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七十二候 竹笋生 2026 ─ 5月15〜20日、立夏末候に並ぶ寅の日・新月×一粒万倍日・天赦日「大地を裂く」6日間

野分 蓮干支と暦の研究家·2026.06.12 更新·約15分
七十二候 竹笋生 2026 ─ 5月15〜20日、立夏末候に並ぶ寅の日・新月×一粒万倍日・天赦日「大地を裂く」6日間

この記事でわかること

立夏末候「竹笋生(たけのこしょうず)」は2026年5月15〜20日。寅の日・新月×一粒万倍日連続・大明日・巳の日・天赦日と6日間に6つの吉日が並ぶ稀な配置を、暦と植物学の両面から読み解きます。

目次
  1. 1.竹笋生 ─ 「たけのこ・しょうず」と読む立夏の締めくくり
  2. 2.2026年5月15〜20日の暦データ ─ 6日間に並ぶ6つの吉日
  3. 3.竹はなぜ「1日1メートル」伸びるのか ─ 末候を支える植物科学
  4. 4.中国版「王瓜生」と日本版「竹笋生」 ─ 暦の翻案史
  5. 5.竹笋生の暮らし ─ 筍料理・葵祭・5/20天赦日への助走
  6. 6.編集部の暦メモ ─ 蓮の節気観察ノート

立夏のひかりが日ごとに強さを増す五月中旬、暦は立夏の最後の段──「末候」へと足を進めます。2026年5月15日(金)から20日(水)までの6日間が、七十二候の第二十一候「竹笋生(たけのこしょうず)」です。冬の間、地中に眠っていた竹の地下茎から、ようやく筍(たけのこ)が地表を割って伸び始める頃。立夏の「下から上へ」立ち上がる生命の三段活用 ── 蛙が田で鳴き、ミミズが土を耕し、最後に筍が大地を裂く ── その締めくくりにあたります。

そして2026年のこの6日間は、暦の上で異例の吉日密度を見せます。5月16日の寅の日に始まり、5月17〜18日の連続「新月×一粒万倍日」(18日はさらに大安×大明日が重なる)、5月19日の「巳の日」、そして5月20日の「天赦日×甲午」── 6日のうち5日に吉日が並ぶという稀な配置です。私(野分蓮)は福カレンダー編集部で二十四節気・七十二候を担当しながら、この6日間こそ「立夏が最も活動的になる助走路」だと感じています。今回は竹の植物科学と、5月後半の暦配置の両面から、竹笋生という三文字を読み解いていきます。

竹笋生 ─ 「たけのこ・しょうず」と読む立夏の締めくくり

「竹笋生」は たけのこしょうず と読みます。「たけ・の・こ」を一語として読み、続けて「しょうず」(生ず)と接続するのがこの候の正しい読み方です。「笋」は本来「筍」と同字で、若い竹の芽を指す漢字。漢音では「シュン」、訓では「たけのこ」と読みます。

七十二候とは、二十四節気をさらに3つに分けた約5日ごとの暦区分で、季節の微細な移ろいを動植物・気象現象の名で記したもの。立夏の三候は、いずれも地中から地上へ立ち上がる生命の動きを主題にしています。蛙が水辺で声を上げ、ミミズが土を耕し、最後に筍が大地を裂く ── 古人は「下から上へ」というベクトルで立夏の生命誌を記録しました。

候読み期間主題
立夏初候・第十九候 蛙始鳴かわずはじめてなく5/5〜5/9田のカエルが鳴き始める
立夏次候・第二十候 蚯蚓出みみずいずる5/10〜5/14ミミズが地表に這い出る
立夏末候・第二十一候 竹笋生たけのこしょうず5/15〜5/20筍が地面を裂いて伸びる

蛙が「鳴く」、ミミズが「出る」、そして筍が「生ず」── 立夏の三候を貫くキーワードは、「地中から地上へ」の動詞群です。三段の最後に置かれた「生ず」は、地中での準備期間が長い分、地表に現れた瞬間の勢いが最も強い候とされています。前候・蛙始鳴(立夏初候)については七十二候 蛙始鳴 2026で田の畔の声から読み解いています。

2026年5月15〜20日の暦データ ─ 6日間に並ぶ6つの吉日

福カレンダーの暦計算(国立天文台 暦象年表に基づく)によれば、2026年の竹笋生6日間は次の配置になります。

日付曜日六曜吉日月相日干支出来事
5月15日金先勝─晦己丑京都・葵祭
5月16日土友引寅の日晦庚寅─
5月17日日仏滅一粒万倍日新月辛卯─
5月18日月大安一粒万倍日・大明日新月壬辰─
5月19日火赤口巳の日繊月癸巳─
5月20日水先勝天赦日繊月甲午─

データを並べると、この6日間がいかに稀な暦配置かが見えてきます。

  1. 5月15日(金)は京都・葵祭。賀茂神社(上賀茂・下鴨)の例祭で、平安朝の装束で行われる路頭の儀が御所から下鴨を経て上賀茂まで巡行します。竹笋生の入りと京都最古の祭礼が重なる暦です。
  2. 5月16日(土)は寅の日。寅の日は虎が「千里行って千里還る」とされ、出ていったお金が戻ってくる金運の日。新財布の使い始めや投資の起点に好まれます。週末の寅の日は年内でも限られており、家族で財布を新調するなら理想的な巡り合わせです。
  3. 5月17日(日)〜5月18日(月)は連続「一粒万倍日×新月」。新月の願掛けと一粒万倍日の「種まき」が二日間重なる、年内でも数えるほどしかない強力な配置です。しかも18日は大安に加えて、万事に明るく吉とされる大明日まで重なります。
  4. 5月19日(火)は巳の日。巳の日は弁財天の縁日で金運・財運に縁の深い日とされます。週中の落ち着いた平日に巡るため、「お金を動かす平日」として候補に挙がります。
  5. 5月20日(水)は天赦日×甲午。天赦日は2026年に6日しかない最強開運日のひとつ。甲午(きのえうま)の日干支は丙午年と呼応し、午年最強級の開運配置を作ります。
  6. 月相は「晦」から「新月」を経て「繊月」へ。竹笋生6日間のちょうど中央で月が新たに生まれ変わります。新月の願いを込め、月が満ちていくにつれて行動を起こすサイクルが、ちょうど末候の真ん中で始まる暦的タイミングです。

天赦日は天が万物の罪を赦す最上の吉日にして、何ごとを為すにも障りなし。

─ 江戸期暦注の通解より(暦注解説書に共通する記述)

6日のうち5日に吉日が並び、しかも週末(5/16)と週中の天赦日(5/20)の双方が含まれる ── 立夏末候の2026年は、年内屈指の「動ける6日間」になります。

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竹はなぜ「1日1メートル」伸びるのか ─ 末候を支える植物科学

民俗的解釈だけでは、この候の本当の凄みは見えてきません。なぜ立夏の末頃に筍が地表を割って伸びるのかを、植物学の側から整理しておきましょう。

竹(イネ科タケ亜科 Bambusoideae)は、地下に張り巡らせた地下茎(根茎・走り茎)から年に一度、新たな芽として筍を出します。日本で最も身近なモウソウチク(孟宗竹、Phyllostachys edulis)の場合、筍は地表に出る前から内部に節(ふし)の数を完成させた状態で地中に存在しています。地表に出てから「節を作る」のではなく、既にある節を一気に伸長させる方式で成長するのです。

この特殊な構造のおかげで、竹は植物界でもまれに見る成長速度を達成します。

  • モウソウチクの最大成長記録: 1日に 約1メートル前後(戦後の植物学的観察に複数の報告例。実用書・教育書でしばしば「世界最速の植物」のひとつとして引かれる)
  • 一般的な平均成長: 1日 30〜60 cm
  • 親竹の高さ(最大15〜20m)に達するまで: わずか 30〜60 日

筍が地表を割るタイミングは、地温と土壌水分の二つで決まります。地下茎周辺の地温が15℃を超え、土壌水分が一定以上に達すると、筍の生長点が一気に動き出す。日本列島では、これがちょうど立夏の終わりから小満にかけての時期に重なります。

月モウソウチクの動き暦上の対応
4月上旬地下で筍が肥大開始清明〜穀雨
4月下旬〜5月上旬地表に出る前段階立夏初候・蛙始鳴
5月中旬〜下旬地表を割って一斉に伸長立夏末候・竹笋生
6月以降親竹サイズに到達、皮が剥げる小満〜芒種

竹の生長は植物界の例外である。一年生草本のように一夏で発育を終えるが、本体は多年生の木質化した茎を残し、地下茎を介して長く生き続ける。

─ 竹研究の通史的記述より(京都大学農学部における竹生長観察の趣旨を要約)

筍が「地面を裂く」という日本語の表現は、植物学的にも事実です。地下茎の末端で形成された筍は、内部に蓄えた糖分とアミノ酸を急速に節間細胞へ送り込み、わずか数日で硬い土塊やときにアスファルトをも持ち上げる。竹笋生という三文字は、観察に基づく植物現象の暦的記述だったわけです。

中国版「王瓜生」と日本版「竹笋生」 ─ 暦の翻案史

もう一つ触れておきたいのが、この候の暦史上の特殊性です。

現在の日本の七十二候は、1874年(明治7年)に頒布された『略本暦』に掲載された七十二候を基にしています。それ以前、平安〜江戸時代まで使われてきた『宣明暦(せんみょうれき)』は、唐代の中国暦をそのまま輸入したもので、七十二候の名称も中国版が用いられていました。

しかし中国の七十二候には、日本の風土と合わない名前が多数含まれていました。立夏末候の中国版は「王瓜生(おうかしょうず)」── 王瓜とはカラスウリの一種で、中国華北の野山に自生する蔓性植物の若芽が伸び始める頃を指します。日本ではカラスウリは観察対象として一般的ではなく、立夏末候の主役にはなりにくい植物でした。

江戸時代の暦学者・渋川春海(しぶかわ はるみ) は、貞享暦の編纂(1684年)に際して七十二候を日本の風土に合わせて起草しました。彼は中国版を一律に置き換えるのではなく、季節の主役として日本人がより身近に感じる動植物を選び直しています。立夏末候については、王瓜の代わりに**当時の日本人が初夏の食卓と寺院料理で必ず目にしていた「筍」**が選ばれました。

候の名中国(宣明暦)日本(略本暦)主役の差し替え
立夏初候螻蟈鳴(ケラが鳴く)蛙始鳴虫→蛙
立夏次候蚯蚓出蚯蚓出一致(変更なし)
立夏末候王瓜生(カラスウリ)竹笋生(筍)植物の差し替え

立夏の三候のうち、中国版と完全一致するのは中央の「蚯蚓出」のみ。両端の「蛙始鳴」と「竹笋生」は、いずれも日本の風土に合わせて主役を入れ替えた候です。明治の略本暦はその江戸期の改訂を引き継ぎ、現在の七十二候として確定させました。

立夏末候の名前ひとつから、日本の暦が中国暦の単なる翻訳から独自の観察体系へと脱皮した過程が見えてきます。私が竹笋生を「暦史上の節目候」と呼ぶ理由はここにあります。

竹笋生の暮らし ─ 筍料理・葵祭・5/20天赦日への助走

最後に、この6日間の暮らしの暦をまとめておきます。福カレンダー編集部では、節気と暮らしを地続きに語ることを大切にしています。

この時期の旬の食材

  • 筍(孟宗竹は4月、淡竹・真竹は5月中旬〜6月)
  • 新茶(八十八夜後の摘み立て、二番茶へ)
  • 鯵(あじ)・初鰹
  • えんどう豆・絹さや・グリーンピース

筍を主役にした立夏の食卓は、茶道では**「初夏の主菜」**として懐石に供える習慣があり、京都の精進料理では筍の頭の部分(「姫皮」)を椀物にする作法が今も残ります。家庭の食卓でも筍ご飯・若竹煮・木の芽和え ── 5月の食卓は筍を中心に組み立てられてきました。

この時期の季語と歳時記

  • 筍(たけのこ)── 5月の代表的な季語
  • 竹の秋(たけのあき)── 親竹が栄養を筍に送るため葉を黄ばませる現象
  • 走り梅雨 ── 本格的な梅雨入り前の雨

「竹の秋」という季語は、暦と歳時記が植物の生理を正確に捉えた優れた観察の言葉です。筍が育つ5月、親竹は地下茎を通じて筍に栄養を送り続けるため、葉が黄色く色づきます。秋ではないのに「秋」と詠む ── 詩的な逆説の裏に、しっかりとした植物観察の眼差しがあります。

過ごし方の暦的アドバイス

  1. 5月15日(金・葵祭): 京都に行ける方は葵祭の路頭の儀観覧へ。先勝の日なので、午前中の観覧が暦学的にも吉。京都に行けなくても、自宅で葵(フタバアオイ)の葉を飾るだけで初夏の祭礼の気を呼び込めます。
  2. 5月16日(土・寅の日): 週末の寅の日。新財布の使い始めや投資の起点に。詳細は寅の日カレンダー2026年5月へ。
  3. 5月17日(日)〜5月18日(月): 連続「一粒万倍日×新月」。新しい習慣・学び・植え付け・種苗の購入に最適。月曜は大安・大明日とも重なり、契約の起点としても理想的です。詳しい活用法は新月×一粒万倍日の連続開運日で。
  4. 5月19日(火・巳の日): 弁財天の縁日。金運・芸事・知性に縁を結ぶ参拝日。神社仏閣の弁天堂や銭洗い系の社で、財布を清めるのに向く一日です。
  5. 5月20日(水・天赦日×甲午): 2026年5月の最強開運日。重要な決断・契約・スタートに。具体的な使い方は天赦日2026年5月20日で詳しく解説しています。
  6. 次の節気「小満」は5月21日(木): 立夏の次の二十四節気で、麦が実り万物が満ち始める頃。詳細は小満2026へ。

家庭菜園や竹林散策が好きな方なら、この6日間に近くの竹林を訪ねてみるのがおすすめです。京都・洛西の嵯峨野、千葉・成田周辺の竹林、東京・国分寺の真姿の池近辺など、各地で筍が一斉に伸び始める姿を観察できます。1日に何センチ伸びたかをメジャーで測ると、竹笋生という暦の言葉が「観察記録」へと姿を変える体験になります。

5月の暦全体の節目は2026年5月の暦カレンダーに、ひと月18の節目として一覧化しています。

編集部の暦メモ ─ 蓮の節気観察ノート

私(野分蓮)が学生時代、京都・洛西の竹林を歩きながら竹について書かれた古典的な研究書を読み返す習慣がありました。竹研究の系譜には、たとえばこんな主旨の記述があります。

竹は、植物の常識から外れた生き物である。地下に何十年も生き続け、地表に伸びるのは一夏。にもかかわらず、その一夏で親竹のサイズに達する。竹の暦は、人間の時間感覚とは別のものさしで動いている。

竹笋生という三文字は、この**「別のものさし」を持った生き物**を、わずか5日間の枠で立夏の暦に収めた古人の観察眼の結晶です。地下茎の年月、地上の数日 ── 二つの時間が同時に走る現象を、一語で言い切った感覚に背筋がのびます。

そして2026年の立夏末候は、竹の生長速度に呼応するかのように、暦の側でも吉日が一気に押し寄せます。寅の日・新月×一粒万倍日連続・大安×大明日・巳の日・天赦日 ── 6日間で6つの吉日が並ぶ密度は、暦の記録上もきわめて稀な配置です。竹が地中の準備を一気に解き放つ時期と、暦が「動いて良い」と告げる時期が同期しているのは、決して偶然ではないのかもしれません。

立夏の三候 ── 蛙始鳴・蚯蚓出・竹笋生は、いずれも地中から地上への「立ち上がり」を主題にした候でした。次の節気は5月21日(木)の小満。麦の穂が実り、万物が満ち始める「育つ」候の段に入ります。立夏の「立ち上がる」生命と、小満の「育つ」生命 ── 季節の暦が描く生長の物語を、ぜひ続けて味わってみてください。

土の暦から育つ暦へ。福カレンダーは今年も、その手渡しの瞬間を丁寧に追い続けます。


参考・出典

  • 国立天文台「暦象年表」 https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/
  • 七十二候 - Wikipedia 日本語版
  • 渋川春海 - Wikipedia 日本語版
  • 孟宗竹 (Phyllostachys edulis) - Wikipedia 日本語版
  • 暦生活「立夏末候 竹笋生(たけのこしょうず)」 https://www.543life.com/72seasons/takenokoshouzu.html
  • 株式会社ツムラ「竹笋生(たけのこしょうず):七十二候」 https://www.tsumura.co.jp/japanese-tradition/season/72takenoko.html

📚参考文献・出典

  1. 二十四節気 (Wikipedia 日本語版)— Wikipedia(参照: 2026-05-16)
  2. 暦計算室— 国立天文台 暦計算室(参照: 2026-05-16)
  3. 日本の暦 -国立国会図書館-— 国立国会図書館(参照: 2026-05-16)

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野分 蓮干支と暦の研究家

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十干十二支・二十四節気・自然と暦の関わりを、歴史と科学の両面から掘り下げる研究家肌の編集者。古文書の記述と現代の気象データを突き合わせるような、知的好奇心を刺激する考察記事を得意とする。

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  1. 1.竹笋生 ─ 「たけのこ・しょうず」と読む立夏の締めくくり
  2. 2.2026年5月15〜20日の暦データ ─ 6日間に並ぶ6つの吉日
  3. 3.竹はなぜ「1日1メートル」伸びるのか ─ 末候を支える植物科学
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