十方暮(じっぽうぐれ)とは?甲申から癸巳まで10日間続く凶日期の意味と2026・2027年の日程

この記事でわかること
十方暮(じっぽうぐれ)は、六十干支の甲申から癸巳までの10日間。天地の気が相剋して「労多くして功少なし」とされる選日です。次は2026/11/06〜11/15。五行の仕組み、避けたいこと、2026・2027年の全日程を福カレンダーの暦データで読み解きます。
目次
カレンダーの日干支をたどっていると、「甲申(きのえさる)」から「癸巳(みずのとみ)」までの10日間に「十方暮」と書かれた暦に出会うことがあります。読みは「じっぽうぐれ」(「じっぽうくれ」とも)。初めて見ると、なんだか途方に暮れてしまいそうな字面ですね。
実はこの十方暮、60日に一度、必ず10日間まとまって巡ってくる凶日期です。次の十方暮は2026/11/06(金)から2026/11/15(日)まで。ちょうど立冬や酉の市、七五三といった晩秋の行事が並ぶ時期と重なります。どんな期間なのか、福カレンダーの暦データと一緒にゆっくり読んでいきましょう。
十方暮とは ─ 天地の気が噛み合わない10日間
十方暮は、暦注下段に数えられる「選日(せんじつ)」のひとつです。十干と十二支を組み合わせた60日周期の中で、21番目の甲申から30番目の癸巳までの10日間を指します。
国立国会図書館の電子展示「日本の暦」では、十方暮を「五行が相剋の関係になる凶日」とし、とくに結婚と相談事に凶と説明しています。名前の「十方」は天・地と東西南北・四隅の八方を合わせた全方位のこと。「暮」はもともと「闇」の意味で、Wikipedia日本語版「十方暮」では別名を「十方闇」としています。四方八方どころか十方すべてが閉ざされて、どこにも気が通わない──そんなイメージの名前なのですね。
市販の暦では、十方暮の日をこんなふうに書き添えることがあります。
労多くして功の少ない日 ──市販の暦に見られる十方暮の注記(Wikipedia日本語版「十方暮」より)
「何をしても絶対にうまくいかない」ではなく、「頑張りのわりに実りが薄い」。この温度感を押さえておくと、十方暮との付き合い方がぐっと楽になりますよ。
🍀 吉日に合わせたアクション
この知識を活かして、最適な日を見つけましょう。
10日のうち8日が相剋 ─ 干支の五行で見る仕組み
なぜこの10日間がひとまとめにされているのでしょうか。鍵は、十干と十二支それぞれが持つ五行(木・火・土・金・水)です。十干の五行と十二支の五行を並べてみると、10日のうち8日で両者が相剋(そうこく)、つまり一方がもう一方を抑えつける関係になっています。
| 日数 | 干支 | 十干の五行 | 十二支の五行 | 関係 |
|---|---|---|---|---|
| 1日目 | 甲申 | 木 | 金 | 相剋(金が木を剋す) |
| 2日目 | 乙酉 | 木 | 金 | 相剋(金が木を剋す) |
| 3日目 | 丙戌 | 火 | 土 | 相生(火が土を生む) |
| 4日目 | 丁亥 | 火 | 水 | 相剋(水が火を剋す) |
| 5日目 | 戊子 | 土 | 水 | 相剋(土が水を剋す) |
| 6日目 | 己丑 | 土 | 土 | 比和(同じ土どうし) |
| 7日目 | 庚寅 | 金 | 木 | 相剋(金が木を剋す) |
| 8日目 | 辛卯 | 金 | 木 | 相剋(金が木を剋す) |
| 9日目 | 壬辰 | 水 | 土 | 相剋(土が水を剋す) |
| 10日目 | 癸巳 | 水 | 火 | 相剋(水が火を剋す) |
おもしろいのは3日目の丙戌と6日目の己丑です。この2日は相剋ではないので、理屈のうえでは本来「間日(まび)」にあたります。けれど前後を相剋の日に挟まれているため、その影響を受けて凶日のまま扱われ、暦にも間日とは書かれないのが一般的です。12日間のうち4日に間日が設けられる八専とは、ここが大きな違いですね。
60日周期全体で見ると、十方暮・天一天上・八専は次のように並んでいます。
- 十方暮:21番目の甲申〜30番目の癸巳(10日間)
- 天一天上:30番目の癸巳〜45番目の戊申(16日間)。十方暮の最終日と同じ癸巳から始まります
- 八専:49番目の壬子〜60番目の癸亥(12日間)
癸巳の重なりを差し引いても、60日のうち37日がこの3つのどれかにかかっている計算です。干支の並び全体を眺めたい方は、六十干支ガイドもあわせてどうぞ。
十方暮に避けたいこと、気にしなくていいこと
十方暮で慎重になりたいとされるのは、人と人、物事と物事を「結ぶ」場面です。気が通い合わない期間だから、新しい縁や話し合いがまとまりにくい、という考え方ですね。
昔から控えたほうがよいとされること
- 結婚・結納・入籍などの婚礼ごと
- 相談事・交渉・商談など、相手との合意が必要な話し合い
- 新しい事業や取引の立ち上げ
- 旅行の出発や、遠方への移動を伴う大きな計画
気にしすぎなくてよいこと
- 毎日の仕事や家事、買い物などのふだんの暮らし
- 掃除や片付け、書類整理といった「整える」作業
- 神社へのお参りや、すでに決まっている行事への参加
- 計画を練る、情報を集めるといった準備の時間
十方暮は、凶日のなかでも「動けば損」というより「動いても空回りしやすい」タイプです。大事な話し合いの日程を自由に選べるなら、十方暮が明けた後に回しておくと安心でしょうか。逆に動かせない予定があるなら、六曜や吉日など、暦注下段のほかの要素と重ねて全体で判断すれば十分です。暦注下段の全体像は「暦注下段とは?」でまとめています。
2026・2027年の十方暮 全日程カレンダー
十方暮は60日ごとに巡るので、1年におよそ6回訪れます。福カレンダーの日干支データから、2026年と2027年の全日程を割り出しました。
| 期 | 開始日(甲申) | 終了日(癸巳) | 季節の目安 |
|---|---|---|---|
| 2026年 第1期 | 2026/01/10(土) | 2026/01/19(月) | 真冬 |
| 2026年 第2期 | 2026/03/11(水) | 2026/03/20(金) | 早春 |
| 2026年 第3期 | 2026/05/10(日) | 2026/05/19(火) | 初夏 |
| 2026年 第4期 | 2026/07/09(木) | 2026/07/18(土) | 盛夏 |
| 2026年 第5期 | 2026/09/07(月) | 2026/09/16(水) | 初秋 |
| 2026年 第6期 | 2026/11/06(金) | 2026/11/15(日) | 晩秋 |
| 2027年 第1期 | 2027/01/05(火) | 2027/01/14(木) | 真冬 |
| 2027年 第2期 | 2027/03/06(土) | 2027/03/15(月) | 早春 |
| 2027年 第3期 | 2027/05/05(水) | 2027/05/14(金) | 初夏 |
| 2027年 第4期 | 2027/07/04(日) | 2027/07/13(火) | 盛夏 |
| 2027年 第5期 | 2027/09/02(木) | 2027/09/11(土) | 初秋 |
| 2027年 第6期 | 2027/11/01(月) | 2027/11/10(水) | 晩秋 |
| 2027年 第7期 | 2027/12/31(金) | 2028/01/09(日) | 年またぎ |
2027年は大晦日の2027/12/31に甲申が巡るため、第7期が年をまたいで2028/01/09まで続きます。お正月の初詣や新年のあいさつ回りがすっぽり入る並びですが、神社へのお参りは気にしなくてよい側の行動ですから、どうぞ安心してくださいね。
もうひとつ、2027年第1期の3日目、2027/01/07は丙戌の日。七草がゆをいただく人日の節句が、ちょうど十方暮のなかの「本来は間日」にあたる日に重なります。
2026年11月の十方暮を一日ずつ読む
次の十方暮、2026/11/06〜11/15を一日ずつ並べてみましょう。六曜と吉日・凶日は福カレンダーの暦マスターの値です。
| 日付 | 日干支 | 六曜 | 重なる吉日・凶日・行事 |
|---|---|---|---|
| 2026/11/06(金) | 甲申 | 大安 | 大明日 |
| 2026/11/07(土) | 乙酉 | 赤口 | 一粒万倍日・十死日/立冬・一の酉 |
| 2026/11/08(日) | 丙戌 | 先勝 | 一粒万倍日(本来の間日・相生) |
| 2026/11/09(月) | 丁亥 | 仏滅 | 大明日・三隣亡 |
| 2026/11/10(火) | 戊子 | 大安 | ― |
| 2026/11/11(水) | 己丑 | 赤口 | 本来の間日・比和 |
| 2026/11/12(木) | 庚寅 | 先勝 | 寅の日・不成就日 |
| 2026/11/13(金) | 辛卯 | 友引 | ― |
| 2026/11/14(土) | 壬辰 | 先負 | 大明日 |
| 2026/11/15(日) | 癸巳 | 仏滅 | 巳の日/七五三・天一天上の初日 |
こうして並べると、十方暮は決して「真っ黒な10日間」ではないことがわかりますね。初日の2026/11/06は大安と大明日が重なり、2026/11/08は一粒万倍日です。吉日と凶日が同じ日に重なるとき、どちらを重く見るかは目的しだい。お財布の新調や貯金のスタートなど「自分ひとりで始めること」なら吉日の後押しを素直に受け取り、婚礼や商談のように相手のある話は十方暮が明けてから、という使い分けがおすすめです。
晩秋の行事も、この10日間に集まっています。
- 2026/11/07(土):立冬で、暦の上ではこの日から冬。酉の市の一の酉もこの日です。一粒万倍日と十死日が同居する日なので、熊手は「一年の商売繁盛を願う縁起物」として気負わず迎えたいですね
- 2026/11/15(日):七五三の正式日で、十方暮の最終日。同じ癸巳から天一天上が始まり、2026/11/30(戊申)まで続きます
- お参りや行事そのものは十方暮の「避けたいこと」には入りません。家族のお祝いは、日取りより当日の過ごし方を大切にしたいところです
福カレンダーの日別ページでは、日干支をいつでも確認できます。気になる予定がある日は、干支が甲申から癸巳の間に入っていないか、一日ずつ照らし合わせてみてください。
暦は、人の足を止める関所ではなく、歩き方を教えてくれる道しるべです。十方暮の10日間は、新しい縁を急いで結ぶより、すでにある縁を温め直す時間。次の十方暮が明ける2026/11/16からは、また気持ちよく一歩を踏み出していきましょう。
参考
- 国立国会図書館「日本の暦」第3章 暦の注記「吉凶を表す言葉④その他」 https://www.ndl.go.jp/koyomi/chapter3/s6.html
- Wikipedia日本語版「十方暮」 https://ja.wikipedia.org/wiki/十方暮
参考文献・出典
- 日本の暦 -国立国会図書館-— 国立国会図書館(参照: 2026-05-16)
- 暦計算室— 国立天文台 暦計算室(参照: 2026-05-16)
- 旧暦 (Wikipedia 日本語版)— Wikipedia(参照: 2026-05-16)
2026年の暦カレンダー
次に読む

暦川 ひなた暦の案内人
- 六曜
- 吉日
- 暦注下段
六曜・吉日・暦注下段など、日本の伝統暦を「毎日の暮らしに活かせる知恵」としてやさしく紐解く案内人。難しい暦用語も、身近な例え話で自然と腑に落ちる解説が持ち味。季節の移ろいを感じながら暦を読む楽しさを伝えている。
この編集者の記事を見る →この記事について
本記事は一般的な暦の知識や伝統的な解釈に基づいています。 占いの結果を保証するものではありません。最終的な判断はご自身でお願いします。
免責事項を読む →福カレンダーでは、暦に関するコンテンツを正確かつ分かりやすくお届けするよう努めています。
編集方針について →参考情報:暦注・民俗資料、公的機関の暦情報を参考に編集部が整理しています。
関連する夢シンボル
夢占い辞典ハブ 2026 ─ 全シンボル暦×夢診断マトリクス|福カレンダーの読み方
蛇・歯が抜ける・追いかけられる……夢占いサイトはいくらでもある中で、福カレンダーが独自に据える軸は「暦夢マトリクス」。六曜・月齢・節気が夢の意味をどう変えるかを、169シンボルの辞典と2026年の暦で案内します。占部柚月がナビゲート。
蛇の夢が意味するもの ─ 春に見る蛇の夢占いを暦で読み解く【2026】
冬眠から目覚める春、蛇は脱皮を繰り返しながら大地を動き始めます。穀雨から立夏へと移ろう2026年春、蛇の夢はなぜこの季節に多く現れるのか。弁財天の使いとしての象徴、己巳の日(4/25)との呼応、六曜×月齢×節気の暦夢マトリクスまで、占部柚月が福カレンダー独自の暦データで読み解きます。









