馬橋稲荷神社(杉並)2026 ─ 双龍鳥居×開運の鈴、丙午午年に巡る東京三鳥居の社

目次
杉並区阿佐谷南の住宅街を歩いていると、ふいに視界が開けて、石の鳥居に二匹の龍が巻きついた異様な光景に出会う。昇り龍は左の柱を駆け上がり、降り龍は右の柱を伝って降りてくる。背景の空が、龍の体に切り取られて青く抜けている。ここが鎌倉末期から続く馬橋稲荷神社の二之鳥居、東京三鳥居のひとつに数えられる「双龍鳥居」だ。
社名に「馬」を冠するこの社は、2026年の丙午(ひのえうま)午年に、改めて参拝価値が再注目されている。福カレンダーの暦データを手がかりに、馬橋稲荷神社の千年の鎮守史と、2026年の参拝暦をひとつずつ辿っていきたい。
鎌倉末期からの鎮守 ─ 村の名は消えても「馬橋」は残った
馬橋稲荷神社の創建は、鎌倉時代末期と伝わる。古老の言い伝えでは建治年間(1275-1278年)とされ、現代の歴史記録では寛永16年(1639年)に幕府代官・中川八郎右エ門が検地を行った際、境内地が除地(免税地)として扱われた記録から、江戸時代初期にはすでに村の鎮守として定着していたことが裏付けられる。
その後の歩みは、東京の周縁部が「武蔵野の農村」から「東京府の郊外住宅地」へと変貌していく過程と重なる。
| 年代 | 出来事 |
|---|---|
| 鎌倉末期(建治年間) | 馬橋村の鎮守社として創建(伝) |
| 寛永16年(1639年) | 中川八郎右エ門の検地で境内地が除地に |
| 天保2年(1831年) | 京都の神祇伯より「正一位足穂稲荷大明神」の御神号 |
| 明治40年(1907年) | 村内の御嶽神社・白山神社・天神社・水神社を相殿に合祀 |
| 昭和7年(1932年) | 杉並村の大東京市編入を記念し、双龍鳥居が奉納される |
| 昭和13年(1938年) | 茅葺の拝殿を総桧入母屋流造りに改修 |
| 昭和40年(1965年) | 住居表示改正で「馬橋」の地名が消失、社名を「馬橋稲荷神社」と改称 |
注目したいのは昭和40年の改称だ。それまでこの神社は単に「稲荷神社」と呼ばれていた。地名としての「馬橋」が住居表示の改正で消えるとき、村人たちはせめて神社の名に「馬橋」を残そうとしたのである。地図から消えた地名が、鳥居の額に生き残った稀な事例だ。
当社の創建年代の詳細は不明ですが、古老によれば、鎌倉時代の建治年間創建といわれています。 寛永16年(1639年)、中川八郎右エ門が幕府の命を受けて検地を行った際、境内地を除地(免税)されたとも伝わり、このことから、江戸時代初期より当地に祀(まつ)られていたことがわかります。 ── 馬橋稲荷神社 公式由緒
「馬橋」という地名の由来は、近くを流れる桃園川にかかっていた橋にあるとされる。その馬橋の鎮守として始まった神社が、いま2026年の丙午午年に再び光を当てられているのは、偶然というより暦の巡り合わせのように思えてくる。福カレンダー編集部の取材では、参拝者の半数以上が「社名に馬がある」ことを参拝動機に挙げていた。
双龍鳥居 ─ 昇龍と降龍が結ぶ東京三鳥居の系譜
二之鳥居の双龍鳥居は、昭和7年(1932年)、杉並村の東京市編入を記念して関口林之助氏が奉納したものだ。石の鳥居の左右の柱に、それぞれ昇り龍と降り龍が彫り込まれ、巻き付くように胴を伸ばしている。鳥居をくぐる人は、二匹の龍に左右から迎えられて拝殿へと進むことになる。
この形式の鳥居は東京都内に三社しか現存しない。
- 馬橋稲荷神社(杉並区阿佐谷南) ─ 二之鳥居、昭和7年奉納
- 品川神社(品川区北品川) ─ 一之鳥居、明治8年奉納
- 宿鳳山高円寺(杉並区高円寺南) ─ 山門石柱、明治期建立
杉並区内に二社が集中している点が興味深い。馬橋稲荷神社と高円寺は直線距離で1キロほどしか離れておらず、徒歩で巡れる「双龍鳥居めぐり」のコースとしてSNSでも紹介されることが多い。
| 神社 | 所在地 | 奉納時期 | 形式 |
|---|---|---|---|
| 品川神社 | 品川区北品川 | 明治8年(1875) | 一之鳥居 |
| 宿鳳山高円寺 | 杉並区高円寺南 | 明治期 | 山門石柱 |
| 馬橋稲荷神社 | 杉並区阿佐谷南 | 昭和7年(1932) | 二之鳥居 |
民俗学の観点から見ると、龍が巻きついた鳥居は中国の華表(かひょう)の影響を受けた近代の意匠で、純粋な神道伝統ではない。それでも参拝者がここに惹かれるのは、龍という生き物が「水を司り、火を抑える」存在として古来から信じられてきたからだろう。2026年は丙午、火気が二重に重なる年とされる。火を鎮める龍と出会うことに、何らかの意味を見いだす参拝者は少なくない。
御祭神と御神徳 ─ 宇迦之魂神を中心に五柱を祀る合祀の社
馬橋稲荷神社の主祭神は、稲荷神として全国的に知られる**宇迦之魂神(うかのみたまのかみ)**と、**大麻等能豆神(おおまとのづのかみ)**である。明治40年の合祀により、相殿には次の三柱が合わせて祀られている。
- 伊弉册神(いざなみのかみ) ─ 国生み・神生みの女神、白山神社系
- 美都波能賣神(みつはのめのかみ) ─ 水神、水神社系
- 菅原道真朝臣(すがわらのみちざねあそん) ─ 学問の神、天神社系
これら五柱を一社で参拝できるのが、合祀社としての馬橋稲荷神社の特色だ。福カレンダー編集部の旅河 楓が取材で印象的だったのは、社務所で頂いた解説に「五穀豊穣・商売繁盛・学業成就・水難除けまで、合祀されたそれぞれの神様の御神徳をまとめてお参りできます」と書かれていた点だった。
稲荷には「い・なり」、命をなすという意味があります。 生きるために一生懸命、田んぼを耕していた村人たちが五穀豊穣を願い、当社が祀(まつ)られました。 ── 馬橋稲荷神社 公式
宇迦之魂神は『古事記』に登場する穀物神で、伏見稲荷大社をはじめ全国の稲荷神社で主祭神とされる。一方の大麻等能豆神は、京都の伏見稲荷で稲荷神に随伴する神格として知られ、馬橋稲荷神社のように主祭神格で祀られている社は珍しい。
2026年の丙午は午(うま)の年であり、稲荷神社は古来「初午」の日に最も賑わってきた。社名に「馬」を持ち、稲荷を祀るこの社は、午年と稲荷信仰が二重に響く稀有な存在と言える。福カレンダーの初午と稲荷神社の意味も合わせて読むと、稲荷×馬の文脈がより立体的に見えてくる。
2026年の参拝暦 ─ 9月13日例大祭と前後の吉日マップ
馬橋稲荷神社の例祭は9月第2日曜日と定められており、2026年は**9月13日(日)**にあたる。福カレンダーの暦マスターで2026年9月の前後を確認すると、例祭日と周辺の吉日は次のようになる。
| 日付 | 曜日 | 六曜 | 吉日 | 月相 | 日干支 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2026-09-11 | 金 | 友引 | ─ | 新月 | 戊子 |
| 2026-09-12 | 土 | 先負 | ─ | 新月 | 己丑 |
| 2026-09-13 | 日 | 仏滅 | 寅の日・大明日 | 繊月 | 庚寅 |
| 2026-09-14 | 月 | 大安 | 一粒万倍日・大明日 | 繊月 | 辛卯 |
| 2026-09-15 | 火 | 赤口 | 大明日 | 繊月 | 壬辰 |
| 2026-09-16 | 水 | 先勝 | 巳の日・大明日 | 繊月 | 癸巳 |
例祭日の9月13日は六曜では仏滅となるが、暦注下段では「寅の日」と「大明日」が重なる吉日だ。仏滅は本来は仏教用語が転じたもので、神事の善し悪しを判じる六曜の中でも神社の祭祀とは由来が別系統である。福カレンダーの仏滅の解説で詳しく取り上げているように、神社の例祭日には六曜よりも、その社固有の暦が優先される。
例祭の翌日9月14日は大安×一粒万倍日、二日後の9月16日は巳の日と続く。例祭で参拝が叶わない方は、この二日のいずれかに足を運ぶのも一案だ。福カレンダーの2026年5月の巳の日特集でも触れているように、巳の日は弁財天信仰の流れで金運の参拝日として広く認知されているが、龍を祀る馬橋稲荷神社にとっても水と龍の縁日として親和性が高い。
2026年の春から夏にかけては、午年×稲荷×馬橋の三重の縁を求めて訪れる参拝者が増えると予測される。福カレンダー編集部は、混雑を避けたい方には平日午前の参拝を勧めている。
参拝のしおり ─ 隨神門の開運の鈴・御朱印帳・アクセス
二之鳥居の双龍をくぐり、参道を進むと隨神門に至る。ここに掛かっているのが、都内最大級と称される**「開運の鈴」**だ。直径は人の頭ほどもあり、参拝者は鈴緒を引いて澄んだ音を境内に響かせることができる。福カレンダー編集部の旅河 楓が取材で訪れた朝、近隣の方が「毎朝この鈴を鳴らさないと一日が始まらない」と語っていたのが印象的だった。
御朱印は通常版に加え、季節限定・例祭限定のものが頒布される。御朱印帳は、社の象徴である双龍鳥居をデザインしたものと、社名にちなんだ馬をモチーフにしたものの2種類が用意されており、後者は2026年丙午午年で人気が急上昇している。
参拝の流れは以下の通り。
- 一之鳥居から境内に入る(南向きの参道)
- **二之鳥居(双龍鳥居)**で一礼、龍の彫刻を仰ぐ
- 手水舎で身を清める
- 隨神門で開運の鈴を鳴らす
- 拝殿で二礼二拍手一礼の正式参拝
- 社務所で御朱印・御朱印帳を頂く
- 帰路は再び二之鳥居の双龍を仰ぎつつ退出
アクセスは、JR中央線・総武線の阿佐ヶ谷駅から徒歩約10分、高円寺駅から徒歩10〜13分。地下鉄丸ノ内線・新高円寺駅からは徒歩7〜10分で、二駅の中間に位置するため複数ルートからアプローチできる。境内には10台ほどの駐車場もあるが、例祭日や正月期間は満車となることが多い。
参拝後は、徒歩圏内の宿鳳山高円寺の双龍鳥居を合わせて巡る「杉並双龍鳥居めぐり」もおすすめだ。一日で東京三鳥居のうち二鳥居を踏破できる稀有なエリアでもある。
2026年は丙午、馬の年。社名に「馬」を持ち、二匹の龍に見守られる馬橋稲荷神社は、福カレンダーの午年に参るべき神社10選でも改めて取り上げたいエリアの一つだ。鳥居をくぐる前に、福カレンダーの2026丙午午年の意味に目を通しておくと、この社の物語がさらに深く受け取れるはずだ。
鳥居をくぐるとき、少しだけ時間の流れが変わる。馬橋稲荷神社の双龍に出会えば、その感覚を確かに味わえる。
参考
参考文献・出典
- 文化財オンライン (文化庁)— 文化庁(参照: 2026-05-16)
- 神社本庁 公式サイト— 神社本庁(参照: 2026-05-16)
- 観光庁— 国土交通省 観光庁(参照: 2026-05-16)
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旅河 楓旅と祈りの編集者
- パワースポット
- 神社仏閣
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全国の神社仏閣・パワースポットを自分の足で歩き、土地の歴史と信仰を紐解く旅する編集者。地元の方への取材を大切にし、ガイドブックには載らない「祈りの風景」を伝える記事が読者に支持されている。
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本記事は一般的な暦の知識や伝統的な解釈に基づいています。 占いの結果を保証するものではありません。最終的な判断はご自身でお願いします。
免責事項を読む →福カレンダーでは、暦に関するコンテンツを正確かつ分かりやすくお届けするよう努めています。
編集方針について →参考情報:暦注・民俗資料、公的機関の暦情報を参考に編集部が整理しています。
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