時代祭×鞍馬の火祭 2026年10月22日 ─ 昼と夜で京都二大祭が重なる日、友引×己巳の日×大明日を歩く

この記事でわかること
2026年10月22日(木)は、昼に平安神宮の時代祭、夜に由岐神社の鞍馬の火祭が同じ日に行われる京都の特別な一日。暦は友引で、60日に一度の己巳の日と大明日が重なる。翌10月23日は霜降と十三夜。行列の時刻、移動の組み立て方、暦の読み方を旅河楓が案内します。
目次
正午、京都御所の建礼門前。先導の笛と太鼓が鳴ると、明治維新の志士の装束をまとった隊列が、秋の日差しの中へゆっくりと歩き出す。それから六時間後、市街から北へ十数キロ離れた鞍馬の山里では、「神事にまいらっしゃれ」の声を合図に、家々の前の篝火へ一斉に火が入る。
毎年10月22日、京都では昼と夜に性格のまったく違う二つの祭が行われます。時代祭と鞍馬の火祭です。どちらも日付が固定の祭なので、曜日や暦の並びは年ごとに変わります。2026年の10月22日は木曜日で、暦の上では友引。さらに60日に一度めぐる己巳の日と、暦注の大明日が重なります。
福カレンダー編集部で地域の祭事を担当する旅河楓です。この記事では、二つの祭の成り立ちと当日の時刻、一日で両方を訪ねるときの動き方、そしてこの日の暦の読み方を、順を追って紹介します。
2026年10月22日の暦 ─ 友引・己巳の日・大明日が重なる木曜日
まずは当日とその前後の暦を確認しておきましょう。以下は福カレンダーの暦マスター(国立天文台の暦要項に基づくデータ)から引いた値です。
| 日付 | 曜日 | 六曜 | 日干支 | 吉日・凶日 | 京都の行事 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2026/10/21 | 水 | 先勝 | 戊辰 | ─ | 時代祭 前日祭 |
| 2026/10/22 | 木 | 友引 | 己巳 | 己巳の日・大明日 | 時代祭 行列/鞍馬の火祭 |
| 2026/10/23 | 金 | 先負 | 庚午 | 一粒万倍日・大明日/三隣亡 | 霜降・十三夜・時代祭 後日祭 |
表から読み取れるのは次の三点です。
- 己巳の日:十干の「己(つちのと)」と十二支の「巳」が重なる日で、六十干支の周期のとおり60日に一度しか来ません。弁財天の縁日とされ、財運・芸事の祈願日として知られています。2026年は8/23の次がこの10/22で、その次は12/21です。
- 大明日:天と地の道が開き、陽の光があまねく届くとされる吉日です。旅立ちや移動、建築などに良いとされ、祭見物で京都を歩き回るこの日に重なるのは気持ちの良い巡り合わせです。
- 友引:六曜では一般に、朝夕は吉、正午前後は凶とされます。
己巳の日の意味をもっと知りたい方は、己巳の日の開運ガイドに詳しくまとめています。大明日については大明日の解説、友引の時間帯の考え方は友引の解説をどうぞ。
友引の「正午前後は凶」は、時代行列の出発時刻とちょうど重なります。とはいえ六曜は本来、勝負事や冠婚葬祭の日取りの目安として使われてきたもので、祭の見物を避ける理由にはなりません。私はむしろ、「夕方は吉」という言い伝えのほうに目を向けたいと思います。鞍馬で火が入るのは午後6時。友引の吉とされる時間帯に、山の祭が始まるわけです。
昼の時代祭 ─ 平安京の千年を2時間で歩く行列
時代祭は、平安神宮の例祭です。平安神宮は、平安遷都から1100年目にあたる明治28年(1895年)に、平安京を開いた桓武天皇を祭神として創建されました。そして遷都の日とされる10月22日に、都の歴史をたどる行列を出したのが時代祭の始まりです。葵祭・祇園祭と並んで京都三大祭に数えられています。
行列の見どころは、時代をさかのぼる順に進むことです。先頭は明治維新の維新勤王隊列、そこから江戸、安土桃山、室町、鎌倉、藤原と時代を戻っていき、最後尾に延暦時代の文官参朝列、さらに神幸列が続きます。全部で20の列に約2000人が参加し、衣装や道具は時代考証に基づいて作られています。
明治28(1895)年、平安遷都から1100年目を記念して桓武天皇を祭神として平安神宮が造営され……毎年遷都の日である10月22日に時代風俗行列が行われるようになり、これが時代祭となりました。 ─ 京都観光Navi「時代祭」
京都観光Naviによると、当日の流れは次のとおりです。
- 午前7時:平安神宮で神幸祭
- 午前9時:御鳳輦(ごほうれん)が平安神宮を出発し、京都御所の行在所へ
- 正午:時代風俗行列が京都御所の建礼門前を出発
- 午後2時30分ごろ:行列の先頭が平安神宮に到着
コースは建礼門前から堺町御門、烏丸丸太町、烏丸御池、河原町御池、河原町三条、三条大橋、三条神宮道を経て平安神宮まで、約4.6キロ。全部の列が通り過ぎるまで2時間余りかかります。有料観覧席は京都御苑、御池通、平安神宮参道に設けられるのが例年の形です。雨天の場合は順延されることがあるため、前日と当日の朝に公式の案内を確認してください。
京都三大祭をすべて訪ねてみたい方は、5月の葵祭2026、7月の祇園祭2026の記事もあわせてどうぞ。三つの祭を並べると、平安の雅(葵祭)、町衆の祈り(祇園祭)、近代京都の歴史観(時代祭)と、それぞれ違う京都が見えてきます。
夜の鞍馬の火祭 ─ 由岐神社の松明が山里を焦がす
鞍馬の火祭は、鞍馬寺の境内に鎮座する由岐神社の例祭です。社伝によると、由岐神社は天慶3年(940年)、都の北の守りとして御所から鞍馬へ遷されました。その際、道々に篝火を焚いて神霊を迎えた村人の行列が、火祭の起こりと伝わります。今宮神社のやすらい祭などとともに京都三大奇祭の一つに数えられます。
当日の流れはおおむね次のとおりです。
- 午後6時ごろ:「神事にまいらっしゃれ」の触れを合図に、家々の前の篝火に火が入る
- 幼児の小さな松明から、少年、青年の大松明へと順に点火。「サイレイ、サイリョウ(祭礼、祭料)」の掛け声とともに集落を練り歩く
- 午後8時ごろ:百数十本の松明が鞍馬寺山門前に集まり、注連縄が切られると、石段の下で松明が焼き尽くされる
- 若者たちが石段を駆け上がり、八所大明神と由岐大明神の二基の神輿を迎える
- 神輿は参道を下って集落を巡り、午前0時ごろに御旅所へ納まって祭が終わる
大きな松明は重さ100キロ近くになるとも言われ、男たちが肩に担いで狭い街道を進みます。杉の燃える匂いと、火の粉が闇に吸い込まれていく光景は、昼の時代祭とはまったく別の京都です。
5月のウエサク祭で鞍馬寺を訪ねた回は鞍馬寺2026の記事にまとめました。昼の鞍馬の静けさを知っていると、火祭の夜の熱気がよりいっそう印象に残ります。
観覧の注意点
- 鞍馬の集落は道が狭く、例年たいへん混み合います。叡山電車は臨時便が出ますが、帰りの駅は長い行列になることが多いです。
- 午後から周辺道路では車両の通行規制が敷かれます。車での来訪は避け、電車で向かうのが基本です。
- 見物の場所は警備の誘導に従い、松明の進路をふさがないようにしましょう。火の粉が飛ぶので、化学繊維の服より綿やウールの上着が安心です。
- 山里の夜は冷え込みます。翌日が霜降であることを思い出して、防寒着を一枚持っていきましょう。
一日で両方を訪ねるなら ─ モデルプランと翌日の霜降・十三夜
時代祭の行列は午後2時30分ごろに平安神宮へ到着し、鞍馬の火祭は午後6時に始まります。この間の3時間半を使えば、両方を一日で見ることは十分に可能です。
| 時間 | 行動 | ポイント |
|---|---|---|
| 11:30ごろ | 京都御苑または御池通で場所を確保 | 行列の前半(明治〜江戸)を間近に見る |
| 12:00〜13:30 | 行列を見物 | 己巳の日にちなみ、午前中に弁財天へ参拝するのも一案 |
| 14:00ごろ | 出町柳駅へ移動 | 叡山電車の鞍馬線に乗る。早めの移動が肝心 |
| 15:00〜17:30 | 鞍馬寺・由岐神社に参拝し、集落で待つ | 日が暮れる前に由岐神社の大杉にあいさつを |
| 18:00〜 | 篝火の点火から松明の行列 | 帰りの電車の混雑を考え、帰る時刻をあらかじめ決めておく |
行列を最後まで見たい方は、平安神宮側で到着を待ってから移動すると、鞍馬へ着くのは点火の直前になります。どちらの祭に重きを置くかで、午後の動き方を決めておくと慌てずに済みます。
翌10月23日(金)は二十四節気の霜降で、国立天文台の暦要項によると霜降の時刻は18時38分です。この日は旧暦9月13日にあたり、十三夜(後の月)のお月見の夜でもあります。二日目も京都に残るなら、平安神宮では時代祭の後日祭が行われ、夜には澄んだ秋の月を楽しめます。ただし10/23は一粒万倍日・大明日である一方、建築関係では避けられる三隣亡にもあたります。十三夜の楽しみ方は十五夜と十三夜の解説、霜降の季節の過ごし方は霜降の解説をどうぞ。
京都の社寺を暦に合わせて歩く計画を立てるなら、京都のパワースポットと吉日2026や、京都最強の開運スポット2026も参考になります。
旅河楓の取材メモ ─ 同じ日に二つの「時間」を歩く
時代祭と鞍馬の火祭は、どちらも10月22日という同じ日付を持ちながら、性格は正反対です。時代祭は、明治の京都の人々が「千年の都」の歴史をまとめ直して、近代の都市に向けて見せた祭です。一方の鞍馬の火祭は、およそ千年前に神霊を迎えた夜の記憶を、山里の人々が自分の手と火で毎年繰り返してきた祭です。
昼は大路で歴史を眺め、夜は山里で祈りの熱に触れる。同じ一日のうちにこの二つを体験すると、京都という街が、見せる歴史と生きている信仰の両方を抱えていることがよくわかります。
2026年のこの日は、財運の己巳の日と、旅立ちに良い大明日が重なります。暦は背中を押してくれるきっかけに過ぎませんが、祭の日取りと暦の巡り合わせがそろう年は、そう多くありません。福カレンダーの暦を片手に、秋の京都を一日かけて歩いてみてください。
参考
参考文献・出典
- 文化財オンライン (文化庁)— 文化庁(参照: 2026-05-16)
- 神社本庁 公式サイト— 神社本庁(参照: 2026-05-16)
- 観光庁— 国土交通省 観光庁(参照: 2026-05-16)
2026年の暦カレンダー
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旅河 楓旅と祈りの編集者
- パワースポット
- 神社仏閣
- 地域の祭事
全国の神社仏閣・パワースポットを自分の足で歩き、土地の歴史と信仰を紐解く旅する編集者。地元の方への取材を大切にし、ガイドブックには載らない「祈りの風景」を伝える記事が読者に支持されている。
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本記事は一般的な暦の知識や伝統的な解釈に基づいています。 占いの結果を保証するものではありません。最終的な判断はご自身でお願いします。
免責事項を読む →福カレンダーでは、暦に関するコンテンツを正確かつ分かりやすくお届けするよう努めています。
編集方針について →参考情報:暦注・民俗資料、公的機関の暦情報を参考に編集部が整理しています。
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