七十二候 玄鳥去 2026 ─ 9月17日〜22日、白露末候 燕が南へ帰り秋彼岸を迎える6日

この記事でわかること
白露末候『玄鳥去(つばめさる)』は2026年9月17日〜22日。春にやってきた燕が、海を越えて南の国へ帰っていく頃を読み解きます。清明初候『玄鳥至』と対をなす別れの候、数千キロを渡る燕の旅、9月20日の秋彼岸入りと祖先を偲ぶ風習、満ちゆく月とシルバーウィークの暦配置にも触れ、白露を締めくくります。
目次
セキレイ(44候)が水辺で尾を振った白露も、いよいよ末候を迎えます。**2026年9月17日(木)から9月22日(火)までの6日間が、七十二候の第四十五候「玄鳥去(つばめさる)」**です。「玄鳥(つばめ)去(さ)る」――春にやってきて軒先で子を育てた燕が、海を越えて暖かな南の国へと帰っていく、そんな別れの頃を指しています。
私(野分蓮)は福カレンダー編集部で二十四節気・七十二候を担当しています。「玄鳥(げんちょう)」とは燕の古い呼び名。じつはこの燕、春の暦にも登場します。清明の初候は「玄鳥至(つばめきたる)」――燕が南からやってくる候でした。春に「至り(来て)」、秋に「去る」。玄鳥至と玄鳥去は、燕の渡りを通して、春と秋の戸口で対をなす一対の候なのです。同じ鳥の到来と旅立ちで半年の巡りを括る――七十二候の編まれ方の妙が、ここにも表れています。
2026年の玄鳥去は、月が満ちていく6日間。そして9月20日(日)には秋の彼岸入りを迎え、9月21日の敬老の日、22日の国民の休日と続く大型連休(シルバーウィーク)にも重なります。
玄鳥去とは ─ 燕が南へ帰る、別れの白露末候
玄鳥去は、太陽黄経が白露の終盤(175〜180度)にある末候です。春にやってきた燕は、日本の家々の軒先に巣をかけ、ひと夏のあいだに二度も子育てをして、たくさんの命を育てます。そして秋が深まると、子育てを終えた親子は群れをなし、はるか南――東南アジアやオーストラリアまで、数千キロにも及ぶ長い旅へと発っていきます。
軒先からふと燕の姿が消え、空になった巣だけが残る――その小さな寂しさに、人々は秋の深まりと、ゆく季節の名残を感じてきました。「燕帰る」「行く秋」は、別れと惜別をたたえた秋の季語。にぎやかだった夏が過ぎ去っていく、その実感を、玄鳥去はそっと告げています。
2026年の暦配置 ─ 満ちゆく月、秋彼岸とシルバーウィーク
2026年の玄鳥去(9月17日〜22日)は、月が七日月から上弦を過ぎて満ちていく6日間です。
| 日付 | 六曜 | 月相 | 暦注・行事 |
|---|---|---|---|
| 9月17日(木) | 友引 | 七日月 | ─ |
| 9月18日(金) | 先負 | 上弦の月 | ─ |
| 9月19日(土) | 仏滅 | 九日月 | 一粒万倍日 |
| 9月20日(日) | 大安 | 十日夜の月 | 秋彼岸入り・大安 |
| 9月21日(月) | 赤口 | 十一日月 | 敬老の日 |
| 9月22日(火) | 先勝 | 十二日月 | 国民の休日 |
月は七日月から上弦を越えて満ち、夜空に存在感を増していきます。注目は連休まわりの配置です。9月20日(日)が秋の彼岸入りで、六曜は大安。続く**21日(月)は敬老の日、22日(火)は前後を祝日にはさまれた「国民の休日」**となり、19日(土)から翌23日(水)の秋分の日まで、五連休のシルバーウィークになります。期間中の日ごとの六曜・吉日は、上の表をご覧ください。
燕の旅立ち ─ 来た道を帰る、小さな渡り鳥
体長わずか十数センチの燕が、海を越えて数千キロを渡るという事実は、あらためて考えると驚異です。春、はるばる南からやってきて日本で繁殖し、秋、生まれたばかりの若鳥を連れて再び南へ――その往復の旅を、燕は毎年くり返します。同じ家の軒先に、毎年同じ燕が戻ってくることもあるといいます。
燕は古くから、人の暮らしに寄り添う益鳥として大切にされてきました。田畑の害虫を食べてくれること、人家に巣をかけることから、「燕が巣をかける家は栄える」「燕は縁起がよい」と各地で語り継がれ、巣を守り、見送る風習が育まれました。玄鳥去の候は、ひと夏をともに過ごした小さな旅人に、「また来年」と別れを告げる候でもあります。
秋彼岸の入り ─ 祖先を偲ぶ
9月20日の彼岸入りから、秋の彼岸が始まります。秋分の日(9月23日)を中日に、前後三日を合わせた七日間が秋彼岸。「暑さ寒さも彼岸まで」と言うとおり、この頃を境に、厳しかった残暑もようやくおさまり、過ごしやすい秋へと移っていきます。
彼岸は、ご先祖を偲び、墓参りをして感謝を捧げる大切な期間です。春の牡丹餅(ぼたもち)に対し、秋は萩の花にちなんだ「おはぎ」を供えます。燕が去り、祖先を偲ぶ――玄鳥去の候には、ゆくものを見送り、つながりに思いを馳せる、静かなまなざしが流れています。
入れ替わる渡り鳥 ─ 去る燕、来る雁
燕が南へ去っていくこの頃、空ではちょうど、もう一つの渡りが始まろうとしています。入れ替わるように、北のシベリアなどから、雁(がん)や鴨(かも)といった冬の渡り鳥が、日本へやってくるのです。実際、次の節気・寒露の初候は「鴻雁来(こうがんきたる)」――北から雁が渡ってくる候。燕の旅立ちと雁の飛来は、わずかな時を隔てて、秋空でバトンを渡し合います。
夏を告げた燕が去り、冬を連れてくる雁が来る――渡り鳥の入れ替わりは、季節が確かに次へと進んでいることの、空からの便りです。玄鳥去の候に空を見上げれば、南へ向かう燕の群れと、やがて北から訪れる雁の列、その両方に思いを馳せることができます。去るものを見送り、来るものを待つ。白露の最後の候は、そんな季節の循環を、静かに教えてくれます。
玄鳥去6日間の歩き方
- 9月17日(木)友引:穏やかに過ごす日。軒先や電線に、旅立ち前の燕の姿が見られるかもしれません。
- 9月18日(金)先負:午後の行動が吉。連休を前に、用事は早めに片づけて。
- 9月19日(土)仏滅・連休初日:始め事の種まきに縁起のよい一粒万倍日。派手より静かな過ごし方を。
- 9月20日(日)大安・秋彼岸入り:彼岸の入りにして大安。墓参や、ご先祖を偲ぶ用事にふさわしい一日です。
- 9月21日(月)敬老の日:祝日。お年寄りを敬い、家族で過ごすのに好適です。
- 9月22日(火)国民の休日:連休の一日。翌23日は秋分の日。深まる秋を味わいながら、ゆく夏を見送りましょう。
福カレンダー編集部の玄鳥去ノート ─ 三つのおすすめ
- 燕を見送る:軒先の巣が空になる前に、旅立つ燕に「また来年」と心の中で声をかけてみては。ひと夏の縁を結んだ小さな旅人への、ささやかな見送りです。
- 秋彼岸を大切に:9月20日から彼岸入り。墓参やおはぎで、ご先祖への感謝を新たにする頃です。
- 連休を秋とともに:シルバーウィークは深まる秋のさなか。澄んだ空気と満ちゆく月のもと、季節の移ろいをゆっくり味わってみてください。
燕が南へ旅立ち、秋彼岸を迎える6日間。これで白露の三候は締めくくり、暦は昼と夜の長さがそろう秋分へと進みます。実りと感謝の、秋本番の到来です。
参考
- 国立天文台 暦計算室「暦象年表」(白露=太陽黄経165度の定義および2026年の節気日・月相)
- 略本暦(明治7年改暦)における白露末候「玄鳥去」、清明初候「玄鳥至」との対照
- 燕の渡りの生態、益鳥としての民俗、秋彼岸とおはぎの風習
- 福カレンダー暦マスターデータ(2026年9月の六曜・月相・一粒万倍日・秋彼岸)
参考文献・出典
- 暦計算室— 国立天文台 暦計算室(参照: 2026-06-03)
- 七十二候 (Wikipedia 日本語版)— Wikipedia(参照: 2026-06-03)
- 日本の暦 -国立国会図書館-— 国立国会図書館(参照: 2026-06-03)
2026年の暦カレンダー
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野分 蓮干支と暦の研究家
- 十干十二支
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十干十二支・二十四節気・自然と暦の関わりを、歴史と科学の両面から掘り下げる研究家肌の編集者。古文書の記述と現代の気象データを突き合わせるような、知的好奇心を刺激する考察記事を得意とする。
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