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旬野 椿/ 旬と食の歳時記旬の食材
立夏の旬の食材
夏の節気今年は5月5日

立夏の食べ物・旬の食材ガイド

りっか

期間5月5日〜5月20日頃七十二候初候 蛙始鳴

夏の始まり、初夏の味覚を楽しむ

立夏の暦としての意味や過ごし方は立夏の意味と過ごし方 →

旬立夏の旬の食材

かつお photo

かつお

鰹別名「初鰹」

「目に青葉 山ほととぎす 初鰹」。初夏のかつおは赤身でさっぱり。

食べ方たたき、刺身、角煮
アスパラガス photo

アスパラガス

露地物が出回る時期。太い穂先が甘く柔らかい。

食べ方グリル、肉巻き、サラダ
新じゃが photo

新じゃが

春植えの新じゃがいもが出荷。皮が薄く、みずみずしい。

食べ方肉じゃが、じゃがバター、ポテトサラダ
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そら豆

空豆

さやが空に向かって実ることが名の由来。立夏の頃が食べ頃。

食べ方塩茹で、かき揚げ、ポタージュ

立夏の行事食・縁起

立夏の食卓に伝わる縁起と行事食。季節の節目に込められた願いを味わいましょう。

1

柏餅

端午の節句(5月5日)に食べる。柏の葉は新芽が出るまで古い葉が落ちないことから「子孫繁栄」の象徴。

2

ちまき

邪気を払う力があるとされる笹の葉で包んだもち。中国の屈原伝説に由来。

🗓今年の立夏
5月5日
次は 小満
季節
夏(SUMMER)
青葉・実りへの季節

端午の節句と食 — 子どもの健やかな成長を願う

立夏は毎年5月5日前後に訪れ、端午の節句と重なることが多い節気です。「夏が立つ」の名のとおり、新緑の風が心地よく、生命力がみなぎる季節。古来、この時期の食には「邪気を払い、生命力を取り込む」という意味が込められてきました。

端午の節句の食文化は、中国の屈原の故事に由来するちまきと、日本独自に発展した柏餅の二本柱で成り立っています。興味深いのは、この二つの伝統が東西できれいに分かれていることです。

立夏の節気について詳しくは立夏の解説ページをご覧ください。

柏餅とちまき

柏餅とちまきの東西差 — 関東と関西の食文化

関東は柏餅

関東地方で端午の節句に食べるのは柏餅です。柏の葉には「新芽が出るまで古い葉が落ちない」という性質があり、これが「家系が途絶えない」=子孫繁栄の象徴とされました。

柏餅が広まったのは江戸時代中期。武家社会において「家が続く」ことは何よりも重要であり、柏の葉に包まれた餅は、まさに武家の願いを体現する食べ物でした。味噌餡・小豆餡の2種類があり、地域によってはよもぎを混ぜた緑色の餅皮も見られます。

関西はちまき

一方、関西ではちまきが主流です。中国の詩人・屈原が汨羅江に身を投じた故事に由来し、笹の葉で包んだもち米を食べることで厄災を避けるとされています。京都の老舗和菓子店では、端午の時期だけの特別なちまきが今も作られています。

この東西差は、京都を中心とする公家文化(中国伝来のちまき)と、江戸を中心とする武家文化(日本発祥の柏餅)の違いを映し出しています。どちらを食べるかで、その土地の文化的ルーツが見えてくるのです。

かつおと「勝男」— 初夏の縁起物

立夏の頃に旬を迎えるかつおは、「勝男(かつお)」の語呂合わせから、武家社会で大変珍重されました。端午の節句が「男の子の節句」であることと相まって、かつおは初夏を代表する縁起の良い食材として定着しています。

「初鰹」は江戸時代の庶民にとって憧れの的でした。「目に青葉 山ほととぎす 初鰹」の句が示すように、初夏の三大風物詩の一つに数えられたのです。初鰹は脂が少なくさっぱりとした味わいで、たたきや刺身にすると、新緑の季節にふさわしい爽やかな食体験になります。

菖蒲と食の関係 — 邪気を払う植物

端午の節句に欠かせないのが菖蒲です。菖蒲湯に浸かるだけでなく、菖蒲酒を飲む風習もありました。菖蒲の根には芳香成分があり、古来「邪気を払う」力があるとされてきました。

菖蒲は「尚武(武を尊ぶ)」や「勝負」に通じるとされ、武家社会で特に重視されました。こうした言葉の縁起を食と結びつけるのは、日本の食文化の大きな特徴です。

初夏の活力を食卓から

立夏の食文化に共通するのは、季節の変わり目に生命力を取り込むという発想です。冬を越えて脂を蓄えた初鰹のエネルギー、新芽を守る柏の葉の生命力、邪気を払う菖蒲の芳香――これらはすべて、夏を迎える身体を整えるための先人の知恵でした。

現代の食卓でも、旬の食材を意識して取り入れることは、栄養面でも精神面でも意味があります。スーパーに並ぶ初鰹を手に取るとき、そこに何百年もの食文化の歴史が詰まっていると思うと、一切れの刺身の味わいも変わってくるのではないでしょうか。

立夏の頃のカレンダーと吉日については、福カレンダーの月間ページでご確認いただけます。

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旬野 椿

旬野 椿旬と食の歳時記

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旬の食材と暦の関わりを、五感に訴える文章で届ける食の歳時記編集者。二十四節気に寄り添った食卓の提案から、旬の素材の選び方・保存法まで、暦を「食べる」楽しさを伝えている。

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