月干支(げつかんし)とは ─ 月の干支の決め方と2026年12ヶ月一覧、年・月・日を貫く三柱の暦

この記事でわかること
干支には年柱・月柱・日柱の三柱があるが、年と日の中間にある「月干支(月柱)」は意外と知られていない。月柱は暦月の1日ではなく節入り日で切り替わり、年干から五虎遁月法で導かれる。2026年丙午年の12ヶ月分の月干支早見表と決定法則を研究家視点で解説する。
目次
「干支」と問われたとき、わたしたちはまず「子・丑・寅……」と十二支を数え上げ、続いて生まれ年の「年干支」を思い浮かべる。少し詳しい人なら、日めくり暦に並ぶ「日干支」も知っている。だが、その年と日のちょうど中間に位置する「月干支(げつかんし)」――いわゆる**月柱(げっちゅう)**については、意外に知られていない。
福カレンダーの暦データを開くと、たとえば本日 2026 年 5 月 12 日は「丙戌(ひのえいぬ)」と日干支が表示される。しかしこの日が属する「月」もまた、固有の干支を持っている。本日であれば「癸巳月(みずのとみのつき)」――立夏(5 月 5 日)から始まり、芒種(6 月 6 日)前日までつづく節月の名前である。年柱「丙午」と日柱「丙戌」のあいだに、月柱「癸巳」がしずかに腰を据えている。
本記事では、この月干支を研究家視点で深掘りする。まず月柱の正体と 60 ヶ月で一巡するリズムを整理し、続いて月の境界が「1 日」ではなく「節入り日」である理由、年干から月干を導く「五虎遁月法(ごことんげっぽう)」の口訣、そして 2026 年丙午年の 12 ヶ月分の月干支を早見表にまとめる。年柱・月柱・日柱の三本の柱が同時に揃ったとき、暦はようやく立体になる。
干支は天と地と人の三才を貫く座標である。年は天、日は地、月はそのあいだに架かる橋である。 ──野分 蓮(本記事筆者・福カレンダー編集部)
月干支とは ─ 60ヶ月で一巡する暦の中段
月干支は、十干と十二支を組み合わせた六十干支のうち、「その月」に割り当てられた一組を指す。日干支が 60 日で一巡するのと同様に、月干支は 60 ヶ月(=5 年)で一巡する。同じ「癸巳月」が次に巡ってくるのは、2026 年 5 月の 60 ヶ月後――2031 年 5 月である。
干支研究の世界では、生年月日時の四つの干支を「四柱」と呼び、それぞれ年柱・月柱・日柱・時柱という。月柱は四柱推命において「青年期の運勢」「仕事・社会性」を表す柱として古くから重視されてきた(参考: Wikipedia「四柱推命」 の柱論)。学派や流派によって解釈は異なるが、月柱が暦の「中段」を担うことは共通の認識である。
月干支の構造を整理すると、次のようになる。
| 要素 | 内容 | 周期 |
|---|---|---|
| 月支(地支) | 寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥・子・丑 | 毎年同じ順で 12 ヶ月 |
| 月干(天干) | 甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸 | 年によって異なる |
| 月干支 | 月干 × 月支 の組み合わせ | 60 ヶ月(5 年)で一巡 |
ここで注意したいのは、月支は毎年固定だが、月干は年によって変わるという点である。たとえば「巳の月」は毎年 5 月相当に必ず巡ってくるが、その月干が「癸(みずのと)」になるか「乙(きのと)」になるかは、年干によって決まる。2026 年丙午年は癸巳月、2027 年丁未年は乙巳月、2028 年戊申年は丁巳月――5 年で一巡する。
十二支のそれぞれの象意と月対応については、十二支の解説記事で詳述しているので、合わせて参照されたい。
月の境界は「1日」ではなく「節入り日」─ 節月という暦法
月干支を語るうえでもっとも誤解されやすいのが、「月の境界」である。多くの人は「5 月の月干支は 5 月 1 日から、6 月の月干支は 6 月 1 日から」と思い込んでしまう。しかし、これは正しくない。
干支暦における月の境界は、**節気の「節(せつ)」を基準とする。二十四節気のうち、奇数番目の「節」が月の入り口となり、偶数番目の「中」は月の中央点を示す。これを節月(せつげつ)**といい、暦法上の正式な月の区切りである(参考: 国立天文台 暦計算室「暦Wiki/節気」 の節気解説)。
12 ヶ月の節月と、それぞれの入り口となる節気を一覧で示すと、次の通りである。
| 月支 | 通称 | 入り口の節気 | 2026年の節入り日 |
|---|---|---|---|
| 寅月 | 正月(睦月相当) | 立春 | 2026-02-04 |
| 卯月 | 二月(如月相当) | 啓蟄 | 2026-03-05 |
| 辰月 | 三月(弥生相当) | 清明 | 2026-04-05 |
| 巳月 | 四月(卯月相当) | 立夏 | 2026-05-05 |
| 午月 | 五月(皐月相当) | 芒種 | 2026-06-06 |
| 未月 | 六月(水無月相当) | 小暑 | 2026-07-07 |
| 申月 | 七月(文月相当) | 立秋 | 2026-08-07 |
| 酉月 | 八月(葉月相当) | 白露 | 2026-09-07 |
| 戌月 | 九月(長月相当) | 寒露 | 2026-10-08 |
| 亥月 | 十月(神無月相当) | 立冬 | 2026-11-07 |
| 子月 | 十一月(霜月相当) | 大雪 | 2026-12-07 |
| 丑月 | 十二月(師走相当) | 小寒 | 2027-01-05 |
節入り日は天文計算で定まるため、年によって 1 日程度前後する。福カレンダーの暦マスターはすべて国立天文台 暦象年表の公示値と検証済みで、ここに掲げる節入り日は NAOJ 値に基づく。
立夏(5/5)を境に巳月へ切り替わるという事実は、福カレンダーの月別暦でも確認できる。日干支は十干十二支の地道な循環でつながっているが、月干支は節入り日にすとんと切り替わる――この切れ目が、月柱の特異な性格を形作っている。
月干の決め方 ─ 五虎遁月法と陰陽五行の連動
月支は毎年固定だが、月干はどう決まるのか。ここに古典暦学の見事な法則がひそんでいる。それが**五虎遁月法(ごことんげっぽう、五虎遁元とも)**である。
「五虎遁」の名は、正月(寅月)の月干が「虎(寅)」のうえに置かれることに由来する。寅月の月干が決まれば、以下の卯月・辰月……はそこから順送りで決まる――いたって単純な仕組みである。問題は、年によって寅月の月干がどう変わるか、その対応関係である。
口訣(くけつ・覚え歌)は次のように伝わる。
甲己之年丙作首(甲己の年は丙より起こす) 乙庚之歳戊為頭(乙庚の年は戊より起こす) 丙辛必定尋庚起(丙辛の年は庚より起こす) 丁壬壬位順行流(丁壬の年は壬より起こす) 戊癸甲寅好追求(戊癸の年は甲より起こす)
これを表にすると次のようになる。
| 年干 | 寅月の月干支 | 由来(五行論) |
|---|---|---|
| 甲・己 | 丙寅 | 甲己合土 → 土を生む火(丙)から起こす |
| 乙・庚 | 戊寅 | 乙庚合金 → 金を生む土(戊)から起こす |
| 丙・辛 | 庚寅 | 丙辛合水 → 水を生む金(庚)から起こす |
| 丁・壬 | 壬寅 | 丁壬合木 → 木を生む水(壬)から起こす |
| 戊・癸 | 甲寅 | 戊癸合火 → 火を生む木(甲)から起こす |
驚くべきことに、五虎遁月法の背骨には陰陽五行の相生関係がある。各年干の「合」(甲己合土、乙庚合金など)の五行を生み出す五行を寅月の天干に置く――この一貫した論理によって、月干が機械的に導かれる。古代中国の暦学者がこの法則を組み上げた美しさには、いつ眺めても感嘆する。
2026 年は丙午年である。年干「丙」は「丙辛之年寻庚起」に該当するから、寅月は庚寅から始まる。あとは順送りである。
2026年 月干支12ヶ月早見表 ─ 丙午年の節月
五虎遁月法を適用して、2026 年丙午年の 12 ヶ月分の月干支を導いてみよう。立春(2026-02-04)以降が干支暦の丙午年であるから、2026 年 1 月(小寒〜立春前日)は厳密には前年の乙巳年・己丑月に属することを断っておく。
| 月柱 | 節入り日(節) | 終わり(次節の前日) | 代表的な暦の出来事 |
|---|---|---|---|
| 庚寅月 | 2026-02-04 立春 | 2026-03-04 啓蟄前日 | 節分・立春・初午 |
| 辛卯月 | 2026-03-05 啓蟄 | 2026-04-04 清明前日 | 春分・お彼岸 |
| 壬辰月 | 2026-04-05 清明 | 2026-05-04 立夏前日 | 穀雨・春土用 |
| 癸巳月 | 2026-05-05 立夏 | 2026-06-05 芒種前日 | こどもの日・小満・葵祭 |
| 甲午月 | 2026-06-06 芒種 | 2026-07-06 小暑前日 | 入梅・夏至(6/21) |
| 乙未月 | 2026-07-07 小暑 | 2026-08-06 立秋前日 | 七夕・夏土用・大暑 |
| 丙申月 | 2026-08-07 立秋 | 2026-09-06 白露前日 | お盆・処暑 |
| 丁酉月 | 2026-09-07 白露 | 2026-10-07 寒露前日 | 秋分・お彼岸・敬老の日 |
| 戊戌月 | 2026-10-08 寒露 | 2026-11-06 立冬前日 | 霜降・秋土用 |
| 己亥月 | 2026-11-07 立冬 | 2026-12-06 大雪前日 | 七五三・小雪 |
| 庚子月 | 2026-12-07 大雪 | 2027-01-04 小寒前日 | 冬至(12/22)・大晦日 |
| 辛丑月 | 2027-01-05 小寒 | 2027-02-03 立春前日 | 大寒・節分(旧年の最終月) |
たとえば本日 2026 年 5 月 12 日は癸巳月のなかにあり、火曜日・仏滅・日干支は丙戌である。月の境界は立夏(5/5)と芒種(6/6)であるから、5 月 1 日〜 4 日は実は前月の壬辰月に属する、ということになる。月初の 4 日間と月末の 4 日間に「月柱の境目」がしばしば現れるため、月干支を読むときは節入り日カレンダーを必携にしておきたい。福カレンダーの2026 年カレンダーハブを開き、各月の節気を確認しながら読むと整理しやすい。
年・月・日の三柱が連動する暦 ─ 「同柱日」という稀少な日
年柱・月柱・日柱の三本を縦に並べると、たとえば 2026 年 5 月 12 日は次のようになる。
- 年柱:丙午
- 月柱:癸巳
- 日柱:丙戌
ここで興味深いのが、年干と日干がともに「丙」で揃っていることである。十干が同じ柱を「干透(かんとう)」、地支が同じ柱を「支同(しどう)」と呼ぶ流派もあり、四柱推命の世界では柱の連動に意味を見出す。
さらに稀少なのが、三柱の干支がすべて同じになる「同柱日」――たとえば「丙午年・丙午月・丙午日」のように、年・月・日が同じ干支を持つ日である。 2026 年丙午年については、別記事年・月・日の干支が重なる日 完全カレンダー 2026で 12 日分を抽出している。三柱の連動は、丙午年特有の暦の祝祭である。
また、 60 日に一度巡ってくる「甲子の日」のように特定の日柱に注目する伝統もある。日柱と月柱が呼応すれば、その日のエネルギーはより重層的になる――福カレンダーの暦データに月柱と日柱を併記する設計は、この「立体的な暦読み」を可能にするためのものである。
月柱を生活に活かす ─ 自分の生まれ月の月柱を知る
月柱の最も身近な使い方は、自分の生まれ月の月柱を確認することである。四柱推命では月柱を「青年期・社会性・職業適性」を司る柱とみなす流派が多い。
調べ方は次の通りである。
- 生まれ年の干支(年柱)を西暦の下 1 桁から導く(4=甲, 5=乙, 6=丙, 7=丁, 8=戊, 9=己, 0=庚, 1=辛, 2=壬, 3=癸)
- 立春前生まれの場合、年干は前年に繰り上がる(2026 年 1 月 1 日〜 2 月 3 日生まれは乙巳年扱い)
- 上の表(五虎遁月法)で、年干に対応する寅月の月干を確認する
- 自分の生まれ月の節入り日を調べ、節入り後の生まれであれば当月の月柱、節入り前であれば前月の月柱を採用する
たとえば 1986 年 6 月 10 日生まれの場合、年干は下 1 桁 6 → 丙。1986 年は丙寅年で、寅月は庚寅から始まる。6 月は午月で、寅月から数えて 5 番目(寅・卯・辰・巳・午)であるから、庚→辛→壬→癸→甲となり、午月は甲午月――ただし芒種(1986 年 6 月 6 日)前の生まれであれば前月の癸巳月になる。 1986 年 6 月 10 日は芒種以後なので、月柱は確定して甲午である。
月柱の象意は、月干と月支それぞれの五行と陰陽から読む。たとえば甲午月であれば、月干「甲」は陽の木、月支「午」は陽の火。木が火を育てる相生の関係にあり、エネルギーを外へ向ける積極性が読み取れる――というのが一例である(詳細は四柱推命の専門書を参照)。当サイトでは流派ごとの差異を尊重し、断定的な性格診断は避けている。十干の象意については十干の解説記事、十二支の象意については十二支の解説記事を合わせて参照していただきたい。
ここまで読み進めて、月干支が単なる「もう一つの干支」ではなく、年と日のあいだに架かる橋であることが見えてきたと思う。月支は毎年同じ順に巡るが、月干は年干によって変わる――この二重性が、五虎遁月法と陰陽五行の論理によって美しく整序されている。
そして月の境界は、暦月の 1 日ではなく節入り日にある。立春・啓蟄・清明・立夏……と続く 12 の節は、千年を超えて天文計算と人の暮らしを結びつけてきた節目である。月柱を読むとは、節入り日カレンダーを読むことに他ならない。
福カレンダーでは、日々の暦データに六曜・吉日・月相・節気・日干支を併記している。今後は月柱の表示も検討しているが、当面は本記事の早見表と2026 年丙午の夏、年月日干支が重なる日を合わせて読むことで、年・月・日の三柱を立体的に把握していただければ幸いである。
暦は千年の観察記録である。月柱という橋を渡ると、暦の景色は確かに少し変わって見える。
参考文献・参考資料
- 国立天文台 暦計算室「暦象年表」(節気の日時、本記事の節入り日はすべて NAOJ 公示値と一致)
- Wikipedia 日本語版「干支」(六十干支の概説、年・月・日・時の四柱)
- Wikipedia 日本語版「四柱推命」(月柱の意味と柱論の流派差)
- 国立国会図書館デジタルコレクション(『五行大義』『暦の百科事典』など、五虎遁月法の古典資料)
- 関連書籍: 岡田芳朗『日本の暦』新人物往来社(節月制と暦法の章を参照)
- 暦計算の出典: 福カレンダーの暦マスター(NAOJ 検証済、2020-2027 年の節気は NAOJ 公示値と 588/588 一致)
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野分 蓮干支と暦の研究家
- 十干十二支
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十干十二支・二十四節気・自然と暦の関わりを、歴史と科学の両面から掘り下げる研究家肌の編集者。古文書の記述と現代の気象データを突き合わせるような、知的好奇心を刺激する考察記事を得意とする。
この編集者の記事を見る →この記事について
本記事は一般的な暦の知識や伝統的な解釈に基づいています。 占いの結果を保証するものではありません。最終的な判断はご自身でお願いします。
免責事項を読む →福カレンダーでは、暦に関するコンテンツを正確かつ分かりやすくお届けするよう努めています。
編集方針について →参考情報:暦注・民俗資料、公的機関の暦情報を参考に編集部が整理しています。
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