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ホーム›暦の知識›節気›七十二候 水始涸 2026 ─ 10月3日〜7日、秋分末候 田の水を落とし稲刈りに備える5日
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七十二候 水始涸 2026 ─ 10月3日〜7日、秋分末候 田の水を落とし稲刈りに備える5日

野分 蓮干支と暦の研究家·2026.08.29 更新·約7分
七十二候 水始涸 2026 ─ 10月3日〜7日、秋分末候 田の水を落とし稲刈りに備える5日

この記事でわかること

秋分末候『水始涸(みずはじめてかるる)』は2026年10月3日〜7日。実った稲を刈り取るため田から水を落とす、収穫直前の頃を読み解きます。黄金の田と稲架掛け・新米の風景、田の水を抜く『落水』の農の営み、実りへの感謝、そして寒露へと向かう本格的な秋の入り口にも触れます。

目次
  1. 1.水始涸とは ─ 田の水を落とし、稲刈りに備える秋分の末候
  2. 2.2026年の暦配置 ─ 欠けゆく月と、澄む秋の空
  3. 3.稲刈りと収穫 ─ 黄金の田、稲架掛け、新米
  4. 4.水始涸5日間の歩き方
  5. 5.福カレンダー編集部の水始涸ノート ─ 三つのおすすめ
  6. 6.参考
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虫(47候)が戸を閉じて土にこもり始めた秋分を承け、暦はその締めくくりの候へと進みます。**2026年10月3日(土)から10月7日(水)までの5日間が、七十二候の第四十八候「水始涸(みずはじめてかるる)」**です。「水(みず)始(はじ)めて涸(か)る」――田に張っていた水が干上がり始める、つまり、実った稲を刈り取るために田の水を落とす、収穫直前の頃を指しています。

私(野分蓮)は福カレンダー編集部で二十四節気・七十二候を担当しています。「涸(か)る」とは、水が引き、干上がること。春の田に水を引いて苗を植え、夏に青々と育て、処暑の末候「禾乃登(こくものすなわちみのる)」で穂が実り――その長い稲作のいとなみが、いよいよ刈り入れという最後の場面を迎えます。そのために田から水を抜く、その営みを映したのがこの候です。水始涸は、中国の宣明暦から受け継いだ候のひとつ。秋分の三候(雷乃収声・蟄虫坏戸・水始涸)を静かに締めくくり、暦はここから露がさらに冷たくなる寒露(かんろ)へと歩みを進めます。春に水を満たした田が、秋にその水を返す――めぐる水の物語の、ひとつの結びがこの候にはあります。

2026年の水始涸は、月が半ばを過ぎて細く欠けてゆく5日間。10月6日(火)から7日(水)にかけては有明月となり、明け方の澄んだ空に細い月が残ります。

水始涸とは ─ 田の水を落とし、稲刈りに備える秋分の末候

水始涸は、太陽黄経が195度に近づき、秋分の終わりにあたる候です。「水始めて涸る」という言葉は、自然に川や沼が干上がる意味にもとれますが、この候が映しているのは、人の手による田の営み――刈り入れを前に、わざと田の水を抜く「落水(らくすい)」のことだと解されてきました。

稲は、夏のあいだ水を張った田で育ちますが、収穫が近づくと田の水を落とし、土を乾かしていきます。ぬかるんだ田では稲刈りもままならず、刈り取った稲を運ぶのもひと苦労。土をほどよく乾かしておくことで、稲はしっかりと実を充実させ、刈り入れの作業もはかどります。やがて稲穂は重く頭を垂れ、田はいちめんの黄金色に染まる――水始涸は、その黄金の波が刈り取りを待つ、実りの絶頂の頃を告げる候なのです。水を引いて始まった一年の米づくりが、水を落とすこの候で、収穫という結びへと向かいます。

2026年の暦配置 ─ 欠けゆく月と、澄む秋の空

2026年の水始涸(10月3日〜7日)は、満月を過ぎた月が下弦からさらに細く欠けていく5日間です。

日付六曜月相暦注・行事
10月3日(土)赤口下弦の月─
10月4日(日)先勝有明月─
10月5日(月)友引有明月─
10月6日(火)先負有明月─
10月7日(水)仏滅暁の月寅の日

期間の前半、3日から5日にかけては下弦の月が夜半過ぎに昇り、明け方に南の空高くかかります。半月から欠けてゆく月は、次第に細くなり、6日・7日には明け方に残る有明月となって、澄んだ秋の暁の空に淡く浮かびます。空気が乾いて高く澄むこの頃は、月も星もくっきりと見える季節。刈り入れ前の田に立てば、夜更けの月明かりが黄金の稲穂を青白く照らす、静かな秋の夜も味わえます。期間中の日ごとの六曜・吉日は、上の表をご覧ください。

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稲刈りと収穫 ─ 黄金の田、稲架掛け、新米

水始涸は、一年の米づくりが実を結ぶ収穫の候です。田の水を落として土が乾けば、いよいよ稲刈り。重く実った穂を刈り取り、束ね、乾かして脱穀する――秋の里には、その手仕事の風景が広がります。

刈り取った稲を天日で乾かす「稲架掛け(はざかけ)」は、収穫期の里を彩る風物詩です。田のそばに木や竹で組んだ「稲架(はざ)」に、束ねた稲を逆さに掛け連ね、秋の日と風でじっくりと乾かす。機械乾燥の進んだいまでは見かける機会も減りましたが、稲架にずらりと稲が掛かる景色は、実りの秋そのものの象徴です。天日でゆっくり乾いた米は、うまみが深まるとも言われ、土地によっては今も大切に守られている手法です。

そして収穫といえば、待ちかねた「新米」。刈り取られ、乾かされ、籾(もみ)を落として精米された今年の米は、つやつやと光り、炊けば甘い香りを立てます。古来、人々は収穫の喜びを神に捧げてきました。秋の実りを神に供え、感謝する祭りは全国の社で営まれ、やがて天皇が新穀を神に供える「新嘗祭(にいなめさい)」(11月23日)へとつながっていきます。水始涸は、その実りへの感謝が芽生える、収穫の入り口の候でもあるのです。

田の水を落とす「落水」という営み

刈り入れの前に田の水を抜くこの作業を、農の言葉で「落水(らくすい)」と呼びます。田の水口(みなくち)を開き、畦(あぜ)を切って水を落とし、田を乾かしていく――地味ながら、収穫の出来を左右する大切なひと仕事です。

落水の時期は、稲の品種や土地によって細かく見計らわれます。早すぎれば実の充実が止まり、遅すぎれば田がぬかるんで刈り取りに困る。長年の経験と、その年の天候を読みながら、農家は水を落とす日を決めてきました。春に水を満たして始まった田が、秋にその水を静かに返す――水始涸という候名には、一年の稲作を貫く「水」のめぐりと、それを手なずけてきた人の知恵が、そっと畳み込まれています。

水始涸5日間の歩き方

  • 10月3日(土)赤口:刈り入れ前の田を歩いてみる頃。黄金色に実った稲穂が頭を垂れる景色を、目におさめてみては。
  • 10月4日(日)先勝:午前の行動が吉とされる日。澄んだ秋空のもと、里山や田の道を散歩するのにふさわしい一日です。
  • 10月5日(月)友引:欠けゆく有明月が夜半すぎに昇ります。明け方に空を見上げれば、細い月と秋の星が澄んで見えます。
  • 10月6日(火)先負:午後が吉とされる日。空気の乾いた秋本番、新米の季節の食卓を楽しみたい頃合いです。
  • 10月7日(水)寅の日:水始涸の最終日。翌8日からは寒露――露がさらに冷たくなる、本格的な秋の節気へと移ります。

福カレンダー編集部の水始涸ノート ─ 三つのおすすめ

  1. 新米を味わう:水始涸は、収穫の喜びがいちばん近づく候。今年の新米を炊き、ひと粒ひと粒に込もった一年の実りを、ゆっくりと味わってみてください。
  2. 黄金の田を眺める:刈り入れ前の田は、一年でもっとも豊かな色に染まります。近くに田があれば、稲穂が黄金に波打つ景色をぜひ見にいってみては。
  3. 実りに感謝する:水を引き、苗を植え、水を落として刈り取るまでの長い営みに思いを馳せ、食卓のお米に静かな感謝を向けてみてください。

田の水を落とし、黄金の稲穂が刈り入れを待つ5日間。「暑さ寒さも彼岸まで」を過ぎ、暦は過ごしやすい秋本番へ。次の候は、北の国から雁が渡ってくる寒露の初候「鴻雁来(こうがんきたる)」。露がさらに冷たさを増す、深まる秋へと続きます。

参考

  • 国立天文台 暦計算室「暦象年表」(秋分=太陽黄経180度の定義および2026年の節気日・月相の時刻)
  • 略本暦(明治7年改暦)における秋分末候「水始涸」、中国宣明暦からの継承
  • 稲作における落水(らくすい)・稲架掛け・新嘗祭と新穀感謝の風習
  • 福カレンダー暦マスターデータ(2026年10月の六曜・月相・寅の日・旧暦)
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📚参考文献・出典

  1. 暦計算室— 国立天文台 暦計算室(参照: 2026-06-03)
  2. 七十二候 (Wikipedia 日本語版)— Wikipedia(参照: 2026-06-03)
  3. 日本の暦 -国立国会図書館-— 国立国会図書館(参照: 2026-06-03)

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野分 蓮

野分 蓮干支と暦の研究家

  • 十干十二支
  • 二十四節気
  • 自然暦

十干十二支・二十四節気・自然と暦の関わりを、歴史と科学の両面から掘り下げる研究家肌の編集者。古文書の記述と現代の気象データを突き合わせるような、知的好奇心を刺激する考察記事を得意とする。

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  2. 2.2026年の暦配置 ─ 欠けゆく月と、澄む秋の空
  3. 3.稲刈りと収穫 ─ 黄金の田、稲架掛け、新米
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