時の記念日2026 ─ 6月10日(水)仏滅×大明日×晦の月、漏刻台が告げた1355年前と「旧暦4月25日」の暦合わせ

この記事でわかること
2026年6月10日(水)の時の記念日は仏滅×大明日×晦の月、そして旧暦4月25日。671年に天智天皇が漏刻台を据えた『日本書紀』の記述と、近年で唯一旧暦が重なる年を、福カレンダー編集部が暦から読み解きます。
目次
「時計を見ない日がありますか?」──そう問われると、現代の暮らしで「時刻を意識しない時間」を見つけるのは、なかなか難しいものですね。スマートフォンのロック画面、駅の電光掲示、電子レンジの残り時間。私たちは1分単位の正確な時刻に囲まれて生きています。
ところが、その「分」「秒」のリズムが日本に届いたのは、たった1355年前のこと。671年(天智天皇10年)4月25日、近江大津宮で水時計「漏刻(ろうこく)」が動き始め、太鼓と鐘が「時の奏(そう)」として刻を告げた瞬間が、日本における時報の原点ですね。
その日のグレゴリオ暦換算が6月10日。1920年(大正9年)に「時の記念日」として制定されてから2026年で106年目を迎えますが、福カレンダーの暦データを並べてみると、この年の6月10日には特別な「暦合わせ」が一日だけ訪れることが分かります。今日はその暦の不思議と、仏滅×大明日×晦の月という三層を、ゆっくり一緒にひも解いていきましょう。
2026年6月10日(水)の暦 ─ 仏滅・大明日・晦の月、そして旧暦4月25日
まずはこの日の暦データを整理しておきますね。福カレンダーの暦マスター(NAOJ公式値)を参照しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 西暦 | 2026年6月10日(水曜) |
| 六曜 | 仏滅 |
| 暦注下段 | 大明日 |
| 月相 | 晦(つごもり、月齢24.3) |
| 日干支 | 乙卯(きのと・う) |
| 旧暦 | 卯月(4月)25日 |
| 雑節・節気 | 直近の節気は芒種(6/6)、次は夏至(6/21)、入梅は翌6/11 |
注目してほしいのは旧暦の欄です。新暦6月10日が、旧暦4月25日と重なっている。これは『日本書紀』に残る漏刻台始動の日付(天智天皇10年4月25日)と、暦面のうえで完全に同じ並びになっているということですね。
近年6年(2023〜2028年)で6月10日の旧暦を比較してみると、この一致がいかに珍しいかが見えてきます。
| 西暦 | 6月10日の旧暦(新暦は各年の6月10日) |
|---|---|
| 2023年 | 4月22日 |
| 2024年 | 5月5日 |
| 2025年 | 5月15日 |
| 2026年 | 4月25日 |
| 2027年 | 5月6日 |
| 2028年 | 5月18日 |
近年で唯一、2026年だけが旧暦4月25日に当たるのですね。福カレンダー編集部が暦データ(NAOJ公式値ベース)で前後20年を確認したところ、次に同じ重なりが訪れるのは2045年6月10日。やはり六曜は仏滅で、19年で月の朔望と太陽暦が同期する「メトン周期」どおりに巡ってくることが分かりました。**2026年と2045年──時の記念日にとっての「一巡り」**と言ってよい年ですね。
旧暦4月は和風月名で「卯月(うづき)」。卯の花の白さと、田植え前の早苗を映す水面の銀色。671年の漏刻台もまた、淡水を上から下へ滴らせる装置でしたから、卯月の水のイメージが、不思議と漏刻と響き合うように感じられますね。卯月と水のイメージが不思議と漏刻の姿と重なって見えるのは、日本の暦が自然の循環に根ざしているからかもしれませんね。
漏刻と「時の奏」 ─ 671年4月25日に何が起きたのか
「漏刻」とは、上下に段差を持つ水槽から水を順に落とし、一定の流量で水位を変化させて時刻を読み取る水時計のこと。中国・唐から伝来し、皇太子時代の中大兄皇子(のちの天智天皇)が自ら製作したと『日本書紀』は記しています。
『日本書紀』天智天皇十年四月辛卯条には、こう記されていますね。
置漏剋於新臺、始打候時動鐘鼓、始用漏剋。 (漏刻を新たな台に置き、時を測りて鐘・鼓を打つ。漏刻を始めて用いる) 此漏剋者、天皇爲皇太子時、始親所製造也。 (この漏刻は、天皇が皇太子であった時に、自ら製造されたものである)
このたった数行が、日本における機械時計の最初の記録ですね。出典: 日本書紀 天智天皇10年4月25日条 / 近江神宮 公式
漏刻と一緒に動き出したのが「時の奏」です。流量の変化で時刻が変わるたび、宮中の太鼓と鐘が打ち鳴らされ、人々はその音で「いま卯の刻」「いま午の刻」と知る。当時の刻みは1日を十二支で12等分する「辰刻法(一辰刻=約2時間)」が基本でした。福カレンダーの旧暦解説でも触れていますが、音で時を聞くという暮らしは、漏刻台から始まったのですね。
近江大津宮の漏刻台が建てられた場所には、現在は近江神宮(滋賀県大津市)が鎮座しています。創建は1940年(昭和15年)、紀元二千六百年事業のひとつとして天智天皇を祀って建てられた比較的新しい神社ですが、毎年6月10日には漏刻祭が斎行され、天皇陛下からの幣帛料が奉られる格式の高い祭儀となっています。
1920年6月10日 ─ 大正の銀座に響いた大砲とニコライ堂の鐘
「時の記念日」を提唱したのは、現在の文部省にあたる組織と、当時の生活改善同盟会でした。きっかけは1920年(大正9年)の春から夏にかけて東京教育博物館(現・国立科学博物館)で開かれた**「時」展覧会**です。展示の準備過程で「日本人にも欧米のような時間遵守の習慣を」という議論が起こり、漏刻台始動の故事にちなんで6月10日を選定したと記録されています。
最初の時の記念日となった1920年6月10日には、東京で大規模な啓発が行われました。出典: 明石市立天文科学館「時の記念日」 / 日本時計協会 時の記念日
- 銀座・日本橋・日比谷・上野・浅草など10か所で5万枚のビラ配布
- 正午に陸軍が**大砲の空砲(ドン)**で時報
- 神田駿河台のニコライ堂の鐘、各商店街の鐘や汽笛も同時刻に鳴動
- 学校や工場で「時間励行」の標語を掲げる行事
1872年(明治5年)に太陽暦が導入されてからまだ48年、汽車の運行ですら「だいたい何時頃」が許容されていた時代。**「時刻を守ることは文明の証」**という標語のもと、大砲のドンとニコライ堂の鐘で、日本人の時間感覚は大きく変わっていったのですね。
ちなみにこの「ドン」は1929年まで続きました。福カレンダー編集部の調べでは、ラジオの時報サービスが定着するにつれて廃止されたとのこと。今でも「正午のドン」という言葉が一部の地域で残っているのは、この大正時代の名残ですね。
仏滅×大明日×晦の月 ─ 2026年の時の記念日をどう過ごす
ここで暦に戻りましょう。2026年6月10日(水)は六曜が仏滅。一般には「すべてが滅する大凶日」と紹介されることが多いのですが、福カレンダーでは仏滅を「物事を滅ぼす」よりも「いったん区切りをつけて、新しい流れをつくる日」としてお伝えしています。詳しくは仏滅の真実|意味・由来から結婚式の意外なメリット、ポジティブ解釈までをご覧ください。
そして暦注下段は大明日(だいみょうにち)。「太陽の光があまねく届く日」とされ、慶事・取引・旅行・結婚に幅広く向くとされる吉日です。仏滅と大明日は重なると評価が分かれがちですが、暦注下段は六曜よりも古い暦体系。漏刻台が動き始めた時代、六曜はまだ日本に伝わっていません。古い暦体系である大明日のほうを、671年の祖型に近い「時の縁起」として読むのが、編集部の好みですね。
月相は晦(つごもり)。月齢24.3、空には細く欠けた下弦月の終わりが昇ります。新月(6月15日)に向けて月が暗くなっていく「終わりの相」で、民俗的には棚卸し・整理・帳面締めにふさわしい月相とされます。
この三層を組み合わせると、2026年6月10日(水)はこんな性格の一日になりますね。
| 層 | 性格 | おすすめの過ごし方 |
|---|---|---|
| 仏滅 | 区切り・終止 | 古いパソコンのデータ整理、不要なサブスクの解約 |
| 大明日 | 太陽の光、慶事 | 時計の電池交換、腕時計のオーバーホール予約 |
| 晦の月 | 棚卸し・整理 | 卓上カレンダーの確認、6月後半のスケジュール再整理 |
| 旧暦4月25日 | 漏刻台の暦合わせ | 近江神宮 漏刻祭の中継視聴、時計に手を合わせる |
「時の記念日に時計の電池を替える」「水時計の動画を観てみる」「手帳を見直す」──仏滅×大明日×晦×乙卯の組み合わせは、過去の時間を畳んで、新しいリズムを整える日として読むのが、暦の流れに素直ですね。
福カレンダー編集部からのひとこと ─ 暦川 ひなたの覚え書き
「時の記念日」と聞くと、つい「6月10日ね、覚えておこう」で終わってしまいがちです。けれど暦をひと皮めくると、その日が1355年前の春の空気とつながっていることに気づきます。
漏刻台で水滴が落ちた瞬間、誰かが鐘を打ち、誰かが「いま卯の刻」と声に出した。それが2026年の私たちのスマートフォンの「6:00」表示にまで、途切れずに続いている。暦というのは、そういう細い水の流れを束ねる帳面なのですね。
仏滅でも、大明日でも、晦の月でも、構いません。時の記念日には、ご自身の腕時計やキッチンのタイマーをそっと撫でて、「ありがとう、また明日もよろしく」と声をかけてみてください。これは私の愛猫「大安」も賛成してくれる、福カレンダー流の暦の楽しみ方ですね。
── 暦川 ひなた(暦の案内人)
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出典
- 『日本書紀』巻二十七 天智天皇十年四月辛卯条
- 近江神宮 公式サイト「時の記念日の由来」
- 明石市立天文科学館「時の記念日」
- 日本時計協会(JCWA)「時の記念日の由来」
- 福カレンダー暦マスター(NAOJ公式値・2020-2027年実証)
参考文献・出典
- 日本の暦 -国立国会図書館-— 国立国会図書館(参照: 2026-05-16)
- 暦計算室— 国立天文台 暦計算室(参照: 2026-05-16)
- 旧暦 (Wikipedia 日本語版)— Wikipedia(参照: 2026-05-16)
2026年の暦カレンダー
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暦川 ひなた暦の案内人
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本記事は一般的な暦の知識や伝統的な解釈に基づいています。 占いの結果を保証するものではありません。最終的な判断はご自身でお願いします。
免責事項を読む →福カレンダーでは、暦に関するコンテンツを正確かつ分かりやすくお届けするよう努めています。
編集方針について →参考情報:暦注・民俗資料、公的機関の暦情報を参考に編集部が整理しています。
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