もみじ饅頭と宮島の秋─紅葉狩りの銘菓と暦の食文化

目次
伊藤博文のひと言から生まれた宮島の銘菓
もみじ饅頭は、今や広島を代表する土産菓子として全国に知られていますが、その誕生には初代内閣総理大臣伊藤博文にまつわるエピソードが伝わっています。
明治時代、宮島の紅葉谷を訪れた伊藤博文が、茶屋の娘の手を見て「この手をもみじの形に焼いて食べたらさぞおいしかろう」と冗談を言ったとか。この言葉をヒントに、和菓子職人の高津常助がもみじの葉をかたどったカステラ饅頭を考案したのが始まりとされています(諸説あり)。
誕生は明治39年(1906年)頃。以来120年にわたって愛され続けているもみじ饅頭は、宮島の紅葉谷公園の美しい紅葉と切っても切れない関係にあります。秋に宮島を訪れ、紅葉を愛でながらもみじ饅頭を味わう──。この体験こそ、暦と食と自然が一体となった広島の秋の真骨頂です。
紅葉谷公園と秋の暦─見頃を二十四節気で読む
宮島の紅葉谷公園は、約700本のもみじが色づく中国地方屈指の紅葉スポットです。見頃は例年11月中旬から下旬。これを二十四節気に当てはめると、ちょうど**立冬(11月7日頃)から小雪**(11月22日頃)にかけての時期にあたります。
| 時期 | 二十四節気 | 紅葉の状態 | おすすめの過ごし方 |
|---|---|---|---|
| 10月上旬 | 寒露 | 山頂部が色づき始め | 弥山登山で先取り紅葉 |
| 10月下旬 | 霜降 | 紅葉前線が中腹へ | 大聖院周辺の散策 |
| 11月上旬 | 立冬 | 紅葉谷が色づく | 五重塔と紅葉の共演 |
| 11月中旬〜下旬 | 立冬〜小雪 | 最盛期・見頃 | 紅葉谷公園のライトアップ |
| 12月上旬 | 大雪 | 落葉の絨毯 | 散りもみじの風情を楽しむ |
「霜降」の文字どおり、霜が降り始めるとともに木々が色づき始めます。古来より「霜降れば紅葉す」と言われてきたように、二十四節気は紅葉の進み具合を予測する暦としても機能してきたのです。
紅葉前線と二十四節気の対応─南下する秋の便り
紅葉前線は桜前線とは逆に、北から南へ、高地から低地へと進みます。日本列島を縦断する紅葉前線の動きは、二十四節気の移り変わりとよく対応しています。
| 地域 | 紅葉の見頃 | 対応する節気 |
|---|---|---|
| 北海道(大雪山) | 9月上旬〜中旬 | 白露 |
| 東北(奥入瀬渓流) | 10月中旬〜下旬 | 霜降 |
| 関東(日光・箱根) | 11月上旬〜中旬 | 立冬 |
| 中国(宮島・奥津渓) | 11月中旬〜下旬 | 立冬〜小雪 |
| 近畿(京都・奈良) | 11月下旬〜12月上旬 | 小雪 |
| 九州(耶馬渓) | 11月中旬〜下旬 | 立冬〜小雪 |
宮島の紅葉は、北からの紅葉前線がちょうど中国地方に到達する11月中旬が最盛期。秋分(9月22日頃)を過ぎてから約2か月間、暦が秋の深まりを刻むごとに、紅葉の色も深まっていきます。
もみじ饅頭の進化と和菓子の季節表現
もみじ饅頭は誕生以来、時代とともに進化を遂げてきました。
定番のあんこ: こし餡、粒餡、白餡の三種が基本。こし餡は上品な甘さ、粒餡は小豆の食感が楽しめ、白餡はやさしい風味が特徴です。
現代のバリエーション: チョコレート、クリーム、抹茶、レモン、もち入りなど、各メーカーが競って新味を開発。近年は「揚げもみじ」(もみじ饅頭を天ぷらのように揚げたもの)が宮島の食べ歩きグルメとして大人気です。
| 種類 | 特徴 | 季節の対応 |
|---|---|---|
| こし餡 | 定番、上品な甘さ | 通年の定番 |
| 粒餡 | 小豆の食感を楽しむ | 秋の収穫を感じる |
| 抹茶 | ほろ苦い大人の味 | 新茶の季節(立夏頃) |
| 栗入り | 秋限定の贅沢品 | 秋分〜 |
2026年の暦カレンダー

旅河 楓旅と祈りの編集者
全国の神社仏閣・パワースポットを自分の足で歩き、土地の歴史と信仰を紐解く旅する編集者。地元の方への取材を大切にし、ガイドブックには載らない「祈りの風景」を伝える記事が読者に支持されている。
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