国宝である仁王門の大修理を支える勧進だ。
この記事では、福カレンダー編集部の旅河 楓が、公式発表の日程と福カレンダーの暦データ(六曜・吉日・凶日)を一日ずつ突き合わせ、38日間のどこに参拝を置くかを考えていく。吉野山の紅葉の見頃と重なる季節なので、歩き方もあわせて整理した。
38日間の特別ご開帳 ─ 日程・拝観料・同時開催
公式発表の要点は次のとおり。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 期間 | 2026年10月24日(土)〜11月30日(月) |
| 拝観時間 | 8:30〜16:00(法要等で一時的に入堂を制限する場合あり) |
| 特別拝観料 | 大人1,600円/中高生1,200円/小学生800円 |
| 団体割引(30名以上) | 1,500円/1,100円/700円 |
| 同時開催 | 松田大児画伯 絵画展「古人を思う」(蔵王堂奥殿・本地堂) |
| 問い合わせ | 金峯山寺 TEL 0746-32-8371 |
特別拝観料は、通常の蔵王堂拝観料(大人800円・中高生600円・小学生400円)のちょうど倍にあたる。
この機会にご参拝いただきまして、ご本尊と深いご縁を結んでいただきますようにご案内申し上げます。 ── 金峯山寺「令和8年秋の秘仏ご本尊特別御開帳」
ご開帳の性格は、豊川稲荷の「七十二年ぶり」や笠森観音の「五年ぶり」とは少し違う。公式サイトは、平成24年から国宝仁王門の大修理勧進のために、ご開帳する時期を一定期間設けていると説明している。2026年は春にも3月24日(火)から5月6日(水・休)まで同じ料金で特別ご開帳があり、秋が二度目の機会にあたる。2021年の秋も、10月22日から11月30日までの予定として告知されていた。秘仏が開くのは「めったにない一度きり」ではなく、「勧進に応じて巡ってくる季節の機会」と考えるのが実情に近い。
仁王門は、戦中の昭和18年(1943年)から昭和25年(1950年)にかけての解体修理から約70年。基礎が沈み、部材には虫食いや腐りも出たため、奈良県が令和2年度から全解体修理を進めており、完了の目標は令和10年度とされている(2026年3月10日付の公式お知らせ)。門の左右に安置されてきた金剛力士立像(重要文化財)は奈良国立博物館仏像館で公開されていたが、同館の改修休館に伴い、公式は9月13日までの公開と告知した。仁王像を目当てに訪ねる場合は、出発前に公式の最新告知を確かめたい。
参拝前に押さえておく点を挙げておく。
- 拝観時間は8:30〜16:00。法要などで入堂が一時的に制限される日がある
- 蔵王堂では朝座勤行(6:30〜)と夕座勤行(16:30〜)にも参列できると公式ページにある
- 団体は30名以上で割引。障碍者割引は大人800円・中高生600円・小学生400円
- 本地堂の絵画展は、ご開帳と同じ期間に同時開催される
蔵王堂と三体の蔵王権現 ─ 何に会いに行くのか
金峯山寺は、金峯山修験本宗の総本山。公式の伽藍案内は、白鳳年間に役行者(役小角)が蔵王堂を創建したと伝えている。役行者は吉野・大峯の山中で、日本で生まれた本尊・金剛蔵王大権現を感得したと寺は説明する。憤怒の相をした青黒い姿で知られる権現である。
現在の蔵王堂は、天正20年(1592年)ころに完成した建物。『太平記』には正平3年(1348年)に高師直の来攻で焼けたとあり、天正14年(1586年)にも焼失した。焼けては建て、建てては焼けた堂が、いまの姿に落ち着いている。
本尊は3体。いずれも秘仏で、中尊は7メートルを超える巨像と公式は記す。3体それぞれの本地は釈迦・千手観音・弥勒の三尊とされ、過去・現在・未来にわたって人々を救うと説明されることが多い。その本地仏は、同じ境内の本地堂に、役行者と前鬼・後鬼の像とともに安置されている。今回の絵画展の会場も本地堂なので、ご開帳の順路でゆっくり見ておきたい。
金峯山寺は、2004年(平成16年)に世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成要素として登録された。吉野山は春の桜の名所として知られるが、金峯山寺の境内には、元弘3年(1333年)に大塔宮護良親王が吉野の落城を覚悟して最期の酒宴を開いた場所と伝わる「四本桜」もあり、この山は南朝の歴史とも深く結びついている。
暦で読む38日間 ─ 六曜・吉日・凶日
福カレンダーの暦マスターで、特別ご開帳の全日を引いた。吉日・凶日の欄は暦注の主なものを示している。
| 日付 | 六曜 | 吉日 | 凶日 | メモ |
|---|---|---|---|---|
| 10月24日(土) | 仏滅 | 大明日 | — | 公開初日 |
| 10月25日(日) | 大安 | 大明日 | — | |
| 10月26日(月) | 赤口 | 一粒万倍日・大明日 | — | 満月 |
| 10月27日(火) | 先勝 | — | 不成就日 | |
| 10月28日(水) | 友引 | — | — | |
| 10月29日(木) | 先負 | — | — | |
| 10月30日(金) | 仏滅 | 大明日 | 十死日 | |
| 10月31日(土) | 大安 | 寅の日 | 受死日 | |
| 11月1日(日) | 赤口 | 大明日 | — | |
| 11月2日(月) | 先勝 | — | — | |
| 11月3日(火・祝) | 友引 | 巳の日 | — | 文化の日 |
| 11月4日(水) | 先負 | 一粒万倍日・大明日 | 不成就日・三隣亡 | |
| 11月5日(木) | 仏滅 | — | — | |
| 11月6日(金) | 大安 | 大明日 | — | |
| 11月7日(土) | 赤口 | 一粒万倍日 | 十死日 | 立冬 |
| 11月8日(日) | 先勝 | 一粒万倍日 | — | |
| 11月9日(月) | 仏滅 | 大明日 | 三隣亡 | |
| 11月10日(火) | 大安 | — | — | |
| 11月11日(水) | 赤口 | — | — | |
| 11月12日(木) | 先勝 | 寅の日 | 不成就日 | |
| 11月13日(金) | 友引 | — | — | |
| 11月14日(土) | 先負 | 大明日 | — | |
| 11月15日(日) | 仏滅 | 巳の日 | — | |
| 11月16日(月) | 大安 | — | — | |
| 11月17日(火) | 赤口 | 大明日 | — | |
| 11月18日(水) | 先勝 | — | 受死日 | |
| 11月19日(木) | 友引 | 一粒万倍日 | 十死日 | |
| 11月20日(金) | 先負 | 一粒万倍日 | 不成就日 | |
| 11月21日(土) | 仏滅 | — | 三隣亡 | |
| 11月22日(日) | 大安 | — | — | 小雪 |
| 11月23日(月・祝) | 赤口 | — | — | 勤労感謝の日 |
| 11月24日(火) | 先勝 | 大明日・寅の日 | — | 満月 |
| 11月25日(水) | 友引 | — | — | |
| 11月26日(木) | 先負 | 大明日 | — | |
| 11月27日(金) | 仏滅 | 大明日・巳の日 | — | |
| 11月28日(土) | 大安 | 大明日 | 不成就日 | |
| 11月29日(日) | 赤口 | 大明日 | — | |
| 11月30日(月) | 先勝 | — | 受死日 | 最終日 |
初日の10月24日は六曜が仏滅で、暦注の大明日が重なる。大明日は「天地が明るく照らされ、万事がはかどる日」とされる暦注下段の日(/knowledge/kichijitsu/daimeinichi)。六曜は仏事と無縁の暦なので、お寺参りの良否とは関係がないという考え方も根強い。
38日間は二十四節気をまたぐ。開幕前日の10月23日が霜降、11月7日が立冬、11月22日が小雪。秋から冬へ、季節が二段進むあいだだけ、蔵王堂の厨子は開いている。
参拝日の選び方 ─ 凶日と重ならない候補と、注意したい日
暦注下段の凶日は、結婚・契約・着工など「何かを始める」場面の目安として読まれてきたもので、手を合わせに行くこと自体を禁じるものではない。とはいえ、日程を選べるなら、凶日が重ならない日を候補にしておくと迷いがない。凶日が一つも重ならない日から、福カレンダー編集部が挙げる候補は次の四日。
- 11月6日(金)大安・大明日 ── 平日で、凶日が重ならない。紅葉が見頃に入る例年の時期にもあたる。
- 10月25日(日)大安・大明日 ── 公開二日目の日曜。色づきが浅い時期に、秘仏が開いたばかりの堂を訪ねる日程になる。週末なので混雑は見込んでおきたい。
- 11月16日(月)大安 ── 平日の大安で、凶日は重ならない。紅葉の見頃の中ほどに置ける日だ。
- 11月22日(日)大安・小雪 ── 閉幕8日前の日曜。冬の気配が立つ小雪の日に、凶日の重ならない大安が重なる。
このほか、10月26日(月)は一粒万倍日・大明日で満月にあたり、凶日も重ならない。一粒万倍日は「一粒の籾が万倍に実る」日とされる(/knowledge/kichijitsu/ichiryumanbaibi)。11月3日(火・祝)の巳の日も凶日が重ならない日で、祝日に参拝を置きたい人に向く。
反対に、凶日が重なる日は次のとおり。気にしない人なら支障はないが、読み方の目安として挙げる。
- 10月31日(土) は大安・寅の日と見た目はよいが、受死日にあたる。受死日は暦注下段のなかでも重い凶日のひとつとされる(/knowledge/rekichu/jushinichi-guide)。11月18日(水) も受死日にあたる
- 10月30日(金)、11月7日(土)、11月19日(木) は十死日。11月7日は立冬、11月19日は一粒万倍日と重なる
- 10月27日(火)、11月4日(水)、11月12日(木)、11月20日(金)、11月28日(土) は不成就日。11月28日は大安・大明日だが不成就日が重なる
- 11月4日(水)、11月9日(月)、11月21日(土) は三隣亡。もともとは建築にかかわる凶日
最終日の11月30日(月)は先勝で、受死日にあたる。凶日を伏せずに書いておくが、この日に駆け込む人にとって気がかりなのは暦よりも時刻だろう。拝観は16:00までで、先勝は午前中が吉とされる六曜でもある。最終日に参拝するなら、午前のうちに入堂するのが段取りとしてはいちばん堅い。
吉野山の秋と歩き方 ─ 旅河 楓の編集メモ
吉野山の紅葉は、例年の見頃が10月中旬から11月下旬とされる。色づき始めはサクラモミジが10月上旬、カエデモミジが11月上旬の目安で、年によって前後する(ウォーカープラスの紅葉情報)。春は花の山でも、秋は桜の葉が先に染まり、カエデがそのあとを追う。ご開帳の前半は桜の葉、後半はカエデの赤が主役になる見込みだ。紅葉の暦については、「紅葉と暦 ─ 2026年の見頃予想と紅葉狩りの吉日ガイド」(/knowledge/nature/kouyou-koyomi)も参照してほしい。
アクセスは近鉄が中心。公式の交通案内によれば、近鉄特急で大阪阿部野橋から約1時間15分(直通)、京都から約1時間40分(橿原神宮前乗り換え)、名古屋から約2時間55分(大和八木・橿原神宮前乗り換え)。吉野駅から山上へ上がるロープウェイの運行日は、時期や曜日で変わることがある。公式の交通案内には、吉野大峯ケーブル自動車の連絡先(TEL 0746-39-9254)が載っているので、出発前に確認しておくと安心だ。車の場合、公式案内では葛城ICから吉野大橋方面へ向かう道順が示されている。下千本駐車場については、通年有料化を告げる2025年10月7日付の公式お知らせがある。
同じ秋には、ほかにも御開帳が営まれる。
| 寺社 | 期間 | 性格 |
|---|---|---|
| 金峯山寺(奈良) | 10月24日〜11月30日 | 仁王門大修理の勧進。春に続く秋の特別拝観 |
| 笠森観音(千葉) | 10月17日〜11月18日 | 午歳本尊御開帳。丑歳・午歳のみの公開 |
| 豊川稲荷(愛知) | 11月1日〜23日 | 72年ぶりの御開帳 |
それぞれの記事は、笠森観音(/knowledge/region/kasamori-kannon-gokaicho-2026)、豊川稲荷(/knowledge/region/toyokawa-inari-gokaicho-2026)にまとめた。2026年の秋全体の吉日は、「秋の吉日カレンダー2026 ─ 9月・10月・11月の開運日一覧」(/knowledge/kichijitsu/aki-kichijitsu-2026)にまとめている。
特別ご開帳は期間が決まっているぶん、行く日を前もって選べる。ただし、暦が示すのは目安にすぎない。大安・大明日の平日を取れるならそれに越したことはなく、凶日にしか行けない人は、時刻と体調を優先してほしい。
蔵王堂は山の上にあり、麓より冷え込むことが多い。拝観時間は16:00までなので、帰りの電車も含めて、午前のうちに着く日程を組みたい。
金峯山寺は、大峯修行の入口に建つ修験道の総本山でもある。仁王門から北へ約200メートルの銅鳥居は重要文化財で、大峯山上に詣でるまでの四つの門のうち最初の、発心門にあたる。「吉野なる銅の鳥居に手をかけて 弥陀の浄土に入るぞうれしき」という秘歌が伝えられている。紅葉の吉野を歩きながら、山の奥へ続く修行の道のことを思い出してみるのもいい。参拝日が決まったら、もう一度その日の暦を確かめてから、山上へ向かってほしい。
参考
- 金峯山寺「令和8年秋の秘仏ご本尊特別御開帳」
- 金峯山寺「令和8年春の秘仏ご本尊特別御開帳」
- 金峯山寺「拝観時間・拝観料金」
- 金峯山寺「境内案内・伽藍・解説」
- 金峯山寺「国宝金峯山寺二王門 保存修理工事の概要」
- 金峯山寺「交通案内」
- ウォーカープラス「吉野山(下千本)の紅葉 見頃時期・ライトアップなど」
- ウィキペディア日本語版「金峯山寺」
参考文献・出典
- 文化財オンライン (文化庁)— 文化庁(参照: 2026-05-16)
- 神社本庁 公式サイト— 神社本庁(参照: 2026-05-16)
- 観光庁— 国土交通省 観光庁(参照: 2026-05-16)
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旅河 楓旅と祈りの編集者
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全国の神社仏閣・パワースポットを自分の足で歩き、土地の歴史と信仰を紐解く旅する編集者。地元の方への取材を大切にし、ガイドブックには載らない「祈りの風景」を伝える記事が読者に支持されている。
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本記事は一般的な暦の知識や伝統的な解釈に基づいています。 占いの結果を保証するものではありません。最終的な判断はご自身でお願いします。
免責事項を読む →福カレンダーでは、暦に関するコンテンツを正確かつ分かりやすくお届けするよう努めています。
編集方針について →参考情報:暦注・民俗資料、公的機関の暦情報を参考に編集部が整理しています。
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