旬の食材と暦 ─ 二十四節気で味わう季節の恵み

この記事でわかること
**旬の食材**には、その季節ならではの栄養と開運パワーが宿ります。二十四節気ごとの旬食材ガイドから「食養生」の考え方、各食材の縁起的な意味まで、暦の知恵で食卓を豊かにする方法を解説します。
目次
旬の食材と暦 ─ 二十四節気で味わう季節の恵み
「初物を食べると七十五日寿命が延びる」——日本には、旬の食材を大切にする文化が根付いています。二十四節気と旬の食材の関係、食養生の知恵、そして食材に込められた開運の意味を紐解きます。
旬と暦の深い関係
旬(しゅん) とは、食材が最も美味しく、栄養価も高い時期のこと。日本では古来、二十四節気や七十二候を目安に旬の食材を見極め、季節の恵みを食卓に取り入れてきました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 旬の定義 | 食材が最も美味しく栄養価が高い時期 |
| 暦との関係 | 二十四節気・七十二候が旬の目安 |
| 食養生とは | 旬の食材で体を整える東洋医学の考え方 |
| 開運との関係 | 旬のエネルギーを体に取り込むことで運気上昇 |
「走り」「盛り」「名残」の三段階
旬の中にも段階があり、それぞれ異なる味わいを楽しめます。
| 段階 | 意味 | 味わい |
|---|---|---|
| 走り(はしり) | 出始めの時期 | みずみずしく、香りが良い |
| 盛り(さかり) | 最盛期 | 味・栄養ともに最高 |
| 名残(なごり) | 終わりの時期 | 熟成された深い味わい |
[!TIP] 「初物七十五日」という言葉は、走りの食材を食べると寿命が75日延びるという縁起担ぎ。江戸っ子は初物を競って買い求めました。
食養生の基本 ─ 五味と五臓
東洋医学では、食材の味を 五味(ごみ) に分類し、それぞれが 五臓(ごぞう) に対応すると考えます。季節ごとに必要な味を意識して食事をとることが「食養生」の基本です。
| 五味 | 対応する臓器 | 対応する季節 | 代表的な旬食材 |
|---|---|---|---|
| 酸味 | 肝 | 春 | 梅、柑橘類、酢の物 |
| 苦味 | 心 | 夏 | ゴーヤ、緑茶、山菜 |
| 甘味 | 脾 | 土用 | 米、サツマイモ、かぼちゃ |
| 辛味 | 肺 | 秋 | 生姜、大根、ネギ |
| 鹹味(塩辛い) | 腎 | 冬 | 海藻、味噌、漬物 |
[!NOTE] 「土用」は各季節の変わり目(年4回)にあたり、胃腸を整える甘味の食材が良いとされます。土用の丑の日にうなぎを食べる風習も、この考え方がベースにあります。
春の旬食材(立春〜穀雨)
春は冬の間に溜まった老廃物を排出し、新しい生命力を取り込む季節です。山菜や春野菜の 苦味 が体のデトックスを助けます。
| 節気 | 時期 | 旬の食材 | 食養生のポイント |
|---|---|---|---|
| 立春 | 2月4日頃 | フキノトウ、菜の花、イヨカン | 春の苦味で冬の毒を出す |
| 雨水 | 2月19日頃 | ワカメ、ハマグリ、イチゴ | 海藻のミネラルで体を潤す |
| 啓蟄 | 3月6日頃 | タラの芽、ゼンマイ、サワラ | 山菜の苦味が肝臓を活性化 |
| 春分 | 3月21日頃 | タケノコ、シラス、桜餅 | 旬の竹の子で生命力を補給 |
| 清明 | 4月5日頃 | アサリ、タイ、ヨモギ | 鯛は「めでたい」に通じる縁起物 |
| 穀雨 | 4月20日頃 | 新茶、グリーンピース、カツオ | 初鰹は「勝つ」に通じる開運食 |
春の開運食材
| 食材 | 開運的な意味 |
|---|---|
| タケノコ | まっすぐ伸びる=成長・出世運 |
| 鯛 | 「めでたい」の語呂合わせ |
| 初鰹 | 「勝つ魚」で勝負運アップ |
| 桜餅 | 桜のパワーで邪気払い |
夏の旬食材(立夏〜大暑)
夏は体内に熱がこもりやすい季節。水分豊富な 夏野菜 や 夏果物 で体を冷やし、暑さに負けない体をつくります。
| 節気 | 時期 | 旬の食材 | 食養生のポイント |
|---|---|---|---|
| 立夏 | 5月5日頃 | ソラマメ、アスパラガス、アジ | 初夏の青物で気力を養う |
| 小満 | 5月21日頃 | ビワ、ラッキョウ、キス | ラッキョウは疲労回復に効果的 |
| 芒種 | 6月6日頃 | 梅、鮎、新ショウガ | 梅仕事で夏の備えを |
| 夏至 | 6月21日頃 | ミョウガ、オクラ、スルメイカ | ネバネバ食材で胃腸を守る |
| 小暑 | 7月7日頃 | スイカ、トマト、ウナギ | 水分豊富な果菜で体を冷やす |
| 大暑 | 7月22日頃 | トウモロコシ、枝豆、ハモ | 土用の丑の日にうなぎで精力補給 |
夏の開運食材
| 食材 | 開運的な意味 |
|---|---|
| 梅 | 「梅は三毒を断つ」——食・血・水の毒を除く |
| スイカ | 赤い果肉は魔除けの色。暑気払いにも |
| ウナギ | 生命力の象徴。土用の丑の日に食べて精力増強 |
| 枝豆 | 「豆」は「まめに働く」の縁起物 |
[!TIP] 芒種の頃に漬ける 梅干し は、1年分の健康の備え。「梅仕事」は暦に従った先人の知恵です。
秋の旬食材(立秋〜霜降)
秋は「実りの秋」。夏の疲れを癒し、冬に備えて栄養を蓄える大切な季節です。辛味 の食材が肺を潤し、乾燥から体を守ります。
| 節気 | 時期 | 旬の食材 | 食養生のポイント |
|---|---|---|---|
| 立秋 | 8月7日頃 | ナス、ブドウ、サンマ | 秋ナスは体の余分な熱を取る |
| 処暑 | 8月23日頃 | イチジク、サバ、ミョウガ | イチジクの酵素が胃腸を整える |
| 白露 | 9月8日頃 | 梨、松茸、戻りカツオ | 梨は喉を潤す秋の名薬 |
| 秋分 | 9月23日頃 | 栗、ギンナン、サンマ | おはぎで先祖に感謝 |
| 寒露 | 10月8日頃 | 柿、サツマイモ、サケ | 「柿が赤くなると医者が青くなる」 |
| 霜降 | 10月23日頃 | リンゴ、レンコン、ヒラメ | 根菜類で体を温め始める |
秋の開運食材
| 食材 | 開運的な意味 |
|---|---|
| 栗 | 「勝ち栗」で勝負運。おせち料理にも |
| 柿 | 厄除けの果物。「柿落とし」は新しい始まりの意 |
| サンマ | 「秋刀魚」の刀は邪気を断つ |
| サツマイモ | 「九里(栗)四里(より)うまい十三里」の縁起物 |
冬の旬食材(立冬〜大寒)
冬は体を温め、腎を養う季節です。鹹味(塩辛い) の食材や根菜類で内臓を温め、寒さに負けない体を作ります。
| 節気 | 時期 | 旬の食材 | 食養生のポイント |
|---|---|---|---|
| 立冬 | 11月7日頃 | 大根、白菜、カキ(牡蠣) | 鍋料理で体を芯から温める |
| 小雪 | 11月22日頃 | ユズ、カブ、ブリ | ユズの香りで邪気払い |
| 大雪 | 12月7日頃 | ミカン、タラ、ホウレンソウ | こたつにミカンは冬の養生 |
| 冬至 | 12月22日頃 | カボチャ、小豆、ユズ | 「ん」のつく食材で運を担ぐ |
| 小寒 | 1月6日頃 | 七草、ブリ、金柑 | 七草粥で胃腸を休める |
| 大寒 | 1月20日頃 | 寒ブリ、フグ、甘酒 | 大寒卵は1年の栄養源 |
冬至の「ん」がつく食材
冬至には「ん」がつく食材を食べると 運(うん) が呼び込めるとされます。
| 食材 | 読み(「ん」の位置) |
|---|---|
| 南瓜(かぼちゃ) | なんきん |
| 人参 | にんじん |
| 蓮根 | れんこん |
| 銀杏 | ぎんなん |
| 金柑 | きんかん |
| 寒天 | かんてん |
| 饂飩(うどん) | うんどん |
[!TIP] 「ん」が2つ入る食材は「運」が倍になるとされ、特に縁起が良いとされています。冬至の日にこれらの食材を取り入れてみましょう。
節気ごとの食養生カレンダー
1年を通した食養生のポイントを一覧にまとめました。
| 季節 | 養うべき臓器 | おすすめの味 | 代表的な食材 | 避けたい食習慣 |
|---|---|---|---|---|
| 春 | 肝 | 酸味 | 山菜、柑橘類 | 脂っこいもの、暴飲暴食 |
| 夏 | 心 | 苦味 | ゴーヤ、緑茶 | 冷たいものの摂りすぎ |
| 土用 | 脾 | 甘味 | 米、かぼちゃ | 生もの、冷たい飲み物 |
| 秋 | 肺 | 辛味 | 大根、生姜 | 辛すぎるもの(適度に) |
| 冬 | 腎 | 鹹味 | 海藻、味噌 | 体を冷やす食材 |
よくある質問
Q: 旬の食材は栄養価が本当に高いのですか?
A: はい、科学的にも確認されています。例えばホウレンソウのビタミンC含有量は、旬の冬場は夏場の約3倍になります。トマトのリコピンも夏の旬に最大値を示します。旬の食材を選ぶことは、栄養面からも理にかなっています。Q: 食養生は医学的に根拠がありますか?
A: 東洋医学に基づく考え方であり、現代の栄養学とは体系が異なります。ただし「旬の食材を食べる」「季節に合った食事をとる」という基本方針は、現代の栄養学でも推奨されており、大きな矛盾はありません。Q: スーパーで旬の食材を見分けるコツは?
A: 旬の食材は「量が多い」「価格が安い」「産地が近い」のが目安です。また、POPに「旬」「今が食べ頃」と書かれていることも多いです。二十四節気を意識して買い物をすると、自然と旬の食材を手に取れるようになります。Q: 冬至にかぼちゃを食べるのはなぜですか?
A: 冬至は1年で最も昼が短い日。「陰」が極まり「陽」に転じる転換点です。かぼちゃは夏に収穫して保存が効く緑黄色野菜で、ビタミン豊富。「南瓜(なんきん)」と呼ぶことで「ん」が2つ入り、運気上昇の縁起物としても食されてきました。Q: 土用の丑の日にウナギ以外で良い食材は?
A: 「う」のつく食材が良いとされています。うどん、梅干し、瓜(きゅうり・スイカ)などが代表的です。また、土用は脾(胃腸)を養う季節なので、消化の良い甘味の食材(かぼちゃ、サツマイモなど)もおすすめです。まとめ
旬の食材と暦は、日本人が自然とともに築いてきた「食の知恵」の結晶です。
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 旬の三段階 | 走り・盛り・名残で異なる味わい |
| 食養生 | 五味×五臓で季節に合った食事を |
| 春の食材 | 山菜の苦味でデトックス |
| 夏の食材 | 水分豊富な夏野菜で体を冷やす |
| 秋の食材 | 実りの恵みで冬に備える |
| 冬の食材 | 根菜と鹹味で体を芯から温める |
二十四節気の移ろいとともに旬の食材を楽しみ、季節のエネルギーを食卓から取り入れてみませんか。
関連記事
今日の暦をチェック
参考文献・出典
- 年中行事 (Wikipedia 日本語版)— Wikipedia(参照: 2026-05-16)
- 文化財オンライン (文化庁)— 文化庁(参照: 2026-05-16)
- 日本の暦 -国立国会図書館-— 国立国会図書館(参照: 2026-05-16)

野分 蓮干支と暦の研究家
- 十干十二支
- 二十四節気
- 自然暦
十干十二支・二十四節気・自然と暦の関わりを、歴史と科学の両面から掘り下げる研究家肌の編集者。古文書の記述と現代の気象データを突き合わせるような、知的好奇心を刺激する考察記事を得意とする。
この編集者の記事を見る →この記事について
本記事は一般的な暦の知識や伝統的な解釈に基づいています。 占いの結果を保証するものではありません。最終的な判断はご自身でお願いします。
免責事項を読む →福カレンダーでは、暦に関するコンテンツを正確かつ分かりやすくお届けするよう努めています。
編集方針について →参考情報:暦注・民俗資料、公的機関の暦情報を参考に編集部が整理しています。




