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自然と暦

七十二候とは? ─ 自然が教える5日ごとの季節の移ろい

野分 蓮干支と暦の研究家·2026.02.25 更新·約10分
七十二候とは? ─ 自然が教える5日ごとの季節の移ろい

この記事でわかること

二十四節気をさらに3つに分けた七十二候は、約5日ごとに自然の変化を詩的に表した日本独自の精密な自然暦です。成り立ちから代表的な候、現代の暮らしへの活用法まで詳しく解説します。

目次
  1. 1.七十二候の基本
  2. 2.七十二候の成り立ち ─ 中国から日本へ
  3. 3.二十四節気と七十二候の関係
  4. 4.春の代表的な七十二候
  5. 5.夏の代表的な七十二候
  6. 6.秋の代表的な七十二候
  7. 7.冬の代表的な七十二候
  8. 8.現代生活での七十二候の活用法
  9. 9.よくある質問
  10. 10.まとめ

七十二候とは? ─ 自然が教える5日ごとの季節の移ろい

「桜始開(さくらはじめてひらく)」「蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)」——七十二候は、わずか5日間の自然の変化を詩的な言葉で切り取った、世界でも類を見ない精密な季節暦です。その成り立ちから現代生活への活かし方まで、詳しくご紹介します。

七十二候の基本

七十二候(しちじゅうにこう) とは、二十四節気の各節気をさらに 初候・次候・末候 の3つに分け、1年を72の季節に区切った暦です。1つの候はおよそ 5日間。動植物の変化や気象現象を短い言葉で表します。

項目内容
数72候(二十四節気×3)
1候の長さ約5日間
起源中国・古代(紀元前2世紀頃)
日本独自の改訂江戸時代・渋川春海「貞享暦」、明治の「略本暦」
特徴動植物・気象を詩的な漢語で表現

七十二候の成り立ち ─ 中国から日本へ

中国起源の七十二候

七十二候はもともと中国・前漢時代の暦書に記された自然暦です。中国では黄河流域の気候に基づいて作られたため、「鴻雁来(こうがんきたる)」「虹蔵不見(にじかくれてみえず)」など大陸的な表現が多く見られました。

日本での独自改訂

日本に伝わった七十二候は、日本の風土に合わない候が多いという問題がありました。そこで江戸時代、天文学者・渋川春海が「貞享暦」で日本の気候に合うよう大幅に改訂。さらに明治時代の「略本暦」で現在使われている形に整えられました。

時代暦名特徴
中国古代『逸周書』等黄河流域の気候に準拠
江戸時代貞享暦(渋川春海)日本の風土に合わせて改訂
明治時代略本暦現在使われる七十二候の原型

[!NOTE] 日本版の七十二候には「桜始開」「梅子黄(うめのみきばむ)」など、日本ならではの植物が登場します。中国の原典にはこれらの候は存在しません。


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二十四節気と七十二候の関係

二十四節気が1年を「約15日間隔」で区切るのに対し、七十二候はその3分の1、約5日間隔でさらに細かく季節を捉えます。

階層分割数1区分の長さ例
四季4約90日春・夏・秋・冬
二十四節気24約15日立春、雨水、啓蟄…
七十二候72約5日東風解凍、黄鶯睍睆…

たとえば 立春(2月4日頃)は次のように3候に分かれます。

候期間名称意味
初候2月4日〜8日頃東風解凍(はるかぜこおりをとく)春風が氷を解かし始める
次候2月9日〜13日頃黄鶯睍睆(うぐいすなく)ウグイスが鳴き始める
末候2月14日〜18日頃魚上氷(うおこおりをいずる)魚が氷を割って飛び出す

春の代表的な七十二候

節気候名称意味時期
啓蟄初候蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく)冬ごもりの虫が出てくる3月5日頃
春分初候雀始巣(すずめはじめてすくう)雀が巣を作り始める3月20日頃
清明初候玄鳥至(つばめきたる)ツバメが南から渡ってくる4月5日頃
清明末候虹始見(にじはじめてあらわる)春の虹が見られるようになる4月15日頃
穀雨末候牡丹華(ぼたんはなさく)牡丹の花が咲く4月30日頃

夏の代表的な七十二候

節気候名称意味時期
立夏初候蛙始鳴(かわずはじめてなく)蛙が鳴き始める5月5日頃
小満初候蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)蚕が桑の葉を食べ始める5月21日頃
芒種次候腐草為蛍(くされたるくさほたるとなる)蛍が飛び始める6月11日頃
夏至初候乃東枯(なつかれくさかるる)夏枯草(ウツボグサ)が枯れる6月21日頃
大暑次候土潤溽暑(つちうるおうてむしあつし)大地が蒸し暑くなる7月28日頃

秋の代表的な七十二候

節気候名称意味時期
立秋初候涼風至(すずかぜいたる)涼しい風が吹き始める8月7日頃
白露初候草露白(くさのつゆしろし)草の露が白く光る9月7日頃
秋分次候蟄虫坏戸(むしかくれてとをふさぐ)虫が地中に隠れる9月28日頃
寒露末候蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)キリギリスが戸口で鳴く10月18日頃
霜降初候霜始降(しもはじめてふる)霜が初めて降りる10月23日頃

冬の代表的な七十二候

節気候名称意味時期
立冬初候山茶始開(つばきはじめてひらく)山茶花が咲き始める11月7日頃
小雪初候虹蔵不見(にじかくれてみえず)虹が見えなくなる11月22日頃
大雪次候熊蟄穴(くまあなにこもる)熊が冬眠に入る12月12日頃
冬至末候雪下出麦(ゆきわたりてむぎのびる)雪の下で麦が芽を出す1月1日頃
大寒末候鶏始乳(にわとりはじめてとやにつく)鶏が卵を産み始める1月30日頃

現代生活での七十二候の活用法

七十二候は古い暦と思われがちですが、現代の暮らしにも取り入れることができます。

活用シーン具体的な使い方
旬の食材選び候の名前をヒントに、今まさに旬を迎える食材を選ぶ
自然観察5日ごとの変化を意識して、公園や庭の植物を観察する
手紙・SNS時候の挨拶に七十二候を引用すると教養が伝わる
子どもの教育自然と季節のつながりを学ぶ教材として最適
体調管理候の変わり目は気候の変化が大きく、体調を崩しやすい時期の目安になる

[!TIP] 福カレンダーの「今日の運勢」ページでは、その日がどの七十二候にあたるかも確認できます。毎日チェックして季節感を養いましょう。

旬の食材と七十二候の対応例

候時期旬の食材
蛙始鳴(かわずはじめてなく)5月上旬新茶、そら豆、アスパラガス
腐草為蛍(くされたるくさほたるとなる)6月中旬鮎、枝豆、ビワ
涼風至(すずかぜいたる)8月上旬スイカ、トウモロコシ、桃
霜始降(しもはじめてふる)10月下旬柿、栗、サツマイモ
熊蟄穴(くまあなにこもる)12月中旬大根、白菜、ブリ

よくある質問

Q: 七十二候と二十四節気の違いは? A: 二十四節気は太陽の動きに基づいて1年を24分割(約15日間隔)した暦。七十二候はそれをさらに3分割し、約5日ごとの自然の変化を詩的に表したものです。二十四節気が「季節の骨格」、七十二候が「季節の肌理(きめ)」と考えるとわかりやすいでしょう。
Q: 七十二候は中国と日本で違うのですか? A: はい、大きく異なります。中国の七十二候は黄河流域の気候に基づいていますが、日本版は江戸時代に渋川春海が日本の風土に合わせて改訂し、明治時代にさらに整えられました。「桜始開」「梅子黄」など日本固有の候も多数あります。
Q: 七十二候の日付は毎年同じですか? A: おおむね同じですが、太陽の動きに基づくため1〜2日のズレが生じることがあります。うるう年の影響もあり、年によって微妙に変動します。
Q: 七十二候は実際の自然現象と合っていますか? A: 地域によって差がありますが、日本の平均的な気候とはおおむね合致します。温暖化の影響で、一部の候は実際の自然現象より1〜2週間早くなっていることもあります。
Q: 日常生活で七十二候をどう活かせますか? A: 旬の食材選び、自然観察のきっかけ、手紙の時候の挨拶などに活かせます。5日ごとに「今はどの候か」を意識するだけで、季節の感じ方が格段に豊かになります。

まとめ

七十二候は、5日ごとの自然の変化を言葉で捉えた、日本ならではの精密な季節暦です。

ポイント内容
七十二候とは二十四節気を3分割した約5日ごとの自然暦
成り立ち中国起源→江戸時代に日本独自の改訂
特徴動植物・気象を詩的な漢語で表現
現代の活用旬の食材、自然観察、時候の挨拶に

自然の変化に目を凝らし、5日ごとの季節の移ろいを感じてみませんか。


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📚参考文献・出典

  1. 年中行事 (Wikipedia 日本語版)— Wikipedia(参照: 2026-05-16)
  2. 文化財オンライン (文化庁)— 文化庁(参照: 2026-05-16)
  3. 日本の暦 -国立国会図書館-— 国立国会図書館(参照: 2026-05-16)

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野分 蓮干支と暦の研究家

  • 十干十二支
  • 二十四節気
  • 自然暦

十干十二支・二十四節気・自然と暦の関わりを、歴史と科学の両面から掘り下げる研究家肌の編集者。古文書の記述と現代の気象データを突き合わせるような、知的好奇心を刺激する考察記事を得意とする。

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この記事について

本記事は一般的な暦の知識や伝統的な解釈に基づいています。 占いの結果を保証するものではありません。最終的な判断はご自身でお願いします。

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  1. 1.七十二候の基本
  2. 2.七十二候の成り立ち ─ 中国から日本へ
  3. 3.二十四節気と七十二候の関係
  4. 4.春の代表的な七十二候
  5. 5.夏の代表的な七十二候
  6. 6.秋の代表的な七十二候
  7. 7.冬の代表的な七十二候
  8. 8.現代生活での七十二候の活用法
  9. 9.よくある質問
  10. 10.まとめ

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