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ホーム›暦の知識›節気›七十二候 大雨時行 2026 ─ 8月2日〜6日、大暑末候 夕立と雷が駆ける夏の終わりの5日
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七十二候 大雨時行 2026 ─ 8月2日〜6日、大暑末候 夕立と雷が駆ける夏の終わりの5日

野分 蓮干支と暦の研究家·2026.06.03 更新·約6分
七十二候 大雨時行 2026 ─ 8月2日〜6日、大暑末候 夕立と雷が駆ける夏の終わりの5日

この記事でわかること

大暑末候『大雨時行(たいうときどきにふる)』は2026年8月2日〜6日。夏の夕立や雷雨が時に激しく降る頃を、月が欠けて土用が明けへ向かう暦配置とともに読み解きます。積乱雲と夕立の仕組み、雷を『稲の妻』と呼んで豊作を願った日本の信仰、そして立秋へと続く夏の折り返しに触れます。

目次
  1. 1.大雨時行とは ─ 夏の夕立と雷雨が駆け抜ける、大暑の締めくくり
  2. 2.2026年の暦配置 ─ 欠けゆく月とともに、土用が明けて立秋へ
  3. 3.雷は「稲の妻」─ 豊作を願った日本の信仰
  4. 4.雷神への祈り ─ 天神さまと雷除け
  5. 5.大雨時行5日間の歩き方
  6. 6.福カレンダー編集部の大雨時行ノート ─ 三つのおすすめ
  7. 7.参考

土(35候)までもが蒸し暑さに包まれた大暑も、いよいよ末候を迎えます。**2026年8月2日(日)から8月6日(木)までの5日間が、七十二候の第三十六候「大雨時行(たいうときどきにふる)」**です。「大雨(たいう)時々(ときどき)に行(ふ)る」――夏の午後、にわかに空が暗くなり、激しい夕立や雷雨が駆け抜けていく、そんな頃を指しています。

私(野分蓮)は福カレンダー編集部で二十四節気・七十二候を担当しています。大雨時行は、温風至や土潤溽暑と同じく、中国の宣明暦から受け継がれた候。蒸し暑さが極まったあとに激しい雨がやってくるという夏の天気の道理は、洋の東西を問わず同じだったのでしょう。この候をもって大暑は終わり、暦は次の立秋――秋の入り口へと折り返します。夏のいちばん奥で降る雨は、季節の転換を告げる雨でもあります。

2026年の大雨時行は、月が欠けていく5日間。満月を過ぎた月が下弦へと細り、8月6日(木)には夏の土用が明け、翌7日からは立秋です。

大雨時行とは ─ 夏の夕立と雷雨が駆け抜ける、大暑の締めくくり

大雨時行は、太陽黄経が大暑の終盤(125〜130度)にある末候です。「時行(ときどきにふる)」とあるように、一日中降り続く雨ではなく、午後を中心に「時おり」激しく降る夏の雨――いわゆる夕立や雷雨を指します。

夏の夕立は、強い日射で地面が熱せられ、湿った空気が一気に上昇して**積乱雲(入道雲)**が育つことで生まれます。むくむくと天を突くように発達した雲は、午後になると大粒の雨と雷を伴って崩れ、地を打って涼を残し、また去っていく。近年「ゲリラ豪雨」と呼ばれる急な大雨も、仕組みはこの夏の夕立と地続きです。蒸し暑さが極まった土潤溽暑の次に大雨時行が置かれているのは、暑さと湿気がたまりにたまって、ついに雨となって解き放たれる――そんな夏の天気の流れを、暦が見事に捉えているからにほかなりません。

2026年の暦配置 ─ 欠けゆく月とともに、土用が明けて立秋へ

2026年の大雨時行(8月2日〜6日)は、月が下弦へと欠けていき、夏の土用が明けへ向かう5日間です。

日付六曜月相暦注・行事
8月2日(日)先勝居待月─
8月3日(月)友引居待月一粒万倍日
8月4日(火)先負下弦の月─
8月5日(水)仏滅下弦の月─
8月6日(木)大安下弦の月大安/夏土用明け

満月を過ぎた月は、居待月(いまちづき)から下弦へと欠けていきます。8月3日(月)は一粒万倍日で、始め事の種まきに向く日。そして8月6日(木)は大安であると同時に、夏の土用の明けにあたります。翌7日はいよいよ立秋。暦のうえでは、この大雨時行の雨が夏を洗い流し、秋の入り口へと橋を渡すのです。

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雷は「稲の妻」─ 豊作を願った日本の信仰

夏の雷は、ただ恐ろしいだけの存在ではありませんでした。日本では古くから、**雷光を「稲妻(いなずま)」「稲光(いなびかり)」**と呼びます。これは「稲の妻(つま)」、すなわち雷が稲を実らせる、という古代の信仰に由来します。雷の多い年は豊作になる、という言い伝えは各地に残り、実際、雷雨は空気中の窒素を稲の養分となる形に変えて地に降らせるため、まったくの迷信とも言いきれません。

田に水を張り、稲が穂をつけ始めるこの時期、激しい夕立は恵みの雨でもありました。雷を「稲の夫(つま)」と見立てて豊作を祈った先人のまなざしは、自然の猛威のなかにも実りの約束を読み取る、しなやかな知恵だったといえるでしょう。

夕立とにわか雨への備え

夏の夕立は、急に来て急に去ります。空が急に暗くなり、生ぬるい風が吹き、遠くで雷が鳴り始めたら、それは夕立の前ぶれ。折りたたみ傘を備え、雷が近づいたら無理に外を歩かず、頑丈な建物に入る――そんな心づもりが、この候を安全に過ごすこつです。

そして、夕立が去ったあとには、しばしば思いがけない贈り物があります。雨上がりの空に、太陽を背にして立つ虹です。空気中に残った無数の水滴が日の光を分けて、七色の橋を架ける――激しい雨のあとの澄んだ大気だからこそ生まれる、夏の夕暮れの絶景です。荒々しい夕立と、そのあとの虹。大雨時行は、自然の激しさと美しさが背中合わせに訪れる候でもあります。

雷神への祈り ─ 天神さまと雷除け

激しい雷は、恵みであると同時に畏れの対象でもありました。日本では古くから雷を「雷神(らいじん)」「鳴神(なるかみ)」として神格化し、各地に雷を祀る神社が建てられてきました。なかでも知られるのが、菅原道真(すがわらのみちざね)を祀る天満宮です。無実の罪で大宰府に流された道真の没後、都に落雷や天変が相次いだことから、人々は道真の祟りを雷神と結びつけ、「天神(てんじん)さま」として手厚く祀りました。学問の神として親しまれる天神さまは、もとは雷を鎮めるための信仰でもあったのです。

民間でも、雷が鳴ると「くわばら、くわばら」と唱えて雷除けを願う風習が広く伝わりました。この「桑原」の由来には諸説ありますが、雷を畏れ、言葉の力で身を守ろうとした先人の心は、夕立の多いこの候にこそ思い出されます。雷を恐れつつも神として敬い、豊作の使者として迎える――大雨時行は、自然への畏敬と感謝が入りまじる候でもあります。

大雨時行5日間の歩き方

  • 8月2日(日)先勝:午前の行動が吉。日中の暑さと午後の夕立を見越して、用事は早めに片づけて。
  • 8月3日(月)友引・一粒万倍日:始め事の種まきに向く日。午後は空模様に注意を。
  • 8月4日(火)先負:午後吉。蒸し暑さと夕立に備え、無理のない一日に。
  • 8月5日(水)仏滅:静かに過ごす日。夏の道具の手入れや、立秋に向けた支度を。
  • 8月6日(木)大安・土用明け:夏の土用の最終日にして大安。区切りの日として、夏後半の計画を整えるのに向きます。翌日からは立秋です。

福カレンダー編集部の大雨時行ノート ─ 三つのおすすめ

  1. 夕立は涼の合図:激しい夕立のあとは、気温がぐっと下がります。雨上がりの夕風は、夏のごほうび。窓を開けて涼を取り込みましょう。
  2. 雷には敬意と用心を:「稲の妻」と呼んで豊作を願った一方、雷は危険でもあります。鳴り始めたら無理をせず、安全な場所へ。
  3. 土用明けを節目に:8月6日で夏の土用が明け、翌日は立秋。夏の折り返しを意識して、秋への支度を少しずつ始めてみてください。

夏の夕立が季節を洗い流す5日間。次の候は、暦のうえで秋が立つ立秋に入り、涼しい風が初めて立つ「涼風至(すずかぜいたる)」。夏の入り口に吹いた温風と対をなす、秋風の候へと続きます。

参考

  • 国立天文台 暦計算室「暦象年表」(大暑=太陽黄経120度の定義および2026年の節気日・月相・土用)
  • 略本暦(明治7年改暦)および中国宣明暦における大暑末候「大雨時行」
  • 「稲妻(稲の妻)」の語源と雷神信仰・豊作祈願の民俗
  • 福カレンダー暦マスターデータ(2026年8月の六曜・月相・一粒万倍日・大安)

📚参考文献・出典

  1. 暦計算室— 国立天文台 暦計算室(参照: 2026-06-03)
  2. 七十二候 (Wikipedia 日本語版)— Wikipedia(参照: 2026-06-03)
  3. 日本の暦 -国立国会図書館-— 国立国会図書館(参照: 2026-06-03)
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野分 蓮

野分 蓮干支と暦の研究家

  • 十干十二支
  • 二十四節気
  • 自然暦

十干十二支・二十四節気・自然と暦の関わりを、歴史と科学の両面から掘り下げる研究家肌の編集者。古文書の記述と現代の気象データを突き合わせるような、知的好奇心を刺激する考察記事を得意とする。

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