三国祭2026 ─ 5月19〜21日、北陸三大祭の3日間と中日祭5月20日「天赦日×先勝×甲午」の希少配置

この記事でわかること
三国祭は福井県坂井市の三國神社で江戸中期から続く春例大祭。2026年は5月19日(火)〜21日(木)、6基の山車が町を巡る中日祭は5月20日(水)。年6日の天赦日が先勝・大明日・甲午と重なる希少配置を、北陸三大祭の縦断と暦の視点から旅河楓が案内します。
目次
5月の北陸路は、田植えが始まり、若葉の濃さが日に日に深まっていく季節ですね。福井県坂井市の三国湊町、九頭竜川河口の港町に約300年前から続く春の例祭があります。
その名は三国祭。福井県坂井市三国町に鎮座する三國神社の例大祭で、富山の高岡御車山祭、石川の七尾青柏祭と並び**「北陸三大祭」**と称される祭礼です。
2026年は5月19日(火)から21日(木)までの三日間。とくに中日祭の5月20日(水)は、暦の最上吉日「天赦日」が先勝・大明日と重なる配置で、6基の山車が三国湊町を練り歩く姿を、年6日しかない天赦日の光のもとで見届けることになります。
国立天文台の暦値を参照する福カレンダーの暦マスターと、三国祭保存振興会・三國神社の公式情報を頼りに、旅河楓が三日間の組み立てと観覧の動線を案内します。
三国祭の正体 ─ 1717年から続く北陸の春例祭
三国祭は、福井県坂井市三国町神明1丁目に鎮座する三國神社の春例大祭として、毎年5月19日から21日の三日間にわたって斎行されます。
最も古い文献記録は享保2年(1717)の『大門町記録』で、当時は山車ではなく傘鉾(かさほこ)の練り歩きが行われていました。1750年頃に「傘鉾、担い屋台」が祭礼の中核となり、後に山車を曳く現在の形式へと発展していきます。
三国祭は、毎年5月19日(例大祭)20日(中日祭)21日(後日祭)の3日間行われます。町内には18基の山車があり、山番にあたった6基(または7基)が町内を巡行します。 ─ 三国祭保存振興会 公式サイト
文化財としての位置づけは、2005年に三国町の無形民俗文化財に、続いて2006年4月25日に福井県指定無形民俗文化財に指定されました。北陸三大祭という呼称は、富山県高岡市の御車山祭、石川県七尾市の青柏祭とあわせた呼び名で、青柏祭はユネスコ無形文化遺産「山・鉾・屋台行事」の一構成にも数えられています。
三國神社の創建は古く、現在の社地は永禄7年(1564)に山王宮として建立。明治18年(1885)に三國神社への改称が許可されました。ご祭神は大山咋命(おおやまくいのみこと)と継体天皇(けいたいてんのう)。地元では「おさんのさん(お山王さん)」と慕われています。継体天皇は越前を本拠とした第26代天皇で、福井とのゆかりが深い祭神。北陸の春の祭礼が、河口の港町に天皇と山の神を迎える構図になっているのが、三国祭の文化的な厚みです。
5月19・20・21日、三日間の組み立て
三国祭の三日間は、初日の宵山車に始まり、中日の山車神輿巡行で頂点を迎え、最終日の後日祭で締めくくるという、起承転結の整った構成。観覧で訪れる場合の動線設計のために、公式発表されている主な時刻を整理しておきますね。
| 日付 | 暦 | 主な行事 | 時刻 |
|---|---|---|---|
| 5/19 (火) | 赤口・巳の日・大明日 | 例大祭 大祭式典/宵山車巡行 | 10:00/18:30〜21:00 |
| 5/20 (水) | 先勝・天赦日・大明日 | 中日祭 山車神輿巡行(メイン) | 8:00出発〜20:00帰還 |
| 5/21 (木) | 友引・大明日/小満 | 後日祭 終了の神事 | 10:00 |
中日祭5月20日(水)の流れをもう少し細かく見ると、各町内の山車蔵から朝8時に山車が出発し、10時から三國神社で中日祭式典が斎行されます。12時前までに6基の山車が神社前に集合、12時30分にはまつり囃子共演として6基の囃子方全員が神社前で笛・太鼓・三味線を合わせる、祭り屈指の名場面が用意されています。
13時に神輿と山車が順番に繰り出し、15時前後に古い湊町の趣を残すきたまえ通りを通過、17時から18時は三国駅前で休憩、18時の御輿還幸祭を経て19時から20時に広小路を通り、各町内の山車蔵へと帰還する流れ。山車の総巡行時間はおよそ8時間で、観覧者は沿道の好きな地点で待ち構え、あるいは町を半周しながら、武者人形を載せた山車の高張提灯と囃子の音を浴びることになります。
初日5月19日(火)の宵山車巡行も見逃せない時間帯です。18時30分から21時にかけて、三國神社から旧森田銀行本店付近(国指定登録有形文化財)まで、高張提灯を先頭にした山車が夕闇の町並みを練り歩く。提灯の灯と古い洋館のシルエットが重なる一瞬は、中日祭の昼の喧騒とはまた別種の、しっとりとした祭りの表情を見せてくれます。
暦データと中日祭の天赦日 ─ 年6日の最上吉日と山車巡行
ここで福カレンダーの暦マスターから2026年5月19日〜21日の暦データを並べてみます。すべて国立天文台の公式値に基づく検証済みデータです。
| 日付 | 六曜 | 暦注下段 | 月相 | 日干支 | 二十四節気 |
|---|---|---|---|---|---|
| 5/19 (火) | 赤口 | 巳の日・大明日 | 繊月 | 癸巳(みずのと・み) | ─ |
| 5/20 (水) | 先勝 | 天赦日・大明日 | 繊月 | 甲午(きのえ・うま) | ─ |
| 5/21 (木) | 友引 | 大明日 | 繊月 | 乙未(きのと・ひつじ) | 小満 |
注目すべきは、メインの山車巡行が斎行される中日祭5月20日(水)に天赦日と先勝が重なること。天赦日は「百神が天に昇り罪を赦す」とされる年6日の最上吉日で、2026年は3月5日・5月4日・5月20日・7月19日・10月1日・12月16日の6日。三国祭中日祭はこの年三度目の天赦日にあたります。
さらに5月20日の日干支は「甲午(きのえ・うま)」。十干十二支60周期の31番目で、2026年が丙午(ひのえうま)の年であることと、午(うま)の日が重なる配置でもあります。馬は古来、神の使いとして奉納される動物。三国祭の山車が、6基それぞれに歴史上の武者を載せて練り歩く姿が、午年の天赦日と響き合う一日になりそうです。
そして5月21日(木)は二十四節気の小満。「万物がしだいに長じて満つる」とされる節目で、麦が穂を揃え、田植えに向けて一気に色づく頃の節気。三国湊町を取り囲む坂井平野は福井県有数の穀倉地帯で、後日祭の朝に小満を迎える組み合わせは、河口の祭礼が農の暦に沈み込む時間といえるでしょう。
2026年5月20日「天赦日」の意味と、小満2026の節気の細部については、福カレンダーの暦専門記事もあわせてご覧いただくと、三国祭の三日間の暦的な厚みがより立体的に見えてきます。
山車18基と令和8年の6基 ─ 武者人形に込められた物語
三国祭の最大の見どころは、町内に伝わる18基の山車のうち、山番にあたった6〜7基が中日祭で巡行すること。山番とは、3年から8年に一度、山車を曳き出す権利が地区に回ってくる伝統的な順番制度で、町内の人々はこの番が回ってきた年を、子どもから祖父母まで一族総出で待ち続けると言われます。
令和8年(2026年)の中日祭で巡行する山車は、三国祭保存振興会の発表によれば次の6基です。
- 岩崎区 ─ 源義経
- 中元区 ─ 鎌倉権五郎景政(歌舞伎「暫」)
- 三国祭保存振興会 ─ 前田慶次
- 滝谷区 ─ 遠山金四郎
- 上台区 ─ 碇知盛(平知盛)
- 北末広区 ─ 刃傷松の廊下(浅野内匠頭)
源平・歌舞伎・江戸の名場面が一日のうちに町を巡る構成です。山車そのものの高さは現在4〜5メートルほどですが、明治末期の最盛期には10メートルを超える武者人形を載せた山車があったと記録されています。明治以降、町内に電線が敷かれるにつれて高さが制限され、現在の規模に落ち着きました。それでも、屋根よりも高い武者人形が河口の三国町を移動していく光景は、現代日本でも稀有なスケール感です。
ちなみに、北陸三大祭それぞれの山車・曳山にも個性があります。
- 三国祭(三國神社): 武者人形を主役にした人形山車、6〜7基が巡行
- 高岡御車山祭(関野神社・5月1日): 「動く美術館」と称される豪華絢爛な彫刻と漆塗りの曳山7基
- 七尾青柏祭(大地主神社・5月3〜5日): 日本一大きな曳山「でか山」3基、高さ約12m・重量約20t
三国祭は**「人物の物語性」、高岡御車山祭は「工芸美の重層性」、七尾青柏祭は「物理的なスケールの圧倒」と、それぞれ異なる方向に発展してきた三つの祭礼。北陸を初夏に訪れるなら、5月1日の高岡、5月3〜5日の七尾、そして5月19〜21日の三国と、月のうちに「北陸三大祭縦断」**として組むのも一案です。
加賀百万石まつり2026が6月5〜7日に金沢で開催されるので、北陸の春から初夏にかけては、5月1日の高岡から6月7日の金沢まで五週間連続で大規模祭礼が連なる稀有な期間にあたることも、覚えておきたいところ。
観覧と参拝のヒント ─ アクセス・夜の楽しみ・福井の寄り道
三国祭の観覧で訪れる場合、いくつか実用的な情報を共有しておきますね。
- アクセス: えちぜん鉄道三国芦原線「三国駅」下車徒歩約10分で三國神社着。福井駅から三国駅まで約45分
- 無料シャトルバス(中日祭5/20限定): 成田山福井別院・三国運動公園↔えちぜん鉄道三国駅、10時〜21時運行
- 観覧の好スポット: きたまえ通り(古い湊町並み)、広小路、三國神社前(山車集合)
- 宵山車を観るなら: 5/19(火) 18:30〜21:00 の高張提灯先導の巡行は、夕暮れから夜にかけての光と影が美しい時間帯
- 持ち物: 5月下旬の福井は最高気温22〜25℃前後、湿気は少なめ。羽織れる薄手のジャケットがあると夜の宵山車鑑賞で重宝
- 食事: 三国湊町は越前ガニと甘海老で知られる漁港。祭り期間中は屋台も並ぶが、昼食は港町の食堂で甘海老丼を頼むのも楽しい
三国祭にあわせて参拝するなら、三國神社のお山王さんにあらためて手を合わせたあと、車で15分ほどの東尋坊で日本海の岩肌を眺める動線が定番。継体天皇ゆかりの福井という土地で、海と神社と祭礼が重なる時間を持ち帰っていただければと思います。
5月の他の祭礼に目を向けるなら、京都の葵祭(5/15)、東京の浅草神社三社祭(5/15〜17)、京都の松尾大社還幸祭(5/17)が、5月中旬の都市祭礼として続きます。三国祭はそれらの大都市の祭礼が一段落した翌週、北陸の港町で静かに頂点を迎える位置づけになります。
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5月20日(水)、北陸の港町で天赦日の光のもと、6基の武者山車と神輿が三国湊を巡る一日。江戸中期の傘鉾から数えて約300年、この祭礼は今も三国の人々の手で運ばれ続けています。一年で6日しかない天赦日に、北陸三大祭の中日祭が重なる希少な暦の年。福井へと向かう人にとって、2026年の中日祭は記憶に残る一日になりそうです。
参考文献・出典
- 文化財オンライン (文化庁)— 文化庁(参照: 2026-05-16)
- 神社本庁 公式サイト— 神社本庁(参照: 2026-05-16)
- 観光庁— 国土交通省 観光庁(参照: 2026-05-16)
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旅河 楓旅と祈りの編集者
- パワースポット
- 神社仏閣
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全国の神社仏閣・パワースポットを自分の足で歩き、土地の歴史と信仰を紐解く旅する編集者。地元の方への取材を大切にし、ガイドブックには載らない「祈りの風景」を伝える記事が読者に支持されている。
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本記事は一般的な暦の知識や伝統的な解釈に基づいています。 占いの結果を保証するものではありません。最終的な判断はご自身でお願いします。
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編集方針について →参考情報:暦注・民俗資料、公的機関の暦情報を参考に編集部が整理しています。
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