切り絵御朱印2026 ─ 鉄道神社コラボと季節限定が広げる、御朱印帳に挟む"アート参拝"の新潮流

目次
御朱印帳をひらくと、近年、紙の手触りが明らかに変わったページが混じるようになった。社殿の屋根や桜の花弁、龍の鱗のひとつひとつが、レーザーで繊細に抜かれている。透かしの向こうに次の頁の朱印が見え、光をかざせば机に影絵が落ちる。 切り絵御朱印 ──ここ数年で参拝の景色を変えた、いまもっとも勢いのある御朱印の一形態である。
2026年、福カレンダー編集部の旅河楓は、関東を中心に切り絵御朱印を授与する寺社を歩きなおした。 浅草神社×JR東海 の鉄道コラボ、 靖國神社 の四季切り絵朱印、 田無神社 の五龍 ── どれも単なる「アート御朱印」ではなく、その寺社の信仰と意匠が一枚の紙に凝縮されていた。発祥から十年余、切り絵御朱印は「映える参拝記念」から「現代の祈りの形」へと、確かに一段深く根を下ろしつつある。2026年の暦で授与日を選ぶ視点も含め、ここに一本のガイドをまとめておきたい。
切り絵御朱印とは ─ 龍泉寺発祥、2020年前後に広がったブーム
切り絵御朱印の発祥は、埼玉県熊谷市の 「埼玉厄除け開運大師・龍泉寺」 とされる。もともとは檀家向けの記念品だった切り絵の意匠を、五年ほど前にリニューアルし参拝者向けに頒布したところ、その繊細さが一躍話題となり、全国の寺社が追随した(るるぶ&more.「熊谷開運旅レポ」、PR TIMES「埼玉厄除け開運大師 切り絵御朱印」)。「日本初の透明切り絵御朱印」「重ね切り絵御朱印」など意匠の進化も龍泉寺発である。
技術的には、 レーザー加工機 で和紙や厚手紙を一枚一枚透かし彫りする工程が中心になる。家紋や社紋、季節の花、神獣、神社の象徴(社殿・鳥居・絵馬)などが、一見すると印刷とは見分けがつかないほどの精緻さで切り抜かれている。台紙には金箔・銀箔押しや手彩色を併せるものもあり、限定数頒布が基本のため、頒布開始日には授与所に列ができる寺社も少なくない。
価格相場は、シンプルな単層タイプで 1,000〜1,500円 、台紙と上層を合わせる「重ね切り絵」や箔押しを併せた特殊版で 2,000〜3,000円 。初穂料は寺社ごとに差があるため、各社公式サイトで頒布開始時に確認したい。
浅草神社×JR東海 ─ 鉄道コラボが広げる「春詣・夏詣」の切り絵
切り絵御朱印の2020年代後半を象徴するのが、 JR東海と寺社のコラボレーション である。なかでも東京・浅草の 浅草神社(三社様) とJR東海の協業は、 春の切り絵御朱印 (2026年は3月28日、JR東海エクスプレス予約・EX会員サービス開始日に合わせて頒布開始)と、 夏詣限定重ね切り切り絵御朱印 という形で、季節ごとに姿を変えている(浅草神社公式サイト)。授与方法は、エクスプレス予約利用者が浅草文化観光センター1階で引換券を交換し、浅草神社の授与所で実物を受け取る二段構えになっている。
浅草神社は、夏詣以外にも 「秋分の節句切り絵御朱印」「新嘗祭切り絵御朱印」「さくら詣切り絵御朱印」 など、二十四節気・年中行事に合わせた限定切り絵を継続して頒布しており、年間を通じて訪れる楽しみが多い社のひとつだ。福カレンダーの暦データで2026年の夏詣シーズンを見ると、 6月30日(火・友引) が夏越の祓、 7月7日(火・先負・小暑・一粒万倍日・大明日) が七夕にあたる。夏詣は例年6月30日から7月15日前後の頒布が多く、夏至(6月21日)以降の参拝計画と組み合わせると、暦の節目と切り絵の意匠が重なる一週間になる。
季節限定切り絵 ─ 浅草神社・靖國神社・田無神社の四季
切り絵御朱印のもう一つの主流が、 季節限定の意匠 である。
東京・千代田区の 靖國神社 は、 「季節限定切絵朱印」 を年に複数回頒布する(靖國神社公式案内)。春の桜、夏の蝉と打ち水、秋の銀杏、冬の冠雪──境内の四季をそのまま切り抜いたような意匠が並ぶ。問い合わせ先は社務所祭儀課(03-3261-8326)。頒布日と授与時間は不定期更新となるため、参拝前に公式新着情報を確認しておきたい。
東京・西東京市の 田無神社 は、地元在住の切り絵作家・小出蒐氏のデザインによる 五龍切り絵御朱印 を通年頒布する。白黒・カラーの2種類があり、初穂料は1,500円。ご神木である銀杏に合わせ、 9月1日から11月30日 の3か月間は 銀杏の葉をモチーフにした秋限定切り絵御朱印 が加わる(田無神社公式案内)。境内の五龍信仰(金龍・青龍・赤龍・白龍・黒龍)が一枚に集まる意匠は、田無神社でしか手にできない。
新宿・歌舞伎町近くの 花園神社 は、 2021年の酉の市 で初めて切り絵御朱印を頒布したのを契機に、現在は通年で授与している。社殿と桜、花園神社・雷電神社・大鳥神社の三社の社紋が精密に切り取られ、初穂料は1,000円。酉の市の前後は授与所が混雑するため、平日の参拝が落ち着いて受けやすい。
埼玉県熊谷市の 龍泉寺 (切り絵御朱印発祥の寺)は、 3か月ごとにデザインが変わる限定切り絵御朱印 を継続して頒布しており、2024年夏には重ね切り絵「金魚」、冬には「雪の便り」「冬星の輝き」など、季節と縁起の重なるシリーズが続いている。
地方からも紹介しておきたい。青森県つがる市の 髙山稲荷神社 は、神苑に咲く八重桜と千本鳥居をモチーフにした 春季限定切り絵御朱印 を例年4月後半から頒布する。京都の 錦天満宮 は、2026年の干支である 馬 をあしらった切り絵御朱印を授与中。石川県小松市の 莵橋(うはし)神社 には、繊細な切り絵が施された 「むすびうさぎ」 がある。東京・荒川区の 延命院 は、四季折々のデザインを毎月更新するコレクター向けの寺として知られる(切り絵御朱印.com やことりっぷ「切り絵御朱印がいただける東京の寺社7選」に各社情報が随時更新されている)。
暦と切り絵御朱印 ─ 2026年の最強授与日
切り絵御朱印は数量限定が多く、頒布初日に列ができる社も少なくない。せっかく並ぶなら、暦の追い風を受けた一日を選びたい。
福カレンダーの暦データから、2026年5月〜7月で 吉日と週末・祝日が重なる日 をいくつか挙げておく。
2026年の暦カレンダー

旅河 楓旅と祈りの編集者
全国の神社仏閣・パワースポットを自分の足で歩き、土地の歴史と信仰を紐解く旅する編集者。地元の方への取材を大切にし、ガイドブックには載らない「祈りの風景」を伝える記事が読者に支持されている。
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本記事は一般的な暦の知識や伝統的な解釈に基づいています。 占いの結果を保証するものではありません。最終的な判断はご自身でお願いします。
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